ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話 作:yrtohoyr
だいぶ暖かくなりましたね、今週末にはこちらも桜が咲きそうです。
お花見が楽しみになってきました。
それでは本編をお楽しみください。
魔界時間午前10時30分。
一行はノクターン城近くに建設されている闘技場へと到着した。
ライアー「はえー、すっごい。初めて来たけどキチンと外に攻撃が出ないように防御魔法がかかってる。」
ユリー「まあな。吸血鬼族は昔から決闘だなんだが伝統の側面にある。こうしたタイマンもその一つだ。それで国には各所にこうした闘技場が設けられているって訳だ。」
闘技場スタッフA「いらっしゃいませ、本日はタイマンとの事ですがルールはいかがいたしましょう?」
ユリー「ルールはあっちに聞いてくれ、俺はそれに則る。」
そう言うとユリーはラマンを指指す。
ラマン「そっすねぇ、取り合えず魔法は無制限、武器は無し、ダウン1回勝負で!」
闘技場スタッフA「承知しました。では参加者の方は準備が出来次第各待機場所までお願いします。同伴者、観戦者の方はあちらの階段を上がりますと観覧席となりますのでそちらでの観戦をお願いします。では、お楽しみください。」
マリー「なんだか昔を思い出すわね...」
マリーはあまり乗り気ではないようだ。
ユリー「まあそれだけ生活に馴染んでるってことだ。それで言えばマリーの地元と似たようなもんさ。幾分かまだこっちのが平和だがな。」
マリー「...」
マコト「ではユリー、武運を祈る。」
ゴゴ「ラマンくんも頑張って~」
ラマン「あざっす!!頑張るっす!」
ライアー「ゴゴはどっちの味方なんだい...」
なんやかんやで30分後の魔界時間午前11時。
カーン!!
正時になった事を知らせる鐘の音が鳴り響く。
闘技場中央にはユリーとラマンが向き合って立っていた。
ユリーは普段と変わらぬ黒のローブを身に付け、ラマンは逆に動きやすいようハーフパンツにタンクトップといった軽装だ。
審判「各自、礼!!」
その掛け声と共に、ユリーとラマンは同時に礼をすると、各々が構えに入る。
ラマンはボクサーのようにいつでも殴りかかれる体勢に、ユリーはローブのポケットに手を突っ込んだままラマンを真っ直ぐ見つめる。
そして...
審判「...始め!!」
その掛け声とほぼ同時にラマンは物凄いスピードでユリーの方に飛び出すと、いきなり溝落目掛けたストレートを放つ。
ラマン「シュッ」
ドゴッ
鈍い音が辺りに響くと、ユリーはそのまま後ろに倒れていく。
ラマン「ランドネス!!」
ラマンが唱えると地面から岩石の柱が生え、倒れる途中のユリーの体を勢いよく空中へと突き飛ばした。
ラマン「せやぁっ!!」
岩石の柱とほぼ同時にラマンは空中へと飛び上がると、突き飛ばされたユリーの体をかかと落としで地面に叩きつける。
ズドゴォォォン!!!
轟音と共にユリーの体は地面へと叩きつけられ、土煙が辺り一面を包み込む。
マリー「ユリー!!」
ライアー「ラマンくん、やっぱり若いだけあって攻撃が早いね。」
マコト「ふむ...」
土煙が晴れる間もなく、ラマンは次の攻撃を仕掛けていた。
ラマン「へへ、ユリーさんもそろそろ攻撃してくださいよっと!」
ドガーン!!
起き上がろうとしていたユリーの体を今度は思いきり回し蹴りすると、ユリーの体は壁に激突し、そこに大きな窪みを生んだ。
だがここまでの攻撃を受けてもなお、ユリーはピンピンしていた。
ユリー「全く、最近の若者は連続攻撃法が好きなのか?それとも流行りか何かか?」
ラマン「いえユリーさん、打撃と魔法のハイブリッド法ですよ!!ランドネス・スピア!!」
ラマンが唱えると、今度は槍の形をした岩石がユリー目掛けて飛んでくる。
そしてそのままの勢いでユリーを滅多刺しにし始めた。
ザクザクザクッ!!
肉を切り裂く、耳をふさぎたく鳴るような音が聞こえてくる。
ゴゴ「うっぷ、これは流石に私はギブ...」
ライアー「うん、ゴゴちゃんはちょっと見ない方がいいね。」
マコト「それにしてもユリー、ちょっと様子見すぎではないか?」
ライアー「うーん、確かに。予測できてもおかしくないとは思うんだけど...」
マリー「...いえ、あの戦法は恐らく逆ですわ。ユリーは敢えて攻撃を受けているように見えます。ユリーはもしかしたら...」
ライアー「...あ、たぶん今僕とマリーさんは同じところを危惧してるかも。」
ライアーとマリーはなにかに気付いたようだ。
グサザクグサザク...
ラマンの猛攻は止まることなく無慈悲かつ残忍にユリーに襲いかかる。
ユリー「はぁ...ラマン、君はまだまだ経験が足りないな。」
ユリーは不敵な笑みを浮かべながらラマンに話しかける。
ラマン「は?」
ユリー「君は少し手が早すぎる。だからな...」
グサッ
ラマン「ぐあっ!?」
その時、ラマンの右太ももに岩石の槍が一本突き刺さり、ラマンはその場に膝をついてしまう。
ユリー「君は不意打ちに弱いんだ。」
ユリーはラマンに近づくと、更に魔法を放とうと右手に赤い魔方陣を浮かび上がらせる。
ラマン「...へへっ、へへへっ!!なに言ってんすか!!早くて強いは正義なんっすよ!!」
ユリーが魔法を唱えるその寸前、ラマンは猛スピードユリーと距離を詰めると、ユリーの顎に向かってアッパーを繰り出す。
そのアッパーはユリーの魔方陣を砕くと同時に思いきり直撃し、ユリーの体は再度空中に浮かび上がる。
それを追うようにラマンは空中に浮かび上がるとユリー目掛けまたしてもかかと落としを放とうと構える。
ラマン「せやっ!!」
ユリー「グラビティネス。」
ラマン「なっ!?」
ユリーが唱えた瞬間、ラマンはほぼ重力の速度で地面に叩きつけられ、張り付けられたような状態となる。
ラマン「カハッ...」
ユリー「隙も多すぎる。」
ラマン「まだだ...うおぉぉぉぉ!!」
ラマンは雄叫びと共にその場に立ち上がろうとする。
ユリー「やっぱ重力は吸血鬼には駄目か...」
ラマン「ランドネス・バーガー!!」
ラマンが唱えると、地面から石の壁が出現し、そのまま勢いよくユリーを板挟みにしてしまう。
ラマン「ランドネス・アレイ!」
今度は石の壁の上に巨大な岩石が現れると、その岩石が壁を崩しながらユリーを押し潰してしまう。
ラマン「ふぅ」
ユリー「やったな...といった所か?」
ユリーはいつの間にかラマンの後ろに立っていた。
ラマン「なっ!?」
ドゴッドガァァン!!
ユリーは思いきりラマンの顔面殴り飛ばし、今度はラマンが闘技場の壁にめり込むこととなった。
ラマン「グヘッ...」
ラマンは口から血を吐くほどのダメージを負った。
ユリー「甘い...甘すぎる!最強の鍛冶屋として魔界で名を馳せたいんじゃないのか!?それなのになんだこの様は!そっちから喧嘩を吹っ掛けてきてこの様とは、笑うに笑えんわ!!」
ラマン「...さい」
ユリー「あ?」
ラマン「...るさいうるさいうるさい!うおおおおお!!」
ラマンが雄叫びをあげると、ラマンの額に一本の角が生える。
吸血鬼は感情が昂ると、額に角が生えるのである。
これが吸血鬼の所以なのだ。
ユリー「へへっ...面白くなってきたじゃないか。良いぜ、本気で来い!!」
ラマン「ブラッドネス・センチピード!」
ラマンが唱えると、自信の体の血液からムカデのような姿の物を産み出すと、そのままユリーに襲いかかる。
ユリー「血の魔法か。ウグッ!?」
血のムカデは顎のような部分でユリーを物凄い力で挟み込み、読んで字のごとく潰しにかかる。
ラマン「潰れろ!!」
ユリー「くっ...メルトネス!!」
血のムカデに向かいメルトネスを唱える。
しかし、一瞬魔方陣は浮かんだが、すぐに消えてしまう。
ユリー「何っ!?」
ラマン「ドレインに気付かないとは、やはり年を取ると鈍くなるんっすね。へへっ、良いこと知れやした!!」
ユリー「グフッ...」
バキバキバキッ
肋が数本折れる音が場内に響く。
マリー「ヒッ...」
ライアー「マリーさんも、無理しないでね。」
マリー「...ねぇ、この試合ユリーは勝てると思う?」
ライアー「さあねぇ、試合はやってみなくちゃ分からない。でもね、僕は勝つと思うよ。マコトもそう思わない?」
マコト「ああ、というよりそろそろ勝負はつくぞ。」
ラマン「ふふふ...あははは!!ユリーさんに、勝ったぞおおおお!!」
ユリー「...ブラッドネス・スキュア。」
グシュグサグサグサ
ユリーが唱えると、魔法陣すら描かず無数の血の刃がラマンを串刺しにする。
ラマン「うっ...」
バタン...
ラマンはその場で気を失ってしまった。
審判「...はっ、試合終了!!勝者、ユリー!!それと医療班を今すぐこちらへ!!!」
ユリー「大丈夫だ、急所は外してある。ただもの凄い痛みが出るところに刺したからしばらくは起きないだろう。治療の時は鎮痛剤をウグッ...」
ビチャビチャ...ドサッ...
ユリーは口から血を吐き出すと、その場に倒れ込んでしまった。
闘技場医療班A「急げ!!」
闘技場医療班B「うへぇ、また酷い試合だったな...だから魔法無制限試合って嫌いなんだよね...」
ライアー「ゴゴ、ユリーが勝ったよ」
ゴゴ「というかこれ、タイマンやる意味ありました?」
ゴゴはまだ気分があまり良くなさそうだ。
マコト「ああ、あったと思うぞ。」
ライアー「さて、とりあえず落ちついたらユリーのところに行こうか。」
こうしてラマンとユリーのタイマンはユリーが勝利を掴んだのであった。
続く...
いかがでしたでしょうか。
お花見が楽しみになってくると、次に気になるのはやはり今後の気温でしょう。
5月に30度とかはマジ勘弁レベルです。
でも冷夏になるとお米が育たないですから、それはそれで嫌です。
でも暑すぎてもお米が育たないのでこの暑さがどうにか和らぐ方法なんてなにか無いのですかね...
それでは次回もお楽しみに。