「なんかやけに柄が悪いのが多いな」
ヴェルフはダンジョンへ向かう道すがらそんなことを言う
周りからギロっという視線を向けられ
「ヴェ、ヴェルフ!」
(た、確かに何と言うか嫌な気配がするけどそんな大きな声で言ったらダメだって! 変なトラブルになっちゃうよ!)
ベルは小声で彼の意見に同意しつつ嗜める
(わ、悪いついな)
バツの悪そうな顔をし2人でそそくさとダンジョンへと急ぐ
そんな時だった
「「「ギャァァァァァァ!!!!????」」」
ダンジョン前の広場の方から悲鳴が聞こえてきた
「も、モンスターだ、モンスターがダンジョンから出てきやがった!!??」
瞬間
「「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!???????」」」」
街中が大混乱に陥る
「ヴェルフ!」
「おう!」
2人はアイコンタクトを交わすと一目散に大広場に向かう
伊達に
混乱した状況で現状の把握は最優先である
何も知らぬまま動いてしまうことによってより致命的な遅れが生じてしまう事もある
それ故に迅速にかつなるべく静かに2人は動き出したのだった
大広場に着くと
「これは……」
2人は言葉を失う
──そこに広がるのは地獄だった
「た、助けてくギャッ!!」
「はははははは!!」
「く、クソが……」
「オラオラどうしたよ? モンスター程度怖くねぇんだろ?」
「や、やめて……もう許して……」
「……」グサグサ
そこら中で死が充満していた
それに抗うものも一定数いるが圧倒的な数を前に彼らは次第に追い詰められていく
そんな中ベルの耳に声が届く
「誰か、頼むうちの
「ッ!!!」
弾かれたように動き出すベルに「おい! ベル!!」置いて行かれたヴェルフはその速さに瞠目する
「フゥ……」
ベルは素早く対象との距離を詰め弓を使い
「グァァ!?!?」
神を囲むモンスターの目を射抜き
「今のうちに早く!」
「あ、ありがとう!!」
冒険者は主神の元へ駆け寄りその場を後にしようとするもモンスターに狙われる
「礼はいい急げ!」
そのモンスターを大剣で真っ二つにするヴェルフがその背を守る
「ヴェルフ!」
「ああ!」
2人は巧みな連携でモンスター達を足止めし彼等を無事に逃すと
「ベル避けてろ」
ヴェルフが腰に差していたもう一振りの剣を抜き放ち
「
群れを焼き尽くす
「急ぐぞ!」
「う、うん(すっご……)」
その威力に唖然としつつベルはヴェルフと共にその場を後ににする
「で、どうする? 事態は恐らく最悪だ」
ひとまず身を隠しつつ外の様子を伺える場所にて作戦会議を行う
「うん、まさか
広場での光景を思い出し状況を言葉にして確認していく
「恐らく
曰くその集団は命をもて遊ぶことを楽しみにするもの、犯罪を犯し人を蹴落として私腹を肥やすことなど外道と呼ぶべき行いをするもの達である
「随分とモンスターの数がいたよね? あれは全部テイムされているのかな?」
「いや、流石にないだろ」
ヴェルフはベルの言葉を否定し
「あれだけの量だ主要なモンスターどもはテイムされてるのかもしれないが後はダンジョンの移動時にでも引っ掛けてきたんじゃないか?」
推論を述べる
「なるほど……ありえるね」
その推論に納得する
「後は何だか狙いが神様達だった様な気がするんだ」
「ああ、連中は冒険者1人1人を潰すんじゃなくて主神を潰して冒険者から
「神様が危ない……!」
ヴェルフの推論を聞き真っ先に顔を思い浮かべるのは自分の
「側にお義母さん達がいたとしても神様のことだから……自分は大丈夫って人助けしてる気がする」
勇敢な月の女神様は友や子供達の危機を見過ごさないし戦える能力もあってしまう
「決まりだ、ヘファイストスのことも心配ではあるが、あっちは椿もいる」
ベルの意見を聞き正直
(まぁベルがものすっごい焦ってるからなぁ)
彼らを心配するなんてはたから見れば無駄なのだが、家族であるベルからしたら許容なんてできるものではないのだ
「よし、行くぞ!」
「うん!」
2人迅速に動き始めた
アルゴノゥトはやっぱり良い…
みんなも買え(ダイマ)