プリズマイリヤ ~もう一つの聖杯戦争~   作:R-spo

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第1話

「問おう、君が俺のマスターか」

 

目を覆う眩い光が消えると、そこには黒いコートに身を包んだ銀髪の青年がイリヤに背を向けて立っていた。

そんなばかな、イリヤスフィールは英霊を召喚したとでもいうの。英霊とは世界と契約した、霊長の存続だけを目的とした無色の力。世界そのものであるが故に、こちらからの干渉はまず不可能。あれは霊長の存続を脅かす危機が生じた場合のみ、その危機を排除するためだけに現れるモノのはず。カードを介してその力の一端を引き出すのならともかく、あれをそのまま現世に現界させるなんて。あのカードにはそこまでの力はないはず。それが、どうして。

 

しかし当のイリヤ本人にはその驚きはなく、それがさも当然であるのかのように黒衣の英霊を冷たい目で見据えて、マスターとして命令を下した。

 

「アーチャー、目の前の敵を油断なく、躊躇いなく、殺される前に殺しなさい」

 

「了解した」

 

そう応じると、黒衣の英霊、アーチャーはその銀髪を隠すようにフードを被り、黒い騎士のもとへ歩を進める。騎士はその両手に禍々しいまでの気を帯びた剣を携えており、心なしか口元が少し笑ったように見えた。アーチャーはそのような騎士の様子を意にも返さず、どこから取り出したのか黒と白の双剣をその両手に握り締めおり、その歩みを止めることはない。そして、二人の黒い騎士は......。

 

 

 

~数日前の遠坂家~

 

 全く、なんでこんなことになったのよ~、と遠坂凛は久方ぶりの自宅で一人ため息混じりにぼやていた。

 

 もとはと言えば、全部あいつが悪いんじゃない。ルヴィアのやつ、本気で魔力弾を撃ってくるなんて。あれじゃあ私も応戦するしかないっての。なのにルビーのやつ私を裏切るなんて。

 

 それにしても、まさか、大師父から授かった魔術礼装を一般人の目に晒してしまい、その上マスター権まで失ってしまうとは。これが大師父にバレた日にはどうなることやら。この遠坂凛一生の不覚だわ。

 

 だが、過ぎてしまったことは仕方がない。とりあえず、新しくルビーのマスターになった娘とはサーヴァントの契約を結んだわけだし、何とかなるでしょう。

 

 あの娘、名前はなんていったかな。確か、、、イリ、、、なんだったかな。え~、確か。そうだ、イリヤスフィール。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンだ。どこかで聞いたことあるような気がするのが引っかかるんだけど。

 

 まぁいいわ。いつまでもくよくよしていても仕方がないし、何とかなるでしょ。遠坂たる者常に優雅たれ、よ。

 

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