ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話   作:yrtohoyr

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どうも皆さんこんにちは、作者です。
やばいです、2月なのに部屋の気温が27度に達しました。
ええ、勿論暖房はつけていませんしカーテンも閉めた状態で、です。
鉄筋&最上階なので直射日光の盈虚言うをもろに受けやすいのは承知ですが、2月でここまで気温が上がったのは初めてです。
多分来月には扇風機付けるかも。
それでは本編をお楽しみください。


第三十六話 ミイラは魔界を移動する

~テネブラエ連合国の国境付近にて~

マリー達一行は馬車に数時間揺られ、ついにテネブラエの国境までたどり着いた。

 

アレックス「「では皆さん、これよりテネブラエを抜けましてノクターン王国領地に入ります。ノクターン王国に入りましたら馬車交換になりますのでそこでお手洗いなどを済ませてくださいね~」」

 

マリー「結構長いですわね。」

 

ゴゴ「まあでも、いつもは公共交通機関的なもので行くから、それよりかはちょっと早いかも。」

 

ライアー「そうだね、魔界の列車は止まる場所が多くてフレデリーク国営の魔導列車で30分くらいの距離を2時間くらい掛けて進むから時間かかるんだよね。」

 

ゴゴ「その分馬車で近道したほうが若干早いって感じ。」

 

マリー「そうでしたのね。」

 

アレックス「「はい、ノクターン王国領地に入りました~。人間界と違って魔界は国境警備隊は居なくて基本自由に出入りできるので特段なにか準備しなくても大丈夫です」」

 

ユリー「「ここからうちの実家までは2回馬車を乗り継いで9時間くらいかかる。まあいつも電車でほぼ丸一日潰れるよりかは大分速いだろう。」」

 

ライアー「うん、相当早い。」

ちなみにこのアレックス率いる馬車隊は人間界とは違い4人乗っても最高速度80km/h、通常巡航でも50km/h程度は普通に出る超スタミナ級の化け馬が車を引いている。

な、恐ろしいだろ魔界って。

 

アレックス「「そろそろ交換上になります、お荷物は載せ替えになりま~す」」

そして馬車は現実世界で言うところのサービスエリアや道の駅のような広さの所に停車した。

これもアレックスの財閥の持ち物である。

先程とは違い、今度は財閥で働いていると思われる黒服の吸血鬼が馬車のドアを開けた。

 

従業員A「皆様ようこそお越しくださいました。これより荷物の載せ替えを行いますので、一度降りていただきまして、あちらのスペースまでご移動をお願い致します。喫煙スペースにもなっておりますから、おタバコ吸われる方はそちらでお願いたします。」

そうしてマリー達はノクターンの地に降り立った。

魔界のため多少の瘴気はあれど、人間でも一応生存できるほどの濃度である。

 

アレックス「いやはや、連合国と違ってちょっと瘴気が濃いかもしれません。もしお辛くなりましたらお申し付けいただければ聖水をご用意いたしますが...」

 

マリー「イエ、私は大丈夫デス」

 

ゴゴ「私達はもう慣れたものだよね」

 

ライアー「まあそうだね。マリーさんももし今があまり駄目でも、このくらいならそのうち慣れると思うよ」

 

ユリー「ちょっと待て、お前たちは慣れているかも知れないが、今日は特になんか濃くないか?」

 

アレックス「んー...?言われてみれば...?いや、どうだろう。こんなもんじゃない?ねえ、濃度って今日どんな感じ?」

 

従業員B「本日のこのエリアですと...あー、少し濃い目の数値が出てますね。聖水の準備をしたほうがよろしいでしょうか?」

何やらガイガーカウンターのような装置で辺りの瘴気を観測する。

 

アレックス「まあ念の為ということで数本用意しておいて」

 

従業員B「承知いたしました。」

 

ユリー「あ、聖水はこっちにあるから大丈夫だ。」

 

アレックス「え、いいよいいよ、聖水って高いしこっちで準備するよ~」

 

ユリー「いや、自家製だからあまり金はかかっていない」

そう言うとユリーは聖水...もとい聖なるウォッカを取り出す。

 

ユリー「これを地面にちょっと垂らせば...」

ジャブジャブジャブ...

すると、ウォッカをかけた地面が浄化され、瘴気で薄ぼんやりしていた地面がハッキリと確認できるようになる。

 

従業員B「おぉ、素晴らしい聖度ですね。この聖度は教会の聖泉、いえ、もっとも聖域結界レベルのものになります。これをご自身で作られているとは...お身体悪くしていませんか?」

 

ユリー「あのなぁ、俺は人間とのハーフだから銀も持てるしにんにく好きだし聖水触ってもやけどしないの!!」

 

従業員B「これは失礼致しました。」

こうして10分後、荷物載せ替えが無事完了し、再度出発となった。

 

授業員A「では皆様、この後の旅もお楽しみください!!」

 

アレックス「「では出発しま~す、このあと中間地点でもう一度馬車を交換しましてノクターン王国は城下町に到着予定です」」

 

ユリー「「途中どこか寄りたい所があれば止めてくれるそうだ。」」

こうして一行は馬車に揺られて城下町へと向かう。

 

~ノクターン王国城下町 ユリーの実家にて~

カンカンカン...

ユリーの実家は鍛冶屋である。

今日も元気に金属を叩く音が鳴り響く。

ソフィア「~♪」

 

ヒカル「なんだ、えらく嬉しそうだな。」

工房から水を飲みに居住スペースに戻るユリーの父、ヒカル。

齢93とは思えぬ屈強な肉体と生命力の持ち主だ。

 

ソフィア「あら,お父さん伝書読んでないの?ユリーちゃんが今日帰って来るのよ~♪」

 

ヒカル「マジ?」

 

ソフィア「マジ~」

 

ヒカル「そうか、久々に帰ってくるのか。おーい!!ラマン!ナディア!今日はこれで切り上げよう、宴の準備じゃ!!」

工房の方へ声を掛けると、それまで鳴り響いていた金属音が止み、少し後に二人の吸血鬼達が居住スペースに顔を覗かせる。

 

ラマン「師匠、急にどうしたんすか?」

 

ナディア「宴って...なにか良い取引先が見つかったとか?」

 

ヒカル「いやいや、もっと良いことだぞ!ユリーが返ってくる!!」

 

ラマン「ユリーって...師匠の御子息のユリーさん!?」

 

ナディア「まじか、俺初めてお会いするよ!」

 

ヒカル「いやー、何年ぶりだろう。あいつも感覚は人間ではなく吸血鬼だからな...」

 

ソフィア「あ、そうそう、今回は沢山お仲間さんも来るみたい」

 

ヒカル「そうか...よし、買い出しじゃ!!お前たちも付いてこい!!」

 

ラマン&ナディア「「わーい!!」」

実家の方が随分盛り上がっているさなか、ユリー達は運の悪いことに大型の魔物に遭遇してしまっていた。

 

魔物「グォォォォォォ!!!」

一般的な象の2倍程度の大きさの化け牛だ。

流石に馬車を引いている化け馬たちもこの殺気と瘴気には叶わないようで、お腹を見せる服従の体勢を取っていた。

 

ユリー「いやー、こんなデカいの久々に見たなぁ。今夜は焼肉パーティーか?」

 

マコト「そんな事を言っている場合ではなかろう...」

 

ライアー「これまた随分巨大化したね...」

 

アレックス「僕そんなに戦えないけど、できるだけのサポートはするよ!」

 

ゴゴ「ぎええええええ!?」

男4人衆が前線に立つ中、流石のゴゴもここまで大きな魔物を見るのは初めてのようだった。

そして何故かマリーに抱きついている。

 

マリー「クルシイデスワ...」

マリーはあまり怖く無いようで、むしろゴゴが後ろから抱きつく力があまりにも強く苦しんでいた。

 

ユリー「アレックスは女子を守れ、ライアーはサポート魔法、俺は攻撃魔法とマコトに属性付与、マコトはとにかくこいつをぶった斬れ!!」

 

アレックス「分かった!」

 

ライアー「了解!」

 

マコト「では行くぞ!!」

 

ライアー「プロテクトネス!!」

ライアーが唱えると、マコトに攻撃を受けた際のダメージを軽減する防御魔法がかけられる。

 

ユリー「アトリビュート・ファイアネス!」

ユリーが唱えると、マコトのもつ刀に爆炎がまとわりつく状態とな

 

マコト「ふぅ..."丁炎斬・壱"っ!!」

掛け声と共に「丁」の字に刀を勢いよく振り下ろすと、その形の通りに炎の斬撃が生まれ、化け牛に襲いかかる。

 

魔物「ギィィィィィ!!!」

だがその斬撃は、化け牛の皮膚を掠めただけであまり大きなダメージは与えられていないようだ。

 

マコト「ふむ、やはり効かないか...」

 

ユリー「マコト!!突進してくるぞ!!」

化け牛は前足を地面に強くこすりつけ、今にも全員に向かって突進してくる勢いであった。

 

マコト「あまり使いたくなかったのだが...致し方ない。"身回突"!!」

掛け声と共にマコトは自身の刀を突きの体勢で化け牛に向ける。

 

魔物「フシューフシュー...グォォォォオオオオオ!!!」

そして化け牛はマコト目掛けて突進し始める。

その瞬間、マコトの刀から先程より大きな業炎が刀にまといつく。

 

アレックス「え、ええ!?マコトさん!?」

そして化け牛がマコトの眼の前まで来たその時、ピタリと突進を止めてしまう。

それはまるで時間が止まったように、瞬間的に止まった様に見えた。

数秒の沈黙の末、化け牛の体はなんと一刀両断、左右に綺麗にぱっくり切られていた。

ズドグシャァァァン...

化け牛の身体は左右に分かれる形で地面に倒れてしまった。

パキィン!!

そしてマコトの刀の刃の部分が一瞬にして欠け刃になってしまった。

 

マコト「だから殺りたくなかったんだ...」

マコトは少し落ち込んでしまっていた。

 

ユリー「ま、まあ、何だ、うちで新しい葉をつけてやるからそう落ち込むな...」

こうして一行は今日の晩御飯を手に入れたのであった。

 

続く...




いかがでしたでしょうか。
後書きは3月に入ってしまいましたが、花粉ヤヴァいですね。
ほんと、異常気象なのに杉だ檜だはなぜ生き残れるのでしょう。
これでは人間を駆逐してきているのと何ら変わりないのではと思う今日このごろです。
それでは次回もお楽しみに。
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