ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話   作:yrtohoyr

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どうも皆さんこんにちは、作者です。
暑い...暑すぎます。
初夏という季節はどこへやら?
...どこ行ってしまったのでしょうね本当に。
もう夏はすぐそこまで来ていますから、読者の皆様も熱中症には十分気を付けましょう。
それでは本編をお楽しみください。


第二十二話 ミイラは不思議な出会いをする

~ゴゴチーム~

レッドキャップ達はマリーの腕にしがみつくと、自爆をした。

数秒後、立ち上がる砂煙の中にマリーの姿があった。

 

マリー「...はっ!?」

だがマリーは無傷。

いや、マリーだけではない。

 

ゴゴ「...あれ?私生きてる!?」

 

デニス「これは...バリアネス?」

 

ジャック「!?」

なんと全員無傷なのであった。

 

マリー「皆さんご無事ですか!?」

 

デニス「いや、まあ何とか無傷ですが、テレポートネスに続きバリアネスまでもこんな僅かな間に...」

 

ジャック「すげぇ、シュバートさんの修行無しでここまでの実力の持ち主は見たことねえぜ、驚いた!」

そう言うジャックの目はキラキラと輝いていた。

ジャックは実力主義者のため、実力がある者には尊敬の眼差しを向けるのである。

 

ゴゴ「ま、さすが私の妹なだけあるよね~」

 

デニス「それは同時にゴゴの株が下がるのと同義なのだが...良いのか?」

 

ゴゴ「うっ、それは駄目」

 

マリー「ふふっ、ゴゴらしい反応ですこと。さて皆様、先を急ぎましょう。」

何とか難を逃れた一行は更に森の奥へ足を運ぶ。

森の奥に進むにつれより一層不気味な気配を増す黒の森の上級コース。

初級コースでは陽の光が紫色に変わる程度の霧は、上級コースではまるで夜の森と錯覚するほどに色濃く、同時にそれほど暗く危険な場所であることを示している。

 

マリー「それにしても、大分暗くなってきましたわね。」

 

デニス「この先は更に霧が深くなります。視界も悪くなりますから魔力探知などで警戒を怠らずに。」

 

マリー「?」

マリーは不思議そうな顔を浮かべ、首を傾げる。

 

ジャック「ま、マリーさん、もしかしてだが魔力探知してないとか...」

 

マリー「ええ、何となく魔物の気配はわかりますので。」

 

デニス「...」

デニスは「マジかこいつ」という表情で一瞬唖然としていたが、すぐに元の顔に戻る。

 

デニス「ま、まあ、マリーさんもこの森に来るのは初めてでしたから無理もありませんね。」

自分の落ち度と思って叱責をしないあたり、さすが紳士である。

 

ジャック「野生の勘に頼るのもたしかに大事だけど、魔力探知の魔法もお願いしやすぜマリーさん」

 

マリー「すみません...ではサーチネス!」

サーチネス、付近の魔力を探知し、術者に姿形をわかりやすく見せるための補助魔法である。

が、マリーのことであるので案の定...

 

~他チームA~

上級魔道士A「...んおっ!?何だぁこの魔力量は!?」

 

上級戦士A「どうした、モンスターか!?」

 

上級魔道士A「いや、こりゃ人間だよ、同業さん。だけどこんな魔力量の持ち主居たかなぁ...」

 

~他チームB~

上級魔道士B「おいおいおいおい、魔力探知が干渉してるよこれ。」

 

上級モンク僧B「え、魔力探知って干渉するの?」

 

上級魔道士B「いや、普通はいくら近くで魔力探知を使っても共振して範囲が拡大するだけの筈。たぶんこれ一般魔法じゃない魔力探知だ。」

 

~ユリーチーム~

ユリー「うわぁ!?」

 

ライアー「これはまた...」

 

マコト「どうした?」

 

ユリー「マリーだ、しかもこりゃ相当な魔力放出だな...」

 

ライアー「下手したらこれダークウルフの巣窟より質が悪いね。いや、魔力は抑えてって言ってなかった自分たちも悪いんだけど。」

魔力探知を同時に使っていたユリーとライアーは頭を抱える。

 

マコト「口ぶりからするに、新たな魔道士の仲間か。全く相変わらず野生の勘が成っていないな。」

何も付けず魔力探知すらしない、マリーのように野生の勘を頼る男がここに一人。

 

ユリー「お前さんが異質なだけじゃい」

 

ライアー「あはは...っと、前方100mくらいに何かいるね。」

 

マコト「さっさと片付けるぞ。」

 

~ゴゴチーム~

ゴゴ「ススススストォォォォップ!!!」

 

マリー「?」

 

ゴゴ「マリー、もうちょっとだけ魔力量を落とそ。多分これ周りの人たちと干渉しちゃうよ」

流石にゴゴはギルド歴が長いだけあってこういったことには気が利くタイプだ。

 

デニス「ゴゴの言う通り、干渉を引き起こしますので抑えめにお願いします。」

 

マリー「わ、分かりましたわ。ではもう一度...サーチネス!」

 

~他チームA~

上級魔導士A「う、うっぷ...」

ゲロゲロゲロ...

 

上級戦士A「今度はどうした、大丈夫か?」

 

上級魔導士A「だ、誰なんだ今度は...こんな気持ち悪い波長で探知しとるバカは...」

オロロロロロ

 

上級戦士A「えぇ...」

 

~他チームB~

上級魔導士B「まただ。でもなんかさっきより随分抑えられてる感じ。ただ...」

 

上級モンク僧B「ただ?」

 

上級魔導士B「...魔力の揺らぎがすっごい。これ多分魔力酔いする人出てくるよ。」

 

上級モンク僧B「そんなにか。」

 

~ゴゴチーム~

ゴゴ「...まあいいや。とりあえず先進もう」

 

ジャック「だな。」

 

森を散策すること2時間。

森の少し開けた場所で一行は一旦休憩を取ることにしたのであった。

 

デニス「さて、そろそろ休憩にしましょう。と言ってもほぼ戦闘がなかったので疲れがあまりないのですが...」

 

ジャック「あぁ、逆にここまで戦闘がないと不気味だぜ」

 

ゴゴ「...あ」

皆が休憩しようと装備を下ろそうとしたその時、ゴゴが何かに気付く。

 

マリー「どうしたの?」

 

ゴゴ「いや、あっちの霧の奥に何か感じるんだよね。」

そう言いながら黒い霧が立ち込める森の奥の方を指差す。

 

デニス「では見に行きましょう、こういう時のゴゴは冴えている事が多いですからね。」

一行はゴゴの指差した方向に進んでいく。

100mほど歩くと、そこには一本の大木がそびえ立っていた。

 

デニス「これはまた見事な大木ですね...樹齢は数百年、いや千年単位でしょうか。」

 

マリー「...」

大木を見た途端、何やら神妙な面持ちになるマリー。

 

ゴゴ「どしたの?」

 

マリー「...いえ、生命力に溢れた大木だと感じましたので」

 

ゴゴ「お、マリーも分かる口だね~」

 

ジャック「黒の森にも魔物以外の生命が宿って、生き延びている。まさに生命の神秘だな」

 

???「おや、久しぶりの来客ですね。」

その時突然、目の前の大木が喋り初めた。

 

ジャック「はぁ!?木が喋ったぁ!?」

 

デニス「何かの攻撃か!?」

デニス達は臨戦態勢に入る。

 

???「まあまあ、落ち着いてくだされ。私はあなた方を攻撃しようとは思っておりません。どうか、武器を仕舞ってください。」

 

マリー「トゥルーネス!」

マリーは大木に対してトゥルーネスを唱えた。

数秒間、その場は静寂に包まれた。

 

???「...分かっていただけましたかな?」

 

マリー「ええ、どうやら攻撃の意思はないようです。」

 

デニス「いやはや、神秘にしても神秘すぎませんか...」

デニスは若干混乱気味である。

 

ゴゴ「ライアーさんから聞いたことがあるんだけど、周りの魔力を吸収し続けた物体はいずれ自分の意志を持つようになるって。そんな事無いとは思ってたけどまさか実在するなんて思わなかった」

 

ジャック「それにしてもこの黒の森ってダンジョンとしてはだいぶ開拓されてたんじゃなかったのか?こんな大木があるなんて話聞いてないぜ」

 

デニス「いえジャック、その認識は少し間違いです。開拓が完了したのはあくまで初心者コースとその周辺の上級コースであって、我々が今ここにいるのはあまり開拓されてこなかった場所です。さらに言えば上級メンバーはここにあまり来ないためにこうした発見の報告が無かったのでしょう。」

 

???「その方の言う通り、ここまで来た人間はあまり居ない。最後に来たのももう十年、いやもっと前の話だ。懐かしいな、彼はまだ元気だろうか。眼光の鋭くて異様な黒いオーラに包まれた不思議な人間だった...」

 

デニス「そのイメージではシュバートさんの様な人だな...」

 

???「そうそう、シュバート!この私と一緒に酒を飲んでいった本当に不思議な奴だったよ、なんだね知りありかね?」

 

ジャック「知り合いも何も、俺たちはそのシュバートさんに稽古をつけられてたんだぜ!」

 

マリー「私は稽古を受けておりませんが...確かにあの方は不思議な方ですね」

 

???「はっはっ、相変わらずそうで何よりだ。おっと、そうそう私の名前を言っておくのを忘れていたよ。」

 

マリー「名前をお持ちなの?」

マリーが驚くのも当然、喋っているのは言ってしまえばただの木である。

 

???「えぇ、勿論。私の名は...」

続く




いかがでしたでしょうか。
またしても1ヶ月近く開けてしまいました...
決算月は忙しくてしょうがないです。
5月に入って連休で休めると思ってしましたが、認知症の祖母の介護手伝いでドタバタ忙しく
あまり休んだ気がしないまま連休は無情にも終わりを告げてしまいました。
さて、次回はいつになるのやら...
ということで次回もお楽しみに。
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