清澄高校が栄えある入学式を迎えて数日が経過し、いよいよ各種手続きや学校のオリエンテーションなんかが一通り終わったある日の午後。
その日は兼ねてより説明のあった部活動見学の日であり、事実上昼いっぱいがまるまる自由時間ということもあってか朝から浮かれた生徒も多くいて、京ちゃんが既に部活を決めたのを良いことに男友達大勢と連れ立って部活見学全制覇するなどと無茶苦茶言っていたのを覚えてる。
けれどそれも、彼と同じく既に部活を決めていた私には関係のない話。しかし無視して図書館で時間を潰すことは心情的に出来ず、また彼のように部活全制覇なんて無茶苦茶をする気力も湧かず、何だかんだと部長に任せるのも心配なので旧校舎へと向かうことにした私。とはいえ部長も伊達にこの学校の学生議会長をやっているわけではない。当然、宣伝なんかもばっちりで、それはもうあの無駄に広い部室から溢れんばかりの人混みが──
「誰も来ませんね……」
「じゃのぅ……」
そんなことを夢想してちょうど一時間。人が溢れるどころかいつもの半分しか人がいない部室でボソッと呟く。
それに反応するのは染谷先輩ただ一人。何でも部長は放課後近くまで会長としての仕事が忙しいらしく、また学生議会に入ろうとしてるやる気のある生徒に対しまさか麻雀部を大っぴらに薦めるわけにもいかず、つまるところ宣伝なんてものは本校舎一階にある掲示板に申し訳程度に貼り付けられたポスター1枚が精々で、ならば初日から旧校舎の、しかも地味に分かりづらい場所にあるこの部室を目指す人なんてそういない──そんなところだろう。
「まあ、まだ1時間ですからね。ここに来るまでで10分くらいかかりますし、本校舎の部活を全部無視でもしない限り、まだまだこんな奥までは人も来ないでしょう」
「じゃといいがのう……」
不安になる呟きを残される。その不安を打ち消すようにそれからは黙々と二人で何故か部屋の清掃を行う。しかし待てども待てども人は訪れず、いよいよそれが1時間半、2時間と放課後付近まで差し掛かると、いよいよ現状を誤魔化すことも出来ずに私が思わず染谷先輩へ問いかけると、
「初日から見学に来るような者、つまりは本格的に麻雀をやっちょる打ち手は大体風越の方に進学するからのぅ。わしは実家の関係であまり遠くに行けんくて清澄を選んだんじゃが、もしも位置関係が逆だったなら風越を選ばん理由がない」
「風越……ああ、風越女子高校ですか。ありましたねそんな高校」
「あそこはいわゆる強豪校と呼ばれる学校で、インターハイの常連校でもある。長野では優勝せん年の方が珍しいくらいの一強状態じゃった。加えて形だけの顧問しかいないウチと違い、元プロだというコーチも正式に雇っとる。当然、指導なんかもウチとは比べ物にならんくらい充実しとるじゃろうし、そりゃあ真面目な雀士はそこを目指すじゃろて」
「なるほど……」
「何より、ウチは人数の問題で正式な部活と認定されておらんからの。入学前の資料やオープンスクールだけでは麻雀部があること自体分からんのじゃ……」
「あー……」
そもそもの問題として、入学前の時点ではこの学校には麻雀部が無いと思われてるはずなので、麻雀をやりたい人はまず前提として他の学校に行っているのだと。ふむふむなるほどなるほど。……これ、詰んでないかな?
「いやほんとたまたま私が入らなかったらどうするつもりだったんです……?」
「この前見学だけで久がはしゃいでいたのはそれが理由じゃな。おんしの実力に関しては完全に誤算じゃったろうて」
「そういえばテンションがだいぶおかしかったですね……」
あの時はあれがデフォなのかなと思っていたが、普段の会長はその肩書に相応しい落ち着いた印象を受ける人物だ。少なくとも、普段から仮眠している友人を強引に叩き起こしているような人とは思えない。……いや、案外それくらいならやりそうに思えてきたな。部長って結構強引なところありそうだしなぁ。いや全部私の勝手な印象なんだけども。
「まあ本人は最悪、他は人数合わせでも構わないと去年から言っとったけぇの。その発言の分、足りない戦力の責任は久に取らせるから安心しぃ」
「いやいやいや。無茶ですって。だってこの地区には──」
いや、そういえばまだ言ってなかったかもしれない。それはなまじ私という特記戦力を序盤で開示してしまったからこその慢心。しかしおそらく、それもある意味で間違いでは無いのだけど──でも、それでも。こんな私でも恐れるものはある。例えば、私のような人外を、平気な顔で人の領域まで押し下げて来る変なヒト、とか。
「いえ、何でもありません」
「?」
「まあ、私も煽ったからにはそれなりに頑張ります。ですが今は、その前の問題について考えましょう」
「そうじゃな……」
人数不足は勝敗云々を語る以前の問題である。そこを解決できなければいくら部長が頑張ったところで意味はない。何ならこのザマでは私や京ちゃんが加入した意味すら無くなってしまう。この際部長のことはいいとして、それだけは絶対に避けないといけない。
「とりあえず京ちゃんに頼れば幽霊部員の1人や2人くらいなら何とでもなりそうですけど……」
「あやつのツテとなると男子じゃろ? インターハイは男女別で実施されるんじゃが……」
「万策尽きましたか……。困りましたね……」
「いや諦め早過ぎじゃろ!? おんしのツテとかはないんか!?」
「無いですね。私、京ちゃんがいなければおそらく引き篭もり一直線の根暗女なので」
断言すると、お、おう…とだけ呟いてしかしそれ以上は追及しない大人な染谷先輩が、ならばと懐から取り出したケータイを用いて自身のツテをいくつか当たる。
しかし先にも彼女が言っていたように、そもそも麻雀を真面目にやろうとする人間はこの学校に進学しようとしない。故に成果も芳しくなく、いよいよ色々と不安な部長のツテを頼るか、あるいは京ちゃんを女装させるなんて意味不明な案まで出始めて、
「京ちゃんって意外と顔立ちは可愛い系なので、薄い色のカツラ着けてちょっと目元をメイクすれば──」
「おーっす、新入生連れて来たぞー!」
「──ッ、ちょっとタンマ、京ちゃん!!」
「お、おう!? なんだ!?」
自分でも驚くほどの声量が出るも、それどころじゃないと卓に広げていた化粧品を片付ける。後で冷静になって考えれば別に化粧品を見られたところでどうということはないのだが、その時の私はきっと非常に混乱していたのだろう。
だからこそ、気付くのに遅れてしまった。声の付近に存在する異なる気配を。普段は抑えている支配が興奮で若干量漏れ出ていたのを。そして何より、
「──お客様?」
「おう。さっき丁度下で迷ってるところを見かけてな……って、何故地獄モードに。部長はまだ来てないはずだろ?」
「あ、いや違くて!」
「お、お邪魔するじぇ……」
「………。………失礼します」
何より──彼の背後に連れ立って現れた2人の人物。それらの女性の端正な顔立ちと、何げに彼と程よく近い距離感に軽い殺意を抱く。こういう時、無駄に優れた感覚器官が恨めしい。有りもしない邪推で彼を不快にさせるのは、私にとっても本意ではないのだから。
ともあれ、
「ようこそ麻雀部へ。……とりあえず、一局どうですか?」
精一杯の営業スマイルで醜い嫉妬を押し隠す。私は今、綺麗に笑えているだろうか。ただそれだけが気になった。
☆☆☆
原村和は困惑していた。
中学からの親友である片岡優希に連れ添って訪れた旧校舎。本校舎にも引けを取らない巨大な建造物まるまる一つが文化系部室と聞いた時は流石に驚いたものの、その実態を鑑みれば珍しくはあっても可笑しな話ではないと一人納得する。
とはいえそこに訪れるまでに長い坂や道路を挟むのは想像していたよりもよほど億劫で、恥ずかしながら優希に引き摺られて来なければ、もしかしたらこの建物に足を踏み入れることもなかったかも知れない。
ただ、運の良いことに、ちょうど私達が旧校舎に入ったタイミングで下駄箱には同じく一年生の少年が居て、流れで軽く会話をすると彼は既に麻雀部に入部しているとのこと。まさか部活見学に先んじて入部を決めている生徒が居るとは思わなくてそれなりに驚くも、ならば勝手知る少年に案内を願い出るのは至極当然の話。須賀と名乗った彼もその提案を快諾してくれたことで、我々はスムーズに目的地への到着を果たした。ここまではいい。
「ウチの部長は学生議会長も兼任でな……放課後までに一度戻って来れるかもとは言ってたんだが、最悪今日は会えないかもしれん」
「学生議会長?」
「生徒会長のようなものですよ、ゆーき」
しかし早速不穏な情報が出てくる。が、これを過失と認識するのは違う。兼任は一見すると不真面目に思えるかもしれないが、つまりは二足の草鞋を履けるだけの能力があるということ。麻雀という競技は運の要素こそあれど、基本的に地頭が良いに越したことはない。清澄高校は学力的には中堅校でもその生徒会長ともなれば相応に優秀なはず。これは中々期待が出来そうだ、などとこの時までは悠長に考えていた。
「この階段の先だな。屋根裏部屋だが、中は結構広いから安心してくれ」
「随分と入り組んだところにありますね……」
素直な感想を述べると、須賀くんが苦笑いで返す。どうやらあちらも似たようなことは思っていたらしい。事実旧校舎の、しかも奥も奥の屋根裏部屋にひっそりと部室を構えているというのは相当に分かりづらい。まだこの学校に明るくない優希と二人では迷っていた可能性だってある。周囲に人影が見当たらないのもその辺りが理由だろうか。
「おーっす、新入生連れて来たぞー!」
「──ッ、ちょっとタンマ、京ちゃん!!」
「お、おう!? なんだ!?」
須賀くんが手慣れた様子で扉を開けると、中から絶叫に近い声が聞こえて来て面食らう。どうやら何かあったようだが、しかし勇んだ彼の手によって扉は既に勢いよく開け放たれてしまっている。私自身、悪いとは思いつつも好奇心が先立って扉の先を除けば、そこは何の変哲もない部室風景と言ったところ。傍目にはおかしな点はないように見える。
後になって考えれば、この時中に着替え中の男性がいたら気まずいどころではなかったのでこの行動はやや軽率だったかもしれない。少なくとも須賀くんの存在から、他に男性の部員が存在している可能性は充分に考えられたはずなのに。
「お客様?」
「ッ──」
結局、叫んだ理由もよく分からないままに、僅かな間をおいて先程の声の主と思われる少女が姿を見せて──息を呑む。
端正な顔立ち、茶髪のショートボブ、スカーフの色から察するに一年生。身長は私とほぼ同等だろうか。外見から読み取れる情報はこの程度だ。
しかし、どうだろう。自分でも理解出来ないが、彼女からは何か得体の知れない恐怖を感じる。それは父に窘められる時のような、それは先生に叱られる時のような、それは母に怒られる時のような、あるいはそれは、あのインターミドル決勝で感じた以上の──
「じ、じぇ……」
「………」
隣を見れば、あの優希が迫力だけで気圧されてしまっている。インターミドルでは見なかった顔。いや、この学校にいるということは同じ地区だったのだろうか。いずれにせよ、興味を抱く。雀士の端くれとしての血が騒ぐ。是非、彼女と一手交えたいと。
「ようこそ麻雀部へ。……とりあえず、一局どうですか?」
都合の良いことに、申し出は向こうからやって来た。やや歪んだ好戦的にも見える笑み。あちらも同様のことを考えているのだろうか。
尤も、あちらの考えがどうあれ、麻雀部というなら勧誘としては実力を見せる一択な気もしなくもないが、とにかく互いの利害が一致した結果、もう一人の部員である染谷先輩を交え、初心者である須賀くんを除いた女子4人でひとまず一局交えることに(案の定部長さんは居なかった)なったのだが──
「あ、それロンです。鳴き清一色、40符5飜で満貫、12000点」
「──!」
東四局 親:宮永
片岡 18100
染谷 23000
原村 12000
宮永 46900
(なんですか、これは……!)
強い──なんて一言で表せるレベルじゃない。東四局まで来てこれまでの和了りは全て宮永さんのもの。和了までは平均して5巡ほどだろうか。追い縋ることさえ叶わない。なんだこれは。運の偏りにしてもあまりに異常過ぎる。
「一本場」
「っ……」
都合の悪いことに、現在はそんな宮永さんの親番。それまではどうにか振り込みを避けていたものの、親満の直撃によってトビすら見えてきた。そうでなくても親の一本場、優希が跳満を喰らえばそれで終了になる盤面。果たしてどうするか──
原村 配牌
{一六八99③⑨北北発発白白}
(悪くはない……ですが)
得られた配牌は対子が多め。向聴数こそ少ないものの、横に伸ばしにくい分有効牌の数も同様に少ない。ツモは9筒、初手から実質単騎待ちが嵌まるとは中々運が良いものの、それ以前に七対子を積極的に狙いたくない心理が働いてしまう。
(いえ、臆していては……)
原村 打牌
{六}
逆転の可能性に賭けて高めを目指す。字牌や么九牌を捨てなかったことで何かを悟られる危険性はあったが、そもそも彼女の速度に追い付けないようでは話にもならない。
4巡目 片岡 打牌
{横⑥}
「リーチだじぇ!!」
「──」
(……おや)
4巡目にして一向聴。しかしまたもや先んじて和了られたかと思えば、予想外の角度からの発声が来る。私も今回はかなりツイていた方だと思うのだが、こんな状況下にあってなお、彼女の東場での異様な勝負強さは健在らしい。
「……。……カン」
「──え?」
宮永 手牌
{裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏} 明槓{横⑥⑥⑥⑥}
(この巡目でのリーチを大明槓!?)
七対子を狙うのがどうのというレベルではない暴挙に目を見開く。一発消しにしてもこの巡目の立直を相手に明槓はリスクがあまりにも高過ぎる。そもそも基本的に、上位の打ち手であればあるほど槓は控えるべき──
「もう一つだけ、カン」
「──」
宮永 手牌
{裏裏裏裏裏裏裏} 明槓{横⑥⑥⑥⑥} 暗槓{裏中中裏}
続けて発せられた言葉に今度こそ絶句する。確かに、普通の打ち手であればこの場面でのカンなど、敵に塩を送るだけの行為でしかない。
しかし──
「嶺上開花。混一色、中、対々和、三暗刻、ドラ3で三倍満。12100オールです」
宮永 和了形
{②②②⑤⑤⑦⑦} {⑦} 明槓{横⑥⑥⑥⑥} 暗槓{裏中中裏}
半荘終了
片岡 6000
染谷 10900
原村 -100
宮永 83200
「まさか、そんな……」
しかし、それはあくまで常識的な、普遍的な事例を挙げての事。先程までの闘牌を鑑みれば、彼女がこれまで闘って来た普遍的な打ち手とはまるで異なるであろうことも、また一つの事実である。
☆☆☆
「のどちゃん、そろそろ講堂に向かう時間だじぇ……」
「いいえ、まだです! あと一局、いえ二局は──」
それからは部活動見学の一区切りとなる放課後まで、具体的には計4回の半荘全てで全敗という屈辱的な記録を叩き出し、どころかその全てが宮永さんの和了りで占められた実質東風戦だったという意味不明な状況を経て、しかし諦めきれずに食い下がる。
ムキになっている自覚はある。けれどそれ以上にプライドがズタボロで、まさか自分のことを世界最強などと思ったことは一度もないが、それでもインターミドルチャンピオンとして同年代の打ち手に手も足も出ないようでは大会で闘って来たライバル達にも申し訳が立たない。せめて一矢報いるまでは、
「あー、いいか? 見ていただけの俺が言うのも何だが、俺も咲も、お前たちと同様にそろそろ講堂に向かわなきゃならんからここいらでお開きにしてくれ」
「ですがっ……」
「こういう言い方は卑怯かもしれないが、それでも納得できないようなら改めて入部でも見学でもすればいい。こいつマジで俺が初心者とか関係なく異常に強いから、その気持ちも分からなくは無いしな」
「ぐっ……」
確かに、正式に入部したわけでもないのに屁理屈で不当に居座るのはバツが悪い。まして相手は私たちの同級生。同等のスケジュールで動いているからには言い訳も通じないし、何より私自身勝手な理由で遅刻など許されるはずもない。それでも、と態度に出ていたのだろう。そんな私を見た宮永さんが、囁くように告げる。
「……きっと」
「……?」
「きっと、私の運が貴女より優れていた。多分ですが、理由はそれだけです」
「な──」
それは、ある意味で残酷な結論。培って来た技術でもなく、積み上げて来た経験でもなく、ただ運が良かったから勝てたのだと。それだけで、私の全てが打ち砕かれたのだと。
「そんなオカルト、あり得ません……!」
何かから逃げるように、何かを恐れるかのように、そんな言葉と共に屋根裏部屋を後にする。いつだったか、麻雀とはそういう不毛なゲームであると告げた尊敬すべき父親の言葉が、今はこの上なく耳障りに感じられた。
「……本当なんだけどなぁ」
「どうした?」
「ううん、何でもないよ。京ちゃん」
「………まあいいか。じゃ、俺らも向かうとするか」
「うん」
※大会ルールでやってないので責任払いは今回のケースでは無し。
まこ先輩の台詞はマジでフィーリングなので色々おかしいと思いますが許してください。また作者は定期的に電波が届かない場所に行く仕事をしてるので修正が遅れることが多々あります。予めご了承ください。
今話ではボロクソに書いていますが、作者は原村さんが(某SSの影響で)結構好きなのであんまり酷いことにはならない……はず。
登場人物紹介
原村 和
はらむらのどか。迂闊な発言と某SSの影響でよく孕村さんと表記される。多分原作におけるヒロイン。本作ではどんな感じになるかまだ未定。インターミドルチャンピオンとか嘘だろってくらい原作では弱そうに見えるから地味に描写に困る。麻雀はそこそこ強い。出番はある。
片岡 優希
かたおかゆうき。特に理由もなく強さが異常に上下するというある意味で麻雀を象徴するキャラクター。多分原作では一番咲世界のルールに適応している。本作では根性論が原作よりも強調されてるので展開次第では化ける。麻雀は割と強い。出番はある。
原村 恵
はらむらけい。原村和の父親。咲の父親と同い年(45歳)らしいがとてもそうは見えない。でもこれはこの人がってより咲の父親が若過ぎるだけのような気もする。原作では転校するのが和のためとか思っているっぽいけど、子どもの頃の転校はマジで辛いのでNG。まして友人を役に立たない発言とか面と向かって嫌いと言われないだけマシ。良くも悪くも大人な考え方の人の印象。麻雀は知らない。出番も知らない。