「──!? ー!」
「──!!?? ──!!」
「」ヤレヤレ
友となり互いの主神が挨拶をしているという話を知った2人は連れ立って主神の部屋の入口の前に立っていた
「え〜と?」
「……騒がしいな」
—正確には立ち尽くしていた
神が怒り外にまで聞こえるくらいに怒鳴り声が響いているためだ
「……おいベル」
如何しようかと2人が頭からを悩ませていた頃ベルに後ろから女性の声がかかる
「え? あっお義母さ……ヒッ!?」
その声の主に気がつきすぐに振り向き自分がアルフィア達に一声もかけずにこの場に来てしまったことを思い出し小さな悲鳴をあげ
「すみませんでした!!!」
振り返ると同時にとても綺麗な土下座しながら謝罪をする
「えぇ……」
ベルの奇行にヴェルフが引く
「……はぁ」
隣の人物に一瞥をくれつつため息つく
そのため息にビクッとしながらベルが
「真っ先に言い訳もせずに謝罪をしたことに免じて今回は許してやる。だが次は無いぞ」
「はい! ありがとうございます」
もう1度頭を下げ感謝するとベルは立ち上がる
「全く心配したぞ、少し目を離したら何処かへ行ってるなんてな」
無言でその様子を見ていたザルドが声をかける
彼がベルの居場所を探し当ててアルフィアを案内したのだ
「おじさん、ごめんなさい……」
ベルはザルドにも頭を下げ謝罪をする
「……」
そんな親子のやりとりに放置されていたヴェルフは唖然としいた
(何だこいつら……!?
ヴェルフは2人の余りの存在感と格の違いに絶句しつつ
(何より、こんな威圧感を持ってる奴らが声かけられるまで気付けないほど近づいてきてやがっただと?)
戦慄する
「……でコイツはなんだ?」
そんなヴェルフに一瞥をくれながらアルフィアがベルに問いかける
「あ、彼はヴェルフ・クロッゾ。さっき会ったばかりだけど僕の友達で鍛治師なんだ」
ベルが友達と言う部分に少しだけ恥じらいながら紹介してする
「ヴェルフ・クロッゾだ」
我に帰り2人に挨拶をするヴェルフにザルドが始めて反応を示す
「クロッゾ……? あの鍛治貴族の?」
その聞き覚えのある家名に
「そのクロッゾで間違いないな」
いつも通りの反応に苦笑を浮かべながら答える
「ほう、あの『海を焼き払う』とまで言われた魔剣を打つ家系がオラリオに来ていて冒険者なんぞなっているのか」
アルフィアもファミリアの仲間達から聞いたことがあったのを思い出し嫌味の様な一言を発する
「まぁ今一族は魔剣を打てなくなって久しいからな没落の一途を辿ってる」
なんてこともない様に言うと
「え? え? ヴェルフってそんな凄い家系の人なの?」
何も知らなかったベルはアルフィア達とヴェルフの顔を交互に見て困惑する
「そんな凄い鍛治師なのに駆け出しの僕の専属になって良いの?」
不安になりヴェルフへ問う
「言ったろ、俺の家はもう没落してるし俺はお前が気に入ってる。だからお前の装備は俺が打つただそれだけだ」
ニッカリと笑みを浮かべベルの頭をわしゃわしゃ掻き回す
「わっやめてよヴェルフ」
ヴェルフの照れ隠しにベルは口だけで抵抗する。そんな様子を無視しアルフィア達は試す
「専属……貴様がベルの武器を打つと?」
「ああ」
「ベルが今持っているのが貴様の作品か?」
「そうだ」
堂々と答えるヴェルフ
「……ふむ、悪くないな」
ザルドはヴェルフの作品を見定めボソリと呟く
「ああそこそこだ。ちなみに銘はなんだ?」
アルフィアもその出来を及第点とし作品の銘を聞く
「
「え?」
余りの銘にベルがつい聞き返す
「だから
「「「……」」」
その場に静寂が訪れる
「……ふざけているのか?」
その静寂をアルフィアが破り問いかける
「ふざけてなんかないぞ。兎みたいな白で出来たからなそこからふと思いついた銘だ」
自信満々に答える
((うわぁ……センスねぇ……))
とザルドとベルは心の底から呆れる
「……」
アルフィアは呆れ果てながらも改めて軽鎧を見る
白く輝くその鎧は一眼でその鍛治師の質の高さを物語る。ただ余りにも酷いネーミングセンスにその輝きが曇って見えてしまう
「ベル、コイツで本当に良いのか?」
ベルへ確認する
「う……うん」
少しだけ迷いを見せながらもはっきりと是と伝える
「ならば構わん」
その意志に2人は
「「ほっ……」」
期せずして始まった保護者のチェックを乗り切った2人は安堵のため息を漏らす
「わっ!? 何するんだヘファイストス〜!」
話がひと段落したのを見計らったかの様に目の前の扉が大きな音を立てて開き中から小さな
「ぐぇ!!??」
「わっ!? だ、大丈夫ですか?」
急いでベルはその小さな神を助け起こす
「……」
その神の余りの喧しさにアルフィアの機嫌が一段悪くなる
「ん? ベル? それにアルフィア達も一体なぜここに?」
それと同時によく見知った
「あ、神様」
「ヘファイストス様」
2人の眷属が同時に声を出す
「あらヴェルフ。貴方まで一緒にいるなんてどういう組み合わせ?」
余りにもよくわからない組み合わせに
「まぁとりあえず中に戻りましょうか」
よくわからないまま自室へベル達を招き入れる
「……っていうわけでヴェルフと専属契約を結んでパーティーになることが決まったんです」
ベルがことの経緯をアルテミス達に説明する
「ほう、少し見ない間に武器だけじゃなくパーティーのメンバーまで見つけたのか」
アルテミスはベルの縁に驚きつつ祝福し
「へぇ……不思議な縁もあったものね」
ヘファイストスがしみじみ呟く
「ところでその……神様達は何を?」
「随分と騒がしかったですが……」
今度は神達の事情を聞く眷属達
「それはね……そこに正座してるニート神が下界にきてから食っちゃ寝を繰り返す働かないもんだから、堪忍袋の緒がきれちゃってね」
少し恥ずかしそうにかつ明確な怒りを浮かべながら幼女神に視線を向ける
その視線を受けビクッとしながら
「ぼ、僕だってそろそろ眷属を探さないとって思ってたんだ」
「それを言い出して一体何日経ったと思ってるの!」
「ヒッ!?」
ヘファイストスの雷に頭を隠す幼女神
「相変わらず引きこもってたんだなヘスティア」
やれやれと肩をすくめながら
「ア、アルテミス……」
「ま、まぁその辺にしてあげてください。ヘスティア様も反省しているみたいですし」
よくわからないままベルが庇う
「べ、ベル君……」
今日出会ったばかりで事情もいまいち理解できていないはずなのに自分を庇ってくれた
そんなベルに苦笑しながら
「ベル、君のその優しいところは好きだが優しさと甘やかしは違うぞ。今回ばかりはヘスティアが悪い」
アルテミスが窘める
「—」
ヘスティアは今まで
ただもう1柱の
もちろんヘファイストスも愛情深く
「……ヘファイストス、僕もファミリアが……家族が欲しい」
つい口が勝手に動いてしまう
「え!!?? 一体どうしたの? あれだけ動くのを嫌がっていた貴方が自分から動きたいだなんて……」
急に心変わりしたヘスティアにヘファイストスが驚き理由を尋ねる
「僕だって退屈が嫌で下界に降りて来たんだ。もっと子ども達と触れ合っていかなきゃ損だろう?」
「まぁそうなんだけど……」
いまいち納得のいかないヘファイストスだったが
「いいわ、直接は手を貸さないけど住む場所くらいは貸してあげる」
その決意を尊重する
「ありがとう! ヘファイストス!」
満面の笑みを浮かべ「やるぞー!」と気合を入れるヘスティアに「良かったですねヘスティア様!」とベルも喜ぶ
「ただし、家賃を払ってもらうわ。しょうがないからバイトも斡旋してあげる」
ほんの少し試験を課す
「うぐっ……も、もちろんやってやるさ」
若干詰まりながらどんとその身体に見合わぬ大きな胸を叩き揺らす
「……」
顔を赤くしながらその様子をつい眼で追ってしまったベルの耳をアルテミスとアルフィアが引っ張る
「イタタタタタッ!!!!???? ご、ごめんなさいごめんなさい!!」
義母と主神のお怒りになす術もなく謝罪を繰り返すベルに
「「「ははははは」」」
皆が笑顔になる
ベル君が家族にならなかった時のヘスティア様をどう登場させるか悩みましたがこんな感じで