ミイラ取りがミイラになると思ったらミイラがミイラ取りになった話   作:yrtohoyr

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どうも皆さんこんにちは、作者です。
本当はGW中に投稿しようと思っておりましたが、少しプライベートが忙しくなってきてしまい、
中々投稿することが出来ませんでした。
ようやっと一本書き上げましたので、それでは本編をお楽しみください。


第四十一話 ミイラは魔界の観光へ

~ノクターン王国 闘技場救護室にて~

ユリーとラマンは闘技場の救護室に運ばれていた。

 

ユリー「ったたた...まさか肋骨をいかれるとはちょっと想定外だったな。」

ベッドの上で座っている状態だが、この男、現在ほぼすべての肋骨を折られている状態なのである。

 

マリー「ケアネスで治らないの?」

 

ユリー「いや治るけども、はぁ...」

 

ライアー「その骨を治すほどの期間、僕達はこっちには居れないからね?ほら、背中見せて」

 

ユリー「分かっている。だからこそ今、ケアネスの覚悟をしているんだ...」

ユリーは上裸になり、ライアーの方に背中をむける。

 

マリー「ケアネス」

するといきなりマリーがケアネス唱えてしまう。

ユリーの背中には薄緑色の魔法陣が浮かび上がった。

 

ユリー「あっおい、バカやめ...」

ゴキコキコキン

小気味よく骨が鳴ると、ユリーの骨折はあっという間に治ってしまう。

 

ユリー「...うぐあぁぁぁぁぁぁ....」

そしてユリーは頭を抱えてうずくまってしまう。

そう、マリーはあまり回復魔法が得意ではないため副作用として魔法がかけられた人はひどい頭痛を引き起こしてしまうのだ。

 

ライアー「回復なら僕がやったのに...」

 

マリー「あら...ごめんあそばせ?」

 

ユリー「くそぉ...」

その時、ユリーの隣のベッドで寝かせられていたラマンが目を覚ます。

 

ラマン「はっ!?ここは...いててっ!?」

ラマンはベッドから勢いよく飛び起きるが、ユリーに負わされた怪我がまだ完全には回復していなかった。

 

ユリー「目が覚めたようだな。どうだ、満足したか?」

 

ラマン「ユリーさん...えぇ、やっぱり現役のギルドランカーは強いって理解したっす。ユリーさん、帰ってきて早々にタイマンなんて挑んですみませんっした。」

ラマンはユリーに向かって頭を下げる。

 

ユリー「良いんだ、若いうちに世界を知ると言うのが大事なんだから。」

 

マコト「意外と素直な反応をするんだな」

マコトは普段のおちゃらけたユリーと違う雰囲気につい口を挟んでしまう。

 

ユリー「まあな、これはただの喧嘩じゃないんだ。由緒正しき、伝統を受け継いだ正当かつ崇高な戦いの場なんだぞ。最低限、相手を敬うことが大切だ。」

 

ラマン「あはは...そうだ皆さん、一緒に昼食でも食べに行かないっすか!ユリーさんに負けてしまいましたし、僕から奢らせてくださいっす!!」

 

ユリー「なんだ、親父そんなに羽振りよくなったのか?」

ラマンの言葉にユリーは少し驚く。

 

ラマン「まあ最低賃金が上がったというのもあるんすけど、実はちょっと大口の契約を付けることが出来まして...ただ企業機密なのでここではちょっと話せないんっすけどね」

 

ユリー「そうか。じゃ、お言葉に甘えるとしようか。」

 

ゴゴ「やったご飯ご飯~♪」

ゴゴは何やら嬉しそうである。

カーンカーンカーン...

そして魔界は正午を迎えた。

 

~ノクターン王国 大通りにて~

一行は治療が終わると闘技場の外へと出る。

時間は正午過ぎ、闘技場に面する大通りは来たときよりも賑わいを見せていた。

 

マリー「まあ、朝とはうってかわってとても賑やかになりましたわね」

 

ユリー「そりゃあノクターン王国で一番人通りが多い地域だからな。特に今は昼時で一番人が密集する時間帯だ。」

 

ラマン「じゃあ皆さん付いてきてくださいっす~」

一行はラマンに言われるがまま大通りを進む。

闘技場から10分ほど歩いたところでラマンがある建物の前で立ち止まる。

 

ラマン「ここっす!」

その建物は最近出来たばかりなのか比較的周りの建物よりも綺麗な見た目をしており、実際内装も綺麗であった。

店には既に数組の客が食事をしていた。

 

ユリー「パスタの店か?」

 

ラマン「専門店というよりカフェに近いっすかね?2年くらい前に出来たばかりで知る人ぞ知る名店、と言ったところっすかね」

 

ガチャッカランコロン...

店員「いらっしゃいませ~、6名様でよろしいでしょうか?すみません、生憎ただいま大テーブルは他のお客様がご利用中でして、カウンター席でのご案内と鳴ってしまうのですが...」

 

ラマン「そうっすか...皆さんカウンターでも...」

 

ユリー「俺達は構わんぞ」

 

ラマン「じゃあカウンターで大丈夫っす!」

 

店員「かしこまりました、ではこちらのお席をご利用ください。注文決まりましたらテーブルの魔石に触れていただければ伺います。それではごゆっくり...」

一行はカウンター席に腰を下ろす。

カウンター席の眼の前は奥の厨房を見ることが出来るようガラス張りになっており、数人がッせっせと調理をしていた。

 

ラマン「あ、すみませんちょっとお手洗い行くんで先注文しちゃっといてください」

そう言うとラマンは少し小走りにトイレへと向かった。

 

ゴゴ「マリーは魔石触らないようにね...」

 

マリー「ええ...///」

マリーは過去のことを思い出し赤面である。

 

ユリー「?」

 

マコト「ふむ...メニュー的には特段現世と変わらぬものであるな。」

マコトはメニューを見ながらつぶやいた。

 

ライアー「そうだね、所々魔界特有の食材を使ってるのもあるけど、どちらかといえば多種族向きって感じがする。よし、じゃあ僕はこれにしよ」

 

マコト「私も同じ物をいただこう。」

 

ユリー「お前ら早いな...と思ったが一番に目についたからこれにしようか」

 

ゴゴ「じゃあ私これで~」

 

マリー「ではこれを頂きましょう。」

 

ライアー「ラマンくんがまだ来てないけど...注文しちゃおっか」

そう言うとライアーは近くの魔石に触れる。

バチッ!!

その瞬間、激しい閃光と共にライアーの手の魔石に触れたところがやけどを負ってしまう。

 

ライアー「あちちっ!?」

 

マリー「どうしましたの!?」

 

ゴゴ「なに、攻撃!?」

周りで食事を取っていた人々もなんやなんやとこちらに目を向ける。

 

ユリー「おい落ち着けって、よく見てみろこの魔石」

ユリーは魔石呼び鈴を持ち上げるとその裏側をライアーに見せる。

そこには魔界語で「霊灼石使用」と刻まれていた。

霊灼石、これはエルフなどの魔物より精霊に近い存在に対して強い反発力を持つ魔石である。

一方他の種族に対しては微弱な魔力を放出する程度に収まることから魔界では広く呼び鈴として使われている代物である。

 

ライアー「げっ、霊灼石じゃん最近見なかったから油断してたよ。」

 

ユリー「ったく、気をつけろよ」

その時ラマンがユリー達のところへ戻ってきた。

 

ラマン「あれ、皆さんどうしたんっすか?」

 

ユリー「いや、ライアーが霊灼石に触っちまったもんでな。」

 

ラマン「れい...何?」

ラマンはなにそれといった感じで首をかしげる。

 

ユリー「霊灼石だ。ライアーみたいな精霊に近い種族にとっては、吸血族に対する銀と同じようなもんでな。触るとこうなる」

そう言うとライアーの手を掴みラマンに見せつけ、手のやけどを見たラマンはギョッとしてしまう。

 

ラマン「大丈夫っすか!?」

 

ライアー「うん、多分。そんなに高い純度でもなさそうだし」

そういうとライアーはそそくさと回復魔法を自分に使う。

 

ラマン「おぉ、見事な回復量っすね」

 

ライアー「まあね、それよりほらちょうどラマン君も来たし選んでもらわなきゃ」

 

ラマン「あ、自分はもう食べるの決まってるんで読んでもらって大丈夫っすよ」

 

ユリー「じゃあ頼むか」

こうしてユリーたちは店員を呼ぶと各々の食べたいものを注文し、優雅なランチタイムが始まった。

 

~ノクターン王国ノクターン王宮にて~

所変わってここはノクターン王国の王宮。

バンパイア族の王、ルシアン・ヴァレンティス・ノクターンが今日もあくせくと書類に目を通しては押印していた。

 

チィン――。

 

その時、机の隅に置かれた時計が、魔界時間で午後一時を告げた。

鋭く澄んだ鐘の音が、静まり返った部屋に響き渡る。

 

アレックス「陛下、そろそろ。」

 

ルシアン「ああ、分かっている。検品であろう?」

 

アレックス「ええ。今回またヒカル工房から新型が開発されたそうで。」

 

ルシアン「今回は確かライフルであったな?」

 

アレックス「はい、その通りでございます。」

 

ルシアン「ふむ、楽しみだ。では参ろうか。」

 

ギィーッ...ガチャン

重厚な部屋のドアが開くと、ルシアン王とアレックスは王宮内にある武器保管庫へと足を運んだ。

続く...




いかがでしたでしょうか。
最近は気温が大分高くなりまして、35度を超える地域も合ったそうです。
嫌な季節がやってきましたね、梅雨はどこに言ってしまったのでしょうか。
それでは次回もお楽しみに。
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