「……で、ゼロとカレンが見つからないと?」
「みたいですね☆」
何か消えたらしい。
不思議な現象である。
しかも私が行くと邪魔になるとか言われたので私は関与できないという。
私の扱いが雑では?
「まあご主人様の扱いはそんな感じでいいと思いますよ☆」
悲しい。
とはいえ唐突に暇になった今日。
折角だしデートでもするか。
「ご主人様、唐突な上に自分がお尋ね者だという自覚皆無ですか?」
「よし今日はお前を死ぬほど甘やかしてやるぞ」
「新手の死刑宣告ですか?」
ろくろは何を言っているんだ。
そう言うと、ろくろがジト目でこちらを見る。
「ちょっとろくろを褒めてみてください」
「ん? ろくろは凄いなまずは可愛いまるで人形かと見間違うほどだそして言動も素晴らs」
「はいストップ! あんまり長いとろくろ暴走しますよ?!」
「何を言っているんだ」
自分から言い出したことなのに、何故止めるのか。
まあいいや。
とりあえずこのまま街に出るとして、何しようか。
「あ、本当に街に出るつもりだったんですね」
「デートだからな」
「さて」
「あの、これで外歩くのかなり恥ずかしいんですけどっ」
今日のろくろはゴスロリチック。
白黒のレースやら何やらがあしらわれ、ふわっふわのスカートも完備している可愛いを前面に出した代物である。
実際可愛い。
「似合ってるよ」
「もう動じませんからね?」
「愛しているよ」
「ぶっ殺しますよ!?」
動じるじゃん。
軽くぶん殴られた後、私達は近くのショッピングモールを見て回ることにした。
公園見て回ろうぜ! って言ったら却下された。
なんでだろうな。
「あの公園カップルばっかりで評判じゃないですか!?」
「え?」
「肝心なところで聞いてない!」
何の話をしているのか。
頭を抱えているろくろの両手をとって顔をじっと見る。
「私では不服か?」
「そういうんじゃないですけど! 限度ってありますよね!?」
よくわからない。
私は雰囲気でろくろを褒めている。
「……いやまあ、もういいです。好きにしてください」
「では愛しのろくろ、私のエスコートを受けてくれるね?」
「こいつ……!」
今度は蹴りを喰らわせて来るろくろをあしらいつつ、ウィンドウショッピングを続けるのだった。
ちなみに翌日ナキとデートをしようと声をかけたら急に逃げられてしまった。
何かあったのだろうか。
そんなことがあって暫く。
ルルーシュとカレンが見つかって、なんとなくのほほんとしていた頃。
行政特区日本ができるという噂が!
「噂というか、ニュースになってますね」
もぐもぐと朝食を食べながら、ろくろが言う。
今日の朝食は私の手作りである。
美味しい美味しいと言っているが、実はまだろくろやナキには教えていない。
食べきった後で教えて驚かせてやるのだ。
「それは困ったな」
「何がだ?」
ナキももぐもぐと朝食を食べつつ困った困ったと口にする。
何が困ったのだろうか。
私にはよくわからなかった。
「これで黒の騎士団もお役御免。ただの逆賊に早変わりだ」
「……なるほど?」
「分かってないなら無理に分かった振りしなくていいんだぞ」
失敬な。
何となくわかっているぞ。
ナキの言う通り、この状況下では黒の騎士団、ひいてはゼロの正当性敵なものが失われてしまう。
故にピンチ。
どうするルルーシュ? って感じだろう。
「まあ私は招待されてるから気軽に入場するんだが」
「ぶふー!?」
「汚いぞろくろ」
噴き出したコーヒーを拭ってやり、そのまま食事を続ける。
いやまあ、もったいないし?
それと、ろくろは口開いたまま何やってるんだ?
「馬鹿ですかご主人様? すみません馬鹿でした」
「褒めるなよ照れる」
「あきらめろろくろ、こいつはこういう奴だ」
ズズーっと味噌汁を飲むナキ。
はしたないぞ。
音を立ててはいけないと私は習ったのだぞ。
「ちなみにこの朝食は私が作った」
「「ぶふー!?」」
ふたりが噴き出す。
驚いたようだな。
満足したぞ。
「じゃ、呼ばれてるから行くぞ」
「え?」
「式典」
「本気で言ってたのか」
「というわけで行政特区日本の成立を祝って!」
「いやまだですよ?」
早かったらしい。
とりあえず席に着いたが、ろくろは落ち着かない様子。
私の騎士なんだからちゃんとしてもらわないと困るのだが。
逆にナキはどっしりと構えているな。
こういう場に鳴れている様子だ。
理由は分からないが。
そして、私の隣にはナイトオブファイブ、キャサリンが。
ろくろたちは私の後ろに立っているのだった。
「そういえば」
「ん?」
唐突にキャサリンが声をかけてくる。
いやまあ、こんな状況だ。
私という高貴な存在にすがりたくなる気持ちもわかる。
「黒の騎士団に協力している皇族がいるらしいとのことですが、御存じありませんか?」
「へぇー」
別にそんなことはなかったらしい。
しかし、私は協力しているのではなく同盟を組んでいるのでセーフ。
嘘はついていない。
話してもいないしな。
「ふぅん……まあいいでしょう」
「何か気になることでも?」
「いいえ」
変な奴だ。
まあいい。
私はそろそろ到着するであろうルルーシュを待ちながら、久し振りの豪華な座椅子に深く腰掛けるのだった。