コードギアス 撃滅のアイベシ   作:偽馬鹿

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急なシリアス。
……シリアスか、これが……?


馬鹿覚醒

「き、来ました! ゼロです!」

 

堂々と空を飛んでやってくるゼロことルルーシュ。

こういうときに豪快な感じでやってくるあたりが皇族って感じ。

 

まあ細かい話はいい。

今はなんか唐突に立ち上がったお隣さんを追いかけるのが先だ。

 

「ふん、ふんふん♪」

 

鼻歌だ。

気持ち悪いくらいに外れた音程だ。

こっそり尾行しているからか、気付かれた様子はない。

 

そして、キャサリンが向かった先はルルーシュとユーフェミアがいるところ。

何か日本人もいるな。

くるるるるぎスザクだったか?

多分違うな。

 

とにかく。

ルルーシュとユーフェミアが並んでいるところに、キャサリンが近寄っていく。

ううむ、嫌な予感。

もう少し接近するか。

 

「ユフィ、そしてゼロ」

「あら、キャサリンお姉さま」

 

チリチリと首の辺りが焼けるような感覚。

うーむ、この感覚は戦場のそれだぞ?

何かが起こるな。

 

「どうしてこちらに? 来賓席はあちらの方……」

 

そう言ってユーフェミアがこちらに向かって手を向けた瞬間。

 

 

 

「さようなら、ですの」

 

 

 

ザクリと、ユーフェミアの身体が両断された。

 

 

 

 

 

 

「ユフィ!」

「ユーフェミア!」

 

唐突な蛮行に、周囲が途端にざわめきだす。

ルルーシュはユーフェミアが斬られる直前にどうにか自分の方へと引き寄せたようだ。

だが、あの傷は。

 

「き……さまあああああああ!」

 

そこに、スザクっぽい男が飛び掛かってくる。

素早い、そして鋭い。

普通の人間なら反応できないような速度で接近して、蹴りを放った。

 

「―――――惰弱」

 

しかし。

ナイトオブファイブはそれ以上だった。

 

「脆弱……」

 

右手だけでその蹴りを受け止め、即座に地面へと叩きつけた。

 

「かっ!?」

 

そして踏みつける。

左手には礼装の剣。

あ、やべー奴や。

 

「貧弱ですわぁ!」

「そいつは困るぞっと!」

 

左手を銃で撃ち抜く。

見事に躱されたが、それでもスザク? が逃げる隙はできたようだ。

足をどかしてバク転。

ちょうどユーフェミアとキャサリンの間に立った。

 

「何故こんなことを!?」

 

スザクらしき男が叫ぶ。

そうだ、今の状況でユーフェミアを斬り殺すのはやばい。

日本人からも、ブリタニア人からも狙われる。

それなのに何故か。

 

「簡単ですわ」

 

そして、キャサリンはきょとんとした顔で言い放ったのだった。

 

 

 

「ユーフェミアとゼロは逆賊。故に殺すのですわ」

 

 

 

 

「は……?」

 

誰もが言葉を失う。

それはそうだ。

何が逆賊なのか。

ユーフェミアは行政特区日本を作ろうとしただけではないか。

いやまあ凄いえげつない手だから誰かの入れ知恵かもしれないが。

 

それはともかく。

逆賊とは穏やかではない。

問いたださなければ。

 

「何故逆賊だと?」

「単純な話。ゼロとそこのユーフェミアはつながっているのです」

「何を根拠に?」

「本人に直接聞いてみては?」

 

と言われたものの、ユーフェミアは瀕死。

ルルーシュも驚きでそれどころではない。

 

「とにかく。逆賊は殺すに限りますわ。反逆反乱動乱は撲滅するに限ります」

 

思考が極端すぎる。

こいつはヤバい奴だ。

 

 

 

とにかく。

この状況下ではルルーシュは役立たず、スザクっぽいのも興奮状態。

もう1人ほどヤバくなってるであろう人物に心当たりはあるが、今は放置。

 

「ろくろ、ナキ」

「はい!」

「ユーフェミアとゼロを連れて退避。ナキは私に続け」

「了解」

 

突貫。

ナキはいつの間にか持っていたナイフを構えて突進。

私は銃を片手に徒手空拳だ。

伊達に皇族やってないぞ。

 

「ええと、そうですわね。こういうのはどうでしょう」

 

しかし、私達の攻撃を簡単にいなして見せるキャサリン。

いやマジで強いなこの女。

 

「リーファ。ケイオス爆雷を」

 

そして、そこまでやってから真上にKMFがあることに気付いた。

あ、やべ。

死ぬわこれ。

 

投げられたケイオス爆雷は綺麗な放物線を描き、即座に起爆。

私達にその暴力的な散弾が降り注ぐ。

 

 

 

……うーんだめだこれ。

私も死ぬし、ろくろたちも死んでしまう。

それは困る。

 

……困るなぁ。

死んでほしくないなぁ。

何かないかなぁ。

どうにかできないかなぁ。

 

 

 

 

 

キイン、と脳裏に何かが閃く。

 

 

 

 

 

―――――ああ、思い出した。

 

 

 

 

 

両目が焼けるように痛い。

だがそれはどうでもよかった。

今はそう、この状況を乗り切ることだけを考える……!

 

 

 

 

 

「リヴァーサ・アイベシ・ブリタニアが命じる!」

 

 

 

 

 

単純な話だ。

私にはいくらかの抜け落ちた記憶がある。

それは私が忘れっぽいからだけではない。

ただ単純に、消費してしまっただけなのだ。

 

 

 

 

 

「目の前の暴力を……撃滅せよ!!!」

 

 

 

 

 

 

瞬間、2つの閃光が交錯する。

 

砕ける破壊の散弾。

そして砕けていく光の障壁。

何かこうファンタジーな感じで時間が過ぎていく。

 

 

 

そして。

散弾が消えた時。

障壁はまだ残っていた。

 

 


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