ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話 作:yrtohoyr
10月になりました。だいぶ秋らしい気候になってきましたが、まだまだ暑い日もありますね。
この時期から徐々にインフルエンザが顔を見せ始めます。
皆さんも体調管理は十分にされて、この秋冬を乗り切っていきましょう。
それでは本編をお楽しみください。
マリーたち5人は中間地点を超え出口に続く道を歩いていた。
デヴィット「なあマリーさん、さっきのあいつらの痛がりようは何だったんだ?聖水にしては聞いたことのない悲鳴の上げようだったが...」
デニス「確かに、聖水で染みるというより傷に塩を塗っているような痛がりようでしたね。」
マリー「これですか?これはユリー特製の聖なるウォッカです。」
そう言ってビンを取り出すとデヴィットに渡す。
デヴィット「さっきの酒の匂いはこれか!?そりゃ度数高い酒を傷に塗られたらひとたまりもねえよ...」
ポール「けれどアルコールには消毒効果もあるからある意味正解かも。」
マリー「特殊術式で聖水と同程度の聖属性を秘めていますからこの黒い霧、さらにモンスターの魔力を打ち消す効果もあります。」
デヴィット「ところで、その...美味いのか?これ」
デニス「デヴィット...」
マリー「あら、気になるようでしたら今宵は一緒にお食事でもいかがかしら?これなら宿にもまだ数本置いてあります。」
デヴィット「おおっ、それは楽しみだ!」
ポール「兄さん、飲むのは良いけど飲み過ぎないようにね。」
デニス「元々一緒に行動するはずのメンツが宿で二日酔いに苦しんでいますから、量には注意ですよ。」
デヴィット「あ、ああ勿論だとも。」
こんな談笑をしているその時であった。
突如、地面がまるでナマズが這うようにグネグネと奇妙に揺れ始める。
デヴィット「う、おお!?なんだ地震か!?」
ショーン「なんだか気持ち悪い揺れ方ですね、ここってこんな地震が発生するような場所でしたっけ?」
ポール「うーん、まあ断層とか火山とか、温泉があるような場所は揺れるかもね。ほら、キャンプにも温泉があるし。」
デニス「...」
マリー「デニスさん、どうかされましたか?」
デニス「あ、ああいや、ちょっと気持ち悪い揺れ方だったので眩暈が...」
マリー「あまりご無理はなさらずに...」
デニス「ご心配をおかけして申し訳ないです。」
その時、ショーンが何かを見つける。
ショーン「ポールさん、あれ...」
ポール「ん?」
ショーンが指さすその先に、深くローブをかぶり物々しい雰囲気を醸し出す人間と思しき者が道の端に立っていた。
ポール「ショーンは初めて見るんだっけ。あの人はこの森で長年行商をやっている人だよ。他のダンジョン内でもたまにああやって路銀を稼ぐ人がいるんだ。」
デヴィット「補足をするとああいう類の行商人はそのダンジョンでしか取れないアイテムとかを持ってることが多い。稀にレアもの持ってることがあるが、相場は高めだな。」
ショーン「なるほど...」
ポール「初めてだし、ちょっと見てみよっか。」
そうして5人は行商人の前まで足を運ぶ。
行商人「...いらっしゃい、なにかお探しで?」
デヴィット「ああいや、これといった探し物はないんだが、何か面白い物とか珍しい物とか入荷してないか?」
行商人「ふむ...ではこれとかいかがでしょう。」
行商人が商品の入ったバッグではなく懐から皮袋に包まれたものを取り出す。
その革袋の中からは野球ボールほどの大きさの真紅に輝く鉱石が出てきた。
ポール「これは...もしや火炎石?もしそうならここまでの純度、そしてこの大きさは初めて見たよ。」
行商人「ええ、まさにその通り。本物の証にこれをご覧ください。」
すると行商人は懐から一本の煙草を取り出す。
それを火炎石の近くまで持ってくると、突然タバコに火が付く。
ポール「そこまで近づけていないのに火がつく、相当な上物だよこれ。」
デニス「これが本当にこのダンジョンで取れたというのですか?」
行商人「勿論、我々の生業はダンジョンあってこそですから。」
ポール「うーむこれは...いくらですか?」
すると行商人は右手の指を3本立てる。
ポール「金貨3枚か...」
行商人「いいえ、金貨30枚です。」
デヴィット「げぇっ!?まじかっ!?ギルドメンバーのひと月分の給料のほとんどが持ってかれる勢いじゃねえか...」
ポール「そもそも僕たちフレデリークの国民だから金貨ってあんまり持ち合わせがないんだよね。ほら、魔法カード決済できちゃうから資産はほとんど銀行預けだし。」
行商人「安心なすってください、この通り簡易的なものですがフレデリーク銀行対応の魔法決済装置もございます。」
ホワァン...
行商人「毎度ありがとうございました。」
ポール「買っちゃった...」
デヴィット「ま、まあ魔導士としてはこの純度の魔石は相当な価値があるからな、金貨30枚くらい安いもんだ...」
ポール「これで家のリフォームは一歩遠のいたけどね。」
デヴィット「母さん、こんなバカ兄弟を許しておくれ...」
行商人「ああ、そうだギルドのお方々。最近この辺はやたらと強い魔物が出てきます。皆様のお力であれば倒すことは容易いと思われますが、どうかこの後もお気をつけなすってください。」
デニス「ご心配いただきありがとうございます。」
デヴィット「まあさっきもダークウルフ倒したばかりだし、警戒するに越したことはないな。」
こうして5人は出口を目指しさらに歩みを進める。
現在の場所は中間地点と出口のちょうど真ん中あたり。
このまま何もなければ遅くともあと2時間もあれば森を抜けられる、そんな場所である。
ポール「さて、ここからは道も安定してるしちょっと急ごう。実は予定よりだいぶ時間が押しているんだよね。」
デヴィット「っと、もうそんなに時間がたったのか。」
マリー「あら、ゆっくりではいけないの?」
デニス「そうだ、まだマリーさんに説明していませんでしたね。この森は厳重な管理がされていて、初心者コースは入り口から出口までを出るに8時間以上経つと自動的に捜索願が提出されてしまうんです。ギルドメンバーでそれが出されるとまあ笑いものにされるので急ぐことになります。」
ポール「あと単純に日の光が落ちるとこの森は真っ暗になってしまうからね。帰り道が分からなくなってしまうんだ。」
マリー「なるほど...」
デヴィット「ユリーの作った聖なる酒とやらも飲みたいしな」ペロリンチョ
ポール「兄さん...」
ショーン「デジャブですね...」
マリー「ところで...あれは何ですの?」
マリーが指さす方向に、何やら白く薄ぼんやりと光るものが居た。
デヴィット「Oh...」
デニス「あれはっ!?」
ポール「あぁ、厄介なのに見つかっちゃったね...」
デヴィット、ポール、デニスの三人は臨戦態勢に入るが、マリーとショーンはよく分からずその場に突っ立っていた。
デニス「マリーさん!ショーンくん!すぐ戦えるよう態勢を整えるんだ!!」
マリー「え、ええ?」
ショーン「は、はい!!」
二人も即座に臨戦態勢に入る。
デニス「あれはゴースト。あいつに憑りつかれると徐々に体は冷たくなり、やがて奴と共に冥界の道を渡ることになる。」
ポール「やっぱり何かおかしいね。ゴーストだってこの森の上級コースにしか存在しないはず。」
すると薄ぼんやり人型に光るゴーストがこちらに向かってくる。
デヴィット「来るぞ!!」
そう叫んだ瞬間ゴーストは勢いよくこちらへ飛んでくる。
その霊体がマリーの中にスーッと入ると同時に、マリーはその場に崩れ落ちてしまう。。
デニス「マリーさん!!」
ポール「まずい、憑りつかれた...」
デヴィット「くそっ、俺は聖職者の魔法を使えないから...」
ショーン「え、え?」
デニス「...」
続く...
いかがでしたでしょうか。
最近筆者は睡眠用うどんという名前の布団を見つけました。
その名の通りうどんのような形の細長い布団が横に数本連なって構成されたものなのです。
評判も上々で価格も送料込みで1万円しないのでちょっと買ってみようかなと思いました。
もし買った時にはまたこの前書きか後書きに報告を書きたいと思います。
それではまた次回。