ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話 作:yrtohoyr
ファンタジー小説というのはいまいち描くのが難しいですね。
というのも登場するものをどこから引っ張ってくるのかであったりつじつまを合わせたりと、とにかく設定というものが重要です。
その設定をあやふやにすると一気に世界観は壊れてしまい、お話は二度と修復できないところまで来てしまいます。
有名所でいえばハ〇ー・ポ〇ター、ちょっと昔の小説にはなりますがタ〇・ダン〇ンなんかは設定もしっかりしていて読んでいて飽きないものです。
私も皆さんに楽しんで読んでもらえるよう頑張って書きますのでこれからもどうぞよろしく。
それでは本編をお楽しみください。
諸作業をギルドマスターに任せたゴゴとマリーはギルドの集会所へと降りていく。
集会所は食事場と依頼受付所、またアイテムショップなどがすべて一つの部屋に集約された場所だ。
ゴゴはマリーにそんな集会所を軽く案内していく。
ゴゴ「ここがギルドの集会所。ギルドの中心と言っても過言ではないね。依頼を受けたり、食事をしたり、軽いアイテムならここでもそろえることができるようになってるよ。」
マリー「人が多いのですね。」
ゴゴ「この国の1割強の国民はギルドでの依頼をこなして路銀を稼ぐ感じかな。ギルドメンバーの中でもそれぞれ得意分野が違うから、ここでは足りない人財を補うための交流場としても役に立ってる感じ。」
マリー「なるほど、では先ほどのジャックさんとも?」
ゴゴ「そそ、私は探索とかをほとんど機械に頼りっぱなしになっちゃうからね~。サポートで魔法を使ってくれるから敵が近くにいたらほかの前衛の人たちに任せたり、場合によっては退却なんかも魔法でサポートしてくれる。まあ、この人がいれば安心って人かな。」
マリー「ほかの方々からも引っ張りだこというのもこういった所が気に入られているのでしょう。」
ゴゴ「たまーにドジするところもまた人間味というか、ギャップがあってサポートだけど皆の癒しでもあるのかな。この間なんか詠唱を一か所間違えて私にカエルが降り注いできたし...」
マリー「まぁ...」
???「おや、ゴゴ?こんなところで会うとは珍しいですね。今日はお休みですか?」
ゴゴ「デニスさん!!あれ、デニスさんこそお休みですか?」
デニス「いえ、ちょうど仕事が終わったので報酬を。今回はミニドラゴン討伐依頼で...ところでゴゴ、後ろにいるのは?」
ゴゴ「ああ、実は...」
ここで例の設定を話す。
デニス「ふむ、両親とは早くに別れたとは聞いていましたがまさか腹違いの姉妹がいたとは...」
ゴゴ「私も最初聞いたときはびっくりしました!」
マリー「ゴゴ、このお方は?」
ゴゴ「ああ、この人はデニスさんと言って戦士なんです。危険地帯に入るときは彼がいないとまともに探索できなくて、ついつい頼ってしまうんです。」
デニス「デニス・ターナーです、以後お見知りおきを。」
マリー「まあ、とてもたくましいお方ですね。」
ゴゴ「そうだね、鍛え方が根本から違う。」
デニス「私の鍛え方、そんなにおかしいですか?」
ゴゴ「そりゃ誰も持ち上げられないとされていた伝承の岩を軽々と持ち上げた挙句トレーニング器具だか何だか言って毎日スクワットしてればそうなりますよ。」
デニス「私の地元では子供でも持てる子はいますよ。」
ゴゴ「それが異常なんです...って、くぉらやん共!!妹に近づくんじゃぁねえ!!」
ふとマリーの方に振り替えるとギルメンの男たちがマリーを一目見ようと集まっている。
ギルメンA「ひ、ひぃっ!?」
ギルメンB「す、すまねえよぉ...」
ゴゴ「大体あんたら言葉通じねえだろうが!?」
ゴゴはまるで鬼のような形相で男達を威嚇する。
マリー「まあまあゴゴ、そこら辺にしておいて。言葉は分からないけど悪そうな人達でもありませんし...あと、よくわからないけれど、お口が悪くてよ?あの大柄な方々がまるで小動物のようで見ているだけでかわいそうになってきましたわ...」
ゴゴ「小動物...ぷっははは!!!小動物!!!ひゃっははははは!!!」
ギルメンA「こ、こええよぉ...」
ギルメンB「よくわからん言語で不気味に笑わないでくれ...」
ゴゴ「ま、今後は近づくなってことだ、いいな?」
ギルメンA「はい...」
ギルメンB「すみません...」
ゴゴ「じゃあデニスさん、私はこれで。」
デニス「ええ、また前衛が欲しくなったら声をかけてください。」
ゴゴ「じゃあ改めて、町の方を見にいこっか!」
そうしてゴゴたちはギルドを後にし、町へと繰り出す。
マリー「ねぇ、ゴゴ?ちょっと相談があるのだけど、いいかしら?」
ゴゴ「どうしたの?」
マリー「その、共通言語?といったかしら、あれを私も習得したいと思いまして。」
ゴゴ「そういえば私もつい自然と古代語話してるけど、そうだよね。文字も読めなければ話すこともできないんじゃ折角住民権を貰っても意味ないか。よし、それじゃ本屋に行こう!教科書ならいくらでも売ってるはず!」
そうしてゴゴたちが街に出て最初に向かったのは本屋。
木造建築ではあるが重厚感を感じ、また少し独特な雰囲気を醸し出している建物である。
ギィッバタン
中に入ると、そこには図書館レベルの本棚に大量の本がジャンルごとに規則正しく並べられていた。
だが本屋ということもあってカビ臭かったりジメジメしている訳ではなく、なるべく紙が長生きするよう適切な温度と湿度が保たれているのである。
ゴゴ「テンチョー、いる~?」
店長「はいはい...おやゴゴ、今日は何か専門書でも買いに来たのかね?それとも魔導書かな?」
ゴゴがテンチョーと呼ぶのは、いうまでもなくこの本屋の店長。
妙齢の男性で髪は銀髪ロングヘアで眼鏡をかけており、いかにもイケオジといった風貌である。
ゴゴ「あー、いや、ちょっと国語の教科書を。出来れば初心者向けのやつが欲しいんだけど、あるかな?」
店長「国語検定でも受けるのかい?」
ゴゴ「実はこの子用にね...」
店長「...失礼なことを聞くけれど、奴隷でも買ったのかい?」
だいぶ失礼である。
ゴゴ「そうじゃないって!この子は私の...」
そして店長にも例の設定を話し始めた。
店長「なぁんだ、そういう事だったか。なら国語検定向けよりもまずはこっちの方が良いと思うよ。」
そういって差し出したのはこの国の幼児向け語学教本であった。
ゴゴ「まあそうなるよねぇ。じゃあそれをお願い」
チャリン
店長「毎度ありがとうね。」
ギィバタン
マリー「それが共通語を学ぶための書物かしら?表紙の絵が可愛らしいですわね。」
ゴゴ「そそ、まあ幼児向けなんだけど...」
マリー「恐らく私はそのレベルから始めないと、昔から飲み込みは悪い性分ですからご心配なさらずに。」
ゴゴ「じゃあ勉強はまた後にしておいて、とりあえずティータイムにでもしよっか!まだ起きてから何も食べてないし、お腹空いてるでしょ?」
マリー「私はそのような...」
グゥゥゥゥ
大きなお腹の音が返事をしてしまう。
マリー「っ!...///」
ゴゴ「体は正直だねぇ~、よしそれじゃあとっておきのお店にご案内しますよ!」
マリー「で、でもお金は...」
ゴゴ「そんなこと気にしないで!それに、お金を稼ごうにも言葉が通じないんじゃだめでしょ~」
マリー「うっ...ではご馳走に上がりますわね。」
そうして向かったのは本屋から歩いて5分のレストラン。
大きな丸太が何本も使われたログハウス調の店は中々に繁盛している。
ガチャッパタン
店内は中央には厨房とカウンター席があり、それを囲うようにテーブル席が並ぶ落ち着いた雰囲気のレイアウトである。
ローテンポの癒しの音楽と様々な料理の豊潤で食欲をそそる香りがゴゴたちを包み込んでいく。
すると、ゴゴたちに気づいた給仕係がゴゴたちを丁寧に出迎える。
給仕係「いらっしゃいませゴゴ様。お席はいつものところで?」
ゴゴ「あー、今日は一人じゃないからカウンター席でお願いします。」
給仕係「かしこまりました、ではこちらへ。」
給仕係は中央カウンター席に案内する。
給仕係「本日はこちらのメニューからお願いします。お決まりのようでしたらテーブルの...おっと、ゴゴ様にはもう不要の説明でしたね。」
ゴゴ「いや、今日は連れがいるから説明の続きをお願い」
給仕係「失礼しました。メニューがお決まりになりましたらこちらの魔石に手を触れてください。そうしましたら我々がメニューをお伺いいたします。またお困りの時もそちらの魔石にお手を触れていただきましたら我々が手伝いに参ります。長々の説明となりました、ではごゆっくり。」
ゴゴ「ありがと~」
マリー「こちらの給仕の方は礼儀正しいのですね。昔を思い出します...」
ゴゴ「って思うじゃん?あれ実は私の幼馴染で元々はガキ大将だったんだよ。」
マリー「まぁ!?道理で彼に対する口調がなれなれしいと思いましたわ」
ゴゴ「もうここに通うのも5年くらいだからね。私がギルドメンバーに入ったのと同時に彼も家継ぎになったんだよ」
マリー「ということはこのお店は...」
ゴゴ「そ、家族経営ってこと。まあ悪い人ではないから安心して!そうだ、もう頼むものは決まってるんだけど何か食べたいものとかある?」
マリー「いえ、特には。あなたのおすすめをお願い。」
ゴゴ「はーい、よっと」
呼び出し用魔石に手を触れると魔石全体が緑色に光り、しばらくすると先ほどの給仕係がやってくる。
給仕係「お決まりですか?」
ゴゴ「これとこれとこれ、あとこれにこれトッピングで」
メニューを指さしながら注文をしていく。
給仕係「以上でよろしいでしょうか?」
ゴゴ「あー、あとエネグジーネビで」
給仕係「っ!?...かしこまりました。ではしばらくお待ちください。」
注文を聞き終えた給仕係は厨房へと戻っていく。
マリー「えっ!?こ、これは?」
ゴゴ「彼と私は幼馴染って言ったでしょ?つまり彼は私と長い間一緒に居た訳だから古代語も話せるってわけ。」
マリー「驚きましたわ...ところでお料理は何を頼まれたの?」
ゴゴ「ふふふ、それは来てからのお楽しみ~」
マリーはこの後、ゴゴに注文を任せたことを非常に後悔することになるのであった。
続く...
いかがでしたでしょうか。
最近ダンジョン飯なるアニメを見初めまして、こういった回を書こうと思っていました。
次回はいつになるかわかりませんが、まあ気長に待っててください。
それでははまた次回。