「……あの、ご主人様☆」
「何だろくろ?」
「離れてくださいっ☆」
「痛っ」
そんな。
ただろくろの近くに寄ってろくろのナイトメアフレームの中身を見せてもらっているだけなのに!
ただ顔と顔が近すぎて吐息がかかるのも分かってしまうだけだというのに!
「だーかーらー! はーなーれーてーくーだーさーいー!」
追い出された。
仕方ないのでユーフェミアと話をする。
最近どう?
え、コーネリアが構ってくれない?
それは悲しいな。
よし、私が日本を平定してあげよう。
モヒカン同盟としてだが。
「む、ユフィから離れろ。馬鹿がうつる」
「よせやい照れる」
「褒めてないからな」
そこにコーネリアもやってくる。
私がユーフェミアに変な真似をしていないか見張る為らしい。
心外である。
こんなにも清廉潔白だというのに!!!
「昔ユフィに木登りを教えたのは貴様だったな……?」
「忘れた!」
脱兎!
「……で、ここに逃げてきたんですか馬鹿なんですか?」
そして再度ろくろのナイトメフレームのコックピットに戻ってきたという。
仕方ないだろう。
他の場所には兵士がいて、面倒臭くなりそうだったんだから。
「そういえば」
「何ですかご主人様? あと普通に近いんで離れてください☆」
「やさぐれてない?」
「誰のせいだと思います?」
「私のせいではないことは確かだな!」
殴られた。
気を取り直して。
「このナイトメアフレームって、もしかして私を暗殺するために造られた奴だったりする?」
「無駄に察しがいいですね☆」
「照れる」
「そのまま顔赤くして燃え尽きてください☆」
辛辣である。
しかし、改めてみると凄い機体である。
黒一色の装甲。
チューンから察するに速度特化。
パーツを見てみれば整備もしやすい。
武装はナイフ、そして右腕に弓のような装備が付いている。
あとは頭部のパーツに違和感があるな。
ジャミング装置とかだろうか。
「……どうしてそこまで分かるんですか?」
「ん? いや、ナイトメアフレームの整備してれば当然じゃない?」
「当然じゃないですっ」
違ったらしい。
しかし、何故か私は理解できてしまっているので、きっと他の奴らがおかしいのだろう。
そう、モヒカン同盟の白鳥谷スバルが言っていた。
『ねじを見ればどんなパーツに適しているかはわかります。それはそれとして冷却放射銃は搭載しておきますね』
つまりその下位である。
装備品を見ればその設計思想がわかるのだ。
ところでスバル君は私のナイトメアフレーム製作に着手してくれないだろうか。
無理ですかそうですか。
「それはともかくだ」
「はい?」
そうだ。
どうしても聞いておきたかったことがあった。
そもそもここまでろくろのナイトメアフレームで移動してきたのに何を言っているのかとか言われそうだが。
「なんで、今ナイトメアフレームの整備してるんだ?」
「……???」
聞いた瞬間、ろくろの顔が凄いことになった。
まるで「何言ってるんだこいつ」とでも言いたげな表情だ。
「何言ってるんですか?」
本当に言われた。
心外である。
何も考えていないぞ。
と思っていたのだが。
「だってご主人様、ルルーシュ様もツッキーも殺したくないんでしょう?」
そう聞いて、なるほどと納得してしまった。
確かに、2人は殺したくない。
しかし今現在2人は恐らく黒の騎士団にいる。
ナキがいると思った理由は、この間の事件からナキと連絡が取れていないからである。
そうなると、私がそいつらを捕まえてどうにか例外処置を与えなければ凌辱確定である。
ああいや、この場合の凌辱というのは、死の尊厳とか何とかを辱めるとかの意味である。
他意はない。
「なるほど、ありがとうな」
そう言って頭をなでてやると、ろくろは顔を赤くして私をコックピットから突き飛ばしたのだった。