ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話   作:yrtohoyr

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どうも皆さんこんにちは、作者です。
さて、3月に入りまして徐々に春めいてきました。
嫌ですね、私が2番目に嫌いな季節です。
ちなみに一番は夏です。
でも嫌いな季節に限って写真の被写体が多いと来たものです。
なんででしょうね、みんな寒いところで生きていればいいのに...
それでは本編をお楽しみください。


第三十七話 ミイラは列車を動かす

化け牛の一件以降魔物に遭遇することはなく、一行はユリーの実家を目指すべく2回目の馬車交換となった。

この2回目の馬車交換の場所は少し賑やかな街の中に設置されていた。

 

ゴゴ「おぉ~、いつも魔導列車からしか見れない町だ~」

 

ライアー「僕も初めてきたよ。」

 

アレックス「あと10分ほどで準備が終わるので周辺でしたら回っても大丈夫ですよ」

 

ユリー「あんまり遠くに離れると置いてくからな。そうなったら自腹で列車で来いよ」

 

ゴゴ「うっ...オトナシクシテマス」

その時、アレックスの元に財閥の従業員が駆けつけ、何やら耳元で話しかける。

 

アレックス「...え、マジ?えーどうするよ」

 

ユリー「どうした?」

 

アレックス「あーいや、こっちの話。馬車用の馬がいま全部出払ってるらしくてね。」

確かによく見ると、馬小屋は今まで走ってきた2匹以外見当たらなかった。

 

従業員A「申し訳ございませんアレックス様、本日は会長のお客様の送迎がありまして全て出払っており...」

 

アレックス「そうかぁ、どうしよ。このまま列車で行くのもなぁ...あ、自動車は?」

 

従業員A「申し訳ございません、こちらの拠点には自動車も無く...」

 

アレックス「だよなぁ...あれ?ちょっと待って、今日って確か王家直行の貨物便ってあったよね?」

 

従業員A「は、はい。あと20分ほどで駅に到着しますが...」

 

アレックス「じゃあ、ゴニョゴニョゴニョ...」

 

従業員A「...!?かしこまりました、すぐ手配いたします!」

そう言うと従業員Aは馬小屋の隣りにある3階建ての建物

へと入っていった。

 

アレックス「ということで皆さん、ちょっと予定を変更しまして皆様はこれから列車で移動して頂く形となります。本来は貨物車なのですが、今回特別に客車を付けまして、ここから2時間ほどで城下町の方に到着という予定になります。」

 

ユリー「お前それ職権乱用...」

 

アレックス「人聞きが悪いぞユリー、あくまでおもてなしさ」

こうしておよそ20分後、一行は魔導列車の駅ホームに移動した。

 

案内「「まもなくホームに貨物列車が参ります。貨物列車はご乗車できませんのでご注意ください。」」

アナウンスから数十秒、駅ホームに大々と財閥の紋章が刻まれた貨物列車が到着した。

貨物列車の最後列には貨物列車とは違い、装飾の施された客車が一台連結されていた。

 

ユリー「おまっ...」

 

マリー「まぁ、豪華ですわネ」

 

アレックス「うち特注のお客様専用車両さ、一応対魔法攻撃装備も標準搭載。本当は貨物列車じゃなくて専用の列車もあるんだけど今回車庫にあったのがこれしか無くて申し訳ない」

 

マコト「な、なぁアレックス殿、こ、これは本能に私たちが乗車しても良いものなのか...?」

 

アレックス「勿論!さ、皆さんどうぞご乗車ください」

そう言うと客室のドアが自動で開く。

流石に貨物車の最後尾に異質な豪華さの客車が付いているため、周りにいた者たちも何やらチラチラと様子をうかがっているように見えた。

 

従業員B「いらっしゃいませ、お席は各自ご自由にお座りください。どうぞ、ごゆるりと。」

客車に入る際には財閥の従業員が出迎える、まさに接待同様の状態であった。

 

ユリー「...」

一行が客車に入ると、そこはまるで列車とは思えない豪華な内装が広がっていた。

 

ゴゴ「お、おぉ!?」

 

ライアー「ユリー...本当に凄い友達を持ってるね」

 

アレックス「軽食やドリンクも頼めるので、よければなにか頼みますか?あ、勿論皆様は私のお客様ですからお代は結構ですよ!」

 

ユリー「...じゃあシェリー酒でも一杯貰おうか」

 

ゴゴ「え、ユリーさん呑むんですか!?」

 

ユリー「良いだろ別に、仕事でも無いんだから」

 

アレックス「他の皆さんも是非~」

こうして一行は馬車から列車の移動となった。

 

~一方ユリーの実家では~

 

ソフィア「うーん、どうしようかしら...」

 

ヒカル「どうした?」

 

ソフィア「いえ、ユリーちゃん達いつ頃に帰ってくるかなぁって」

 

ヒカル「今日向こうを出発したんだろう?なら、明日行こうと考えるのが妥当だろう。買い出しもあくまで明日以降に向けたものだったからな。」

 

ラマン「ソフィアさん、よっぽど楽しみなんすね」

 

ナディア「ソフィアさんの気持ちもわかるよ、だって久々なんでしょ?僕も妹がいるけど、財閥で働いてる都合上遠くで暮らしてるから、たまに実家に帰ってくる時は会えるのが本当に楽しみだよ。」

ナディアの表情は何やらニヤけすぎて逆に気持ち悪くなっていた。

 

ラマン「...そういえばナディアってシスコンだったっけな」

 

ソフィア「でも一番楽しみなのは私より、案外お父さんのほうかもね?」

 

ヒカル「...まあな。」

 

ラマン「ところでふと気になったんすけど、ユリーさんって吸血鬼と人間、どっちのほうがより近いんすか?」

 

ナディア「ラマン!?それ普通聞く!?」

ナディアは流石に突っ込み過ぎと思ったのか声を上げてしまう。

 

ソフィア「ふふ、大丈夫よ、もう何度も聞かれてる事だから。一応身体的な面で言えばほぼ人間ね。瘴気のない場所で日光に当たっても灰化しないし、にんにくも食べれるし、聖水でやけどしないし。」

 

ヒカル「ただ魔法の能力や自己回復、性格は圧倒的に吸血鬼側だな。現に5年も帰らないのがその証拠よ。」

 

ラマン「ふむふむ...タイマンって自分とユリーさんならどっちが強いっすかね?」

 

ナディア「ちょ、ラマン!!」

止まらぬラマンにナディアも困惑状態だ。

 

ソフィア「そうねぇ...一応現世のギルドは上級を維持できてるくらいだけど、腕っぷしが強いかはあまり見たことなかったわね。」

 

ヒカル「親子喧嘩も別に手を出したことは無いしなぁ。勿論口喧嘩は多少あったが...」

 

ラマン「でしたら、どうか自分と一度タイマン張らせてほしいっす!!自分の夢は前も伝えた通り、最強の鍛冶屋っす!だからどうか!!」

 

ナディア「ラマン!やめた方が良いって!」

流石にナディアも喧嘩は嫌な様子だ。

 

ヒカル「まぁ...次の日きちんと仕事ができれば全然構わんぞ。城の近くに確か闘技場があったはずだからそこで存分にやると良い。」

 

ソフィア「まあ...負けてもなんとかなると思うから良いわよ~!」

 

ナディア「えぇ...」

三人の意外と好戦的な一面を目の当たりにし、流石にちょっと引いてしまうのであった。

 

~ノクターン王国 財閥の客車にて~

 

ユリー「...とまあ、今はこんな感じでやらせてもらっている。」

 

アレックス「なんか前に聞いたときより業種広くなってない?」

 

ユリー「まあな。そろそろマリーにも一つ独自の業務をやって貰いたいのだが...まあ、何が良いのか分からなくてな。」

 

ゴゴ「そうだねぇ...ユリーさんが闇魔法と銃、薬品、ライアーさんがエルフの魔法とその他世界の魔法、私は機械だからマリーは普通に攻撃魔法とか?魔道士だし」

 

ライアー「マリーさんの得意技って確かに全然わからないよね。圧倒的な魔力量を誇るのは確かなんだけど...」

 

マコト「模索中...といったところだな」

 

マリー「あはは...」

マリーもこの状況には笑うことしか出来なかった。

その時である。

ガコガコンキキーッ!

突然、列車が急ブレーキをかけた。

 

ユリー「おととと...なんだ?」

 

ライアー「止まったね」

 

アレックス「ちょっと待っててね。「こちら最後尾客車、何かありました?」」

アレックスば入り口の壁に設置されている運転席とのホットラインで運転手と通話を始めた。

 

運転手「「申し訳ございませんアレックス様、原因不明なのですが突然列車が魔力切れに...」」

 

アレックス「「え、魔力切れ?なんでまた...今日は何か魔封石とか乗せてましたっけ?」」

 

運転手「「いえ...荷物リストにそれらしきものは確認できません」」

 

アレックス「「そうですか...了解です」」

ガチャッ

 

ユリー「燃料切れか?珍しいな」

 

アレックス「うーん、普通は荷物量に合わせて魔力は余裕を持たせてるんだけど...ちょっと魔力補充の手伝いしてくるね」

 

ユリー「もし必要ならマリーを連れていくと良い。魔力だけは俺を凌駕しているから列車も簡単に動くかもしれん」

 

アレックス「ホントに!?じゃあちょっと着いてきてください、運転席の方に魔力タンクがあるので」

 

マリー「わ、分かりました」

そうしてアレックスとマリーは運転席へ向かう。

運転席に到着すると、他に同乗していた従業員たちが必死になって魔力供給をしているが、何やら様子がおかしい。

 

アレックス「どうしたの?」

 

運転手「アレックス様!申し訳ございません、何やら私どもがいくら魔力を供給しても魔導エンジンが全然起動しなくて...」

 

アレックス「えー、ちょっとかしてみ...ふっ!!」

アレックスは魔導エンジン本体に触れると、魔力を込め始める。

キィイイイン...プスプスプス...

しかし、一瞬動く気配はあったもののすぐに止まってしまう。

 

アレックス「え、ちょっと待ってどういうこと?いつもならこれで掛かるんだけどなぁ...マリーさん、ちょっとやってみてください」

 

マリー「ええ...はっ!」

マリーも魔導エンジン本体に触れると、魔力を込め始めた。

キィィィィンドルルルンババババババスンパスンパスン...

あと一歩のところであったが失敗。

だがマリーはここであることに気付く。

 

マリー「...魔力が吸われテル?」

 

アレックス「え?」

 

マリー「皆さん、少シ離れてイテください...すーっ...はぁっ!!」

ミシミシメキメキ...パキン!

キィィィンドルルバババババババ!!!

マリーが全力の魔力供給をすると、何やら割れるような音と共に魔導エンジンが勢いよく始動する。

 

アレックス「おお!!」

 

運転手「...おや?」

そういうと運転手はエンジン近くに落ちていた何かを拾い上げる。

 

運転手「これはフォースイーターの死骸...なるほど、恐らくこやつがずっと魔力を吸っていたわけですな。しかしフォースイーターを魔力の過供給でやっつけてしまうとは、いやはや驚きました」

 

アレックス「魔力を過供給してやっつけることができるんだ...」

 

マリー「何事も、やりすぎは良くないのデス」

こうしてアレックスとマリーは客車に戻ってきた。

 

ユリー「おう、結局なんだった?」

 

アレックス「フォースイーターだよ、まさかエンジンに張り付くとは思わなかった。でもまさかマリーさんが魔力の過供給で倒してくれるとは思わなかったです、どうもありがとうございます!」

 

マリー「お役に立てて光栄デス」

 

ユリー「魔力の過供給...怖ぁ」

こうして一行はその後、2時間の電車の旅を満喫するのであった。

続く




いかがでしたでしょうか。
もう既に暖かい地域では梅が咲き初めて見頃を迎えているそうで、いやはやそろそろ撮影に出掛けたい気分です。
またもうすぐカメラを買い換えるので今のカメラとももうすぐお別れです。
それではまた次回。
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