「神様、
一息つくとベルは大事な家族の事を心配しだす
「彼女達からは一切連絡がない」
ベルの質問に対し首を振るアルテミス
「そう、ですか……」
しょぼくれるベルの頭を撫で
「まあ彼女達なら怪我すらしていないさ」
アルテミスは笑いかける
(しかし……この前会っていた奴は……)
手を動かしながらもあの日の事を思い出し物思いに耽る
「神様?」
(奴が予想通りの
「神様聴いてますか!?」
ベルの声すら耳に届かずされど撫でる手は止めず膝枕の姿勢へと移る
(だが、アルフィア達が奴等の側につくなど
「ちょ!? 神様!?」
「ん? おや? ベルいつの間に。甘えたいならそう言えばいくらでも
ベルが動けないよう頭を撫でくり回している事にようやく気がつくアルテミスを
「なーにやってるんだいアルテミス!! 急に考え事し始めたと思ったらベル君を誘惑するなんて!!」
「神界での君は風紀委員長みたいに
必死に引きはがす
「おっとと、何をするんだヘスティア。
しれっというアルテミスに仰天するヘスティア
ワーワーギャーギャー言っている3人を眺める男組は
(((はぁ……)))
やれやれと肩をすくめる
「それで、ベルこれからどうするんだ?」
ひと段落ついたところでヴェルフがベルに尋ねる
「え? うーん……というかヘファイストス様の事は大丈夫なの?」
「さっきも言ったが椿もいるし他の
先程と同じヴェルフの言葉に今度は甘える事なく
「でも、心配なのは変わりないでしょ?」
「まぁ……な」
このオラリオ始まって以来の未曾有の危機に絶対なんてものはない
「さっきは僕が助けて貰ったんだから今度は僕がヴェルフを助けたい」
真っ直ぐなその瞳にたじろぐヴェルフ
「だが2人ではいくらあの魔剣があろうと危険だぞ、ベル」
ミアハがベルの気持ちを汲みつつも現実的な意見を言う
「それは……う〜ん」
はやる気持ちもありつつ、先程アルテミスに叱られた手前どうしたものかと頭を悩ませる
「桜花!
そんな彼等の葛藤とは別の明るい声が隣から響く
その声に弾かれた様にこちらに気付き走って向かってくる
「「「タケミカヅチ様!!」」」
彼等の安堵した声に自然と顔が綻ぶベル達
「タケミカヅチ様こそご無事で何よりです」
「あぁここにいるベルとヴェルフのお陰でな」
先程の事を簡単に話すと
「なんと……我らの主神を助けて下さり感謝の言葉も有りません」
タケミカヅチ・ファミリアの全員から深く頭を下げられる
「い、いえ!! こっちこそタケミカヅチ様に神様を守って貰いましたから!!」
ありがとうございます! とベルの方からも頭を下げる
「早速で悪いが今の状況を知りたい。ダンジョンで何があった?」
タケミカヅチは子供たちへ尋ねる
「それが……あまり何とも言えない状況だったので」
歯切れの悪い言い方をする命
「どういうことだ」
「予定通りに10層に辿り着いてモンスターと戦闘をしていたんですが、下層からモンスターが数匹向かってきていることを察知したので戦闘を切り上げて隠れることにしたんです」
経験浅めのパーティーにしては的確な判断を下していると、ヴェルフが関心していると
「それで様子見をしていたら、下層からミノタウロスが数匹群れを作っていたんです」
「な!?」
10層には来るはずのないミノタウロスというレベル2相当のモンスターがしかも群れをなしてやってくるという悪夢極まりない状況に絶句するタケミカヅチ
「何とかやり過ごしたので、異常事態だったのでギルドへ報告しようと急いで戻ることに決めたんです」
「急いでダンジョンの入り口まで向かうとそこで……
「な!?」「「……」」「やはり、か……」
その場にいる者達はそれぞれ異なる反応を示す
「やっぱりアレは見間違いでも聞き間違いでもなかったんだねヴェルフ」
ベルはぐっと拳を握り締めアレを思い出す
「そうみたいだな……悪い予想ほど当たるもんだ」
ヴェルフも冷めた眼で空を見上げる
「ちょ、ちょっと待ってくれベル君! なんか納得してるみたいだけどどういうことだい!?」
ヘスティアが混乱してベルの首元をつかみブンブンと前後に振り回す
「実は……」
ベル達も広場での凄惨な光景を眼にしたことにより、仮説を立てていたことをヘスティア達に話す
「くっ! やはり
大男が自分の掌へ拳を打ちつける
「しかし此度は今までよりも規模が違いすぎる」
ミアハは冷静に意見を述べる
「今までも
「ああ、前例がない。それに余りにも計画的だ」
タケミカヅチもその意見に同意をする
「しかし奴らの目的は一体何なのだ?」
当然の疑問を口にするアルテミス
「うーむ、そこまでは何とも言えぬな。だが奴らの仕業であるのならばこの程度でことが終わるとは思えぬということくらいか」
頭を悩ませるミアハ
「ならやっぱり先にヘファイストス様のところに行っておこうヴェルフ」
その言葉にベルはヴェルフに声をかける
「む」
言葉に詰まるヴェルフに
「何が起こるかわからないんだから最大限準備をしよう。ヴェルフは鍛治師何だしここにいるよりヘファイストス様の所の方が設備整っているし」
ベルは理詰めをしていく
「だけどな」
されどヴェルフは自分のために危険を犯すのは……と渋る
「さっきミアハも言っていたように2人では余りにも危険だよ?」
それに追従するようにヘスティアが至極真っ当な意見を述べる
「そうだ! ベル! それならコイツらを連れて行くといい」
その空気に対してタケミカヅチが桜花や命達の背を押しベル達の前へと立たせる
「え?」
突然の申し出に驚くベル達
「人数もいるし、命は斥候何かもこなせる。さっきの恩返しと言うわけではないが役に立つぞ!」
胸を張って自分の子らの良いところを宣伝するタケミカヅチ
「なんのお話ですか?」
それをされた当人である桜花達は疑問符を浮かべる
「実はな──」
タケミカヅチがベル達の現状を話すと
「なるほど……でしたら我々にも手伝わせてください!」
正義感に燃える命が先んじて手助けを申し出る
「そうだな、自分の
それに桜花も追従する
「お前ら、ありがとうな」
彼等の善意にヴェルフは鼻の下をこすり照れくさそうに感謝を告げる
「改めて、僕はアルテミス・ファミリアのベル・クラネルといいます。よろしくお願いします」
「俺はヴェルフ・クロッゾだ。ヘファイストス・ファミリアで鍛冶師をやってる。よろしく頼む」
「桜花という。一応タケミカヅチ・ファミリアの団長をやらせてもらってる」
「命です。よろしくお願いします」
各々改めて自己紹介を行うと
「早速ですけど、ヘファイストス様が心配なので急ぎましょう。準備はできてますか?」
ベルが先程戻ってきたばかりの桜花達に尋ねると
「ああ、すぐにでも動ける」
頼もしい返答が返ってくる
「わかりました。じゃあ行きましょう!」
ベルとヴェルフが先導してヘファイストス達のいるヴァルカの紅房へと向かう
「「「「おう(はい)!」」」」
彼等は気合いを入れて応えるとすぐに移動を始めるのだった
「気をつけるんだよ! ベルくーん! みんな〜!」
ヘスティアを声援がその背に向けて送られる
「わりぃなベル」
「ううん、だって僕達相棒でしょ?」
「──ははははは!! そうだな行くか! ベル!!」