ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話 作:yrtohoyr
もう9月ですね。
毎年のことですが、9月なのにまだ暑いです。
秋はどこへ消えたのやら、秋らしさというのが日本は消えてしまっています。
それでこの暑さが10月半ばまで続いた後に急激に冷え込むんですよね。
ええ、作者はわかっています。
それでは本編をお楽しみ下さい。
ダラス「ダニー・ムーア。」
一行「!?」
ダラス「サンダネス。」
ダラスがサンダネスを唱えると、ユリー達めがけて雷が降り注ぐ。
ユリー「ガハッ...」
デニス「いつの間n...」
バタドサッ...
ユリー達は不意打ちのサンダネスをモロに喰らいその場に倒れてしまう。
人肉を焼く嫌な臭いが辺り一面を漂う。
ダラス「ヒヒッ、全く最初からこうすればよかったのです...」
そう呟くと、ダラスはその場から去ろうと後ろを振り向いた。
その瞬間であった。
???「ファイアネス!」
ドバゴォォォン!!
まるでビームのようなファイアネスがダラスを襲う。
ダラス「クッ...まだ生きている方が、ねぇ。」
ダラスは自前の魔封じのマントにすべての攻撃を吸収させる。
魔封じのマント、魔法攻撃を受けた際にすべての魔法攻撃を吸収することが出来る優れモノ。
ただし...
ダラス「解説はその辺にしておくのですね...」
はい、分かりました。
ダラス「それにしても貴方、あのビーム状のファイアネスはいったい何なのですか?ヒヒッ、魔法オタクとしては非常に気になるのですが...」
マリー「貴方に教えることなど、何もありませんわ。ファイアネス!」
ヤキソババゴォォォン!!
ヒラリハラリ...
ダラス「ヒヒッ、貴方、先程の私の行動が見えていないのですか?このマントは魔封じのマント。貴方の攻撃はすべてこれで無効化出来るのですよ。」
マリー「あら、そう。ファイアネス!」
キュィィィンバゴォォォン!
およそファイアネストは言えないファイアネスがダラスに向かって放たれるが、それでもダラスの魔封じのマントはすべての魔法を吸収する...はずだった。
ダラス「ヒヒッ...熱っ!?」
よく見ると魔封じのマントの一部がくすぶっており、その部分がちょうどダラスに当たったのである。
ダラス「...貴方、本当に何者なのですか?これは純粋な疑問です。言葉の端々にフレデリークのものではない訛りと言いますか、まるで古代語のような...」
マリー「貴方に教えることは何も無いと、言ったはずです!」
バゴォォォォォン!!!
遂に唱えることも辞め、一心不乱にファイアネスを放ち続ける。
ダラス「無詠唱!?ヒハハヒヒヒヒ!!面白い、あなた実に面白いですねぇ!!ではこちらも負けていられません。グラヴィティネス!」
ズォォォン...
マリーに重力攻撃を仕掛ける。
マリー「くっ...」
マリーは魔法で生み出された重力に耐え切れず、勢いよくその場に膝をついてしまった。
ダラス「流石のあなたもこの重力には逆らえませんでしたか、やはり所詮は人間ですね。では、じっくりあなたの肉を焼くこととしましょう。ファイアネス!」
ダラスの手に浮かび上がる魔法陣から生まれた火炎はゆっくり火の玉のようになり、マリーへと近づく。
マリー「バリア...ネス!!」
重力魔法の影響で言葉を発することさえ苦しい中での魔法詠唱。
流石のマリーもこの状況下では防御魔法を唱えるのが精いっぱいであった。
ダラス「さて、そのバリアもいつまで持ちましょうか。ヒヒッ、見ものですねぇ。」
火の玉はある一定のところまでマリーに近づくと、火花を散らし始める。
マリーのバリアに衝突したのだ。
その光景はまるでバーナーで鉄板に穴をあけるような、そんな様子である。
ダラス「もう少し近くであなたの絶望する顔を拝むとしましょう...」
そうしてダラスはマリーの所へと近づこうと一歩踏み出す。
カチン
ダラスが一歩踏み出すと、なにかスイッチが入るような、そんな音がダラスの耳に入る。
ダラス「ふむ?」
ドバゴォォォォォン!!
その瞬間、辺り一面が火の海へと変わる。
何が起きたのか理解する間もなく、ダラスの体は火の津波に飲み込まれてしまった。
マリー「...こんな事もあろうかと高火力地雷を埋めておいて正解でしたわ。」
もはやどちらが性格悪いかわからないような作戦を決めるマリー。
十数秒後、煙が徐々に晴れるとその場には全身に大やけどを負ったダラスの姿があった。
まだかろうじて息はあるようだ。
ダラス「くそ...が...せいかく...わるすぎ...だろ...」
マリー「襲撃に備えて罠を張るのはれっきとした作戦の内ですわ。貴方こそ、身動きの取れない乙女に向かい卑劣な攻撃を仕掛けるのは性格が悪くってよ?」
ダラスに向かい毅然とした態度を取るマリー。
ルイーズ家の血が騒いだか...
マリー「ケアネス!」
マリーは後ろで倒れているユリー達全員にケアネスをかける。
するとユリー達は次々と目を覚まし、その場の光景を目にした途端唖然とする。
ユリー「な、なんじゃぁこりゃぁ!?」
荒れ果てた森、マリー以外全員がその場に倒れこみ、マリーの背後には丸焦げの人間だったものが一体。
流石のユリーもドン引きの事後光景であった。
ライアー「うーん...あれ?僕は何をぉぉぉぉぉ!?」
ゴゴ「何ですかぁライアーさんんんんんんんんん!?」
ユリー「お、おいこれって...マリーがやったのか?」
マリー「ええ、この魔法使いと戦っていてつい熱が入っちゃって...ごめん遊ばせ?」
元王族のテヘペロである。
ライアー「...マリーさん、やりすぎ。」
ゴゴ「いくら魔法の手練れだからって人を殺めるのはさすがに...」
マリー「あら、それなら御心配には及びませんわ。ケアネスをかけておきましたの。」
確かによく見ると徐々にではあるが丸焦げの肉体から人間の肌が戻ってきている。
ジャック「...ぐあぁぁぁ!?」
デニス「...あだだだだだ!?」
ジャックとデニスはほぼ同時に頭痛で目が覚める。
ユリー「な、なあマリー?お前さん、回復魔法って得意だったか?」
マリー「へ?...副作用が怖くてあまり使っていませんでしたわ。」
ゴゴ「あ、あぁ...」
ライアー「まずい...」
ユリー&ゴゴ&ライアー「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
その瞬間、3人にもほぼ同時に激しい頭痛が襲い始める。
回復魔法を使い慣れていない者がケアネスなどを使用した場合、傷は癒えるが副作用として一種の魔力酔いの状態となるためほとんどの場合激しい頭痛が魔法をかけられたものに襲い掛かる。
数分後、おおよその痛みが取れたところでダラスを監獄へと送った。
ユリー「くっそ、これからボス戦だというのに...」
ゴクゴク...
ユリーは自身が持ってきた聖水...もといウォッカを勢いよく仰ぐ。
ライアー「ま、まあほら、マリーさんも悪気があるわけじゃないし、むしろ助けられたんだから感謝しなきゃ。」
マリー「その...ごめんなさいね。」
ゴゴ「良いの良いの、まったくユリーさんは人の良心をなんだと思ってるんですか!」
デニス「はは...」
ジャック「デニスさん...なんでこの人たちあの頭痛の後でこんなぴんぴんしてるんすか...」
デニス「まあほら、あれですよ。慣れでしょう。」
ユリー「慣れてたまるかぁ!!」
こうして一行はひと悶着ありながらも先を急ぐのであった。
~黒の森 低山のとある場所にて~
ジェイク「ムーア様!!今すぐお逃げください!!ダラス様が!!ダラス様がやられました!!」
ムーア「あのバカ...まあ良い。最後はこの俺様がケジメをつけるまでだ。」
ジェイク「で、ですが...」
ムーア「もう、俺たちは逃げても無駄だ。ダラスを打ち倒すほどのギルドメンバーだぞ?」
ジェイク「う、うぅ...うわあああああん!!」
ムーア「おいどこに行く!!」
~ユリーチーム~
ユリー「...ん?何か聞こえないか?」
ゴゴ「...いやー?やだなぁユリーさん、怖いこと言わないでくださいよ~」
ライアー「...ほんとだ、何かこっちに向かって来てるね。」
ジャック「何か聞こえます?」
デニス「いえ、私は全く...」
ゴゴたち人間が気づかないのは当然。
ユリーとライアーは人間ではないので意外と耳と鼻が良かったりするのだ。
ユリー「距離的には500mくらいか。」
ライアー「そうだね、それくらい。」
ユリー「よーし、全員戦闘準備しておけ。またあの回復されちゃたまったもんじゃないからな。」
マリー「ゴメンナサイ...」
ユリーはしつこいくらい引きずるタイプである。
数分後、その声の主が姿を現した。
ジェイク「...お前たち、許さない!!」
ユリー「何だこいつ?」
ライアー「ユリー油断は禁物だよ、この人相当な魔法の手練れだ。魔力量がさっきの魔法使いと同格レベルだよ。」
ジェイク「うおおおおおお!!!」
続く
いかがでしたでしょうか。
そろそろ森の章も終わりです。
いやー長かった...ようやっと日常系ゆるゆる異世界物語を書くことが出来そうです。
それでは次回もお楽しみに。