トレーナーさんを管理するのは愛バとして当然では?   作:森林 木

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某怪文書ステークスにてパッと思いついたわりに面白いのでは?これが誕生日パワーか?というテンションで書いてしまったのですが、何番煎じか分からないネタです。長文で面白くする事は非常に難しいと感じました。
かといって元の短文も振り返ると面白いか疑問ですが、書いている時は楽しかったのでOKってことにします。
息抜きに書いているモノなので気楽にお読みいただければ幸いです。


エイシンフラッシュは今日も記録する

AM.5:30 

 私、エイシンフラッシュは毎日同じ時間に目を覚ます。素早く目覚まし時計を止め、同室のファルコンさんが熟睡していることを確認すると素早くジャージに着替え、シューズの確認をする。鏡の前で身だしなみを整え、尻尾の毛先も丁寧にブラッシングする。常に人前で見られていても完璧な姿を保つよう心掛けて行動する。

 

AM.5:40

 日課である情報収集を行う。ライバルの動向や最新のスポーツ理論。これらの情報を日々更新し、より完璧なプランを練り直す。プランなんて崩れて当たり前。その後にどう組み替えるかが重要だという金言を与えてくれたトレーナーには心から信頼しているし、尊敬もしている。あの人のように臨機応変に動けることも、レースには必要になるだろう。これを身に付けることもタスクの一つとしてスケジューリングを行う。

 

AM.5:50

 ゼリー飲料を素早く飲み干すとすぐにグラウンドへと向かう。朝食はこれから行う朝練習の後でしっかりとる。グラウンドまで肩を回すなどの動的ストレッチを行いながら向かう。

 

AM.6:00

 私がグラウンドに到着すると同時に携帯に通知が入った。送り主は画面を見ずとも分かる。そう思いつつも画面に映るその名前を見て頬が緩む。私のトレーナーさんが私の練習メニューを送ってくれる。いつも同じ時間に。狂いなく。メニューに一通り目を通すと短く『確認しました』とメッセージを送りメニュー通りにトレーニングを開始する。

 

AM.7:00

 セットしたタイマーが鳴る直前にトレーニングが終了した。タイマーを止め、軽いストレッチをした後に汗を流す為にシャワー室へと向かった。

 

AM.7:20

 部屋に戻り制服へと着替えると、まだ眠っているファルコンさんを起こす。最近は夜遅くまでウマドルという活動に忙しいらしい。疲れ気味なのか自分で起きてくることが珍しくなっていた。

 

AM.7:30

 ファルコンさんと食堂へ向かい朝食を食べる。食事もトレーナーさんのメニュー通りのモノを注文し席に着く。

 

AM.8:10

 朝食を終え、教室へと向かう。ファルコンさんとの話が弾んでしまい10分の遅れが出たがこの程度の誤差は許容範囲内だ。これもトレーナーさんが、スケジューリングには常にずれ込む可能性を考慮しておいた方がいいとの助言に従っている。以前より余裕を持って行動することができ、ミスも減っている効果的なモノだ。これからも気を配るつもりだ。

 

AM.8:30

 定刻通りにホームルームが始まり、その後も予定通りに授業が行われていった。

 

PM.3:50

 定刻通りに最後の授業が終了し、放課後となった。これからトレーナーさんの待つトレーナー室に赴き、ミーティングを行う。

 

 変わらない日々。きっとこんな日常がこれからも続くのだろうと思いを馳せながらトレーニングへと精を出す。

 

PM.6:30

 クールダウンを終了し、連絡事項を確認して今日の練習は時間通り終了する。トレーナーさんと軽く雑談をしたのち、寮へと戻った。

 

 

 

「いけません。私としたことが、グラウンドにスケジュール帳を置いてきてしまいました…」

 

PM.6:40

 部屋に着替えを取りに来た際にトレーナー室にスケジュール帳を忘れてしまったことに気が付き、メールでトレーナーさんに確認を取り、すぐさまトレーナー室に向かった。

 

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「はぁ~今日も疲れちゃったぁ」

 

 今日も厳しいトレーニングを終わらせて寮へと戻っている私は可憐なウマドル。スマートファルコン。これから同室のフラッシュさんをお風呂で裸のお付き合い、もといニブトレーナーの攻略法を教わりに行こうと思っている。

 やれ逃げるな、やれ距離を離すなとか…フラッシュさんのアドバイスは難しいモノばっかりなんだよね…

 

「ファル子、逃げシスだよ?砂のサイレンススズカさんとか言われてんだよ?逃げるななんて無理無理!」

 

 独り言を呟きながら寮の自室へと帰ってきた。

 

「ただいまー!フラッシュさんは…まだ帰ってないかな?」

 

 トレーニングによっては帰ることが遅くなることもあるけど、最近は私より早く帰ってくることが多かった。時間に正確なフラッシュさんがまだ帰っていないことに多少の違和感を覚えたが気にすることなく着替えを準備しようとした。

 その時、フラッシュさんの机の上にノートが開きっぱなしで置かれているのが目に入った。整理整頓を常に忘れないフラッシュさんにしては珍しい。勉強用のノートかとちらりと中身を覗いてみた。

 

 

AM.5:45 起床

AM.5:50 着替え

 

 

「これ、もしかして自分の活動予定…?それとも記録?凄いなぁ…ファル子が起きる前にこんな…」

 

 感心しつつ、そのノートの下へと目を滑らせる。

 

 

AM.6:00 トレーニングメニュー送付

AM.6:05 朝食

AM.6:15 歯磨き

AM.6:18 メールチェック

AM.6:21 新聞チェック

AM.6:30 寮を出発

 

 

「うわぁ…分単位だ…」

 

 やや違和感のようなものを感じつつも、ついついその先も読み進めてしまう。

 

 

AM.6:43 猫を愛撫

AM.6:50 トレセンに出勤 

 

 

「あれ?」

 

 先ほど感じた違和感がどんどんと大きくなってゆく。

 

 

AM.6:51 たづな氏と談笑 やや距離が近しく感じられる

AM.7:00 トレーナー室に到着

AM.7:15 桐生院氏とトレーニングの打合せ 相談と称し休日に出かける提案 

      しかし先約の私とのデートにより拒否

     (私とトレーナーの関係を報告する必要の検討)

 

AM.7:21 転んだふりをした樫本をとっさに支える 距離が近い巫山戯るな

     (適切な距離感を認識させる必要性有と判断)

 

AM.7:25 樫本からお詫びと称し明日の夜にバーの誘い これを承諾

     (調整不足等の理由でトレーニング時間延長、ならびに外出させないよう調整)

 

 

「ヒエッ」

 

 これはフラッシュさんの記録ではなく、フラッシュさんのトレーナーの記録だ。大変なモノを見てしまった。これは絶対に見てはいけないパンドラの箱の中身だ。

 忘れよう。フラッシュさんとはこれからもズットモ!何もなかった!うん!

「ファルコンさん、お帰りなさい」

「ひゃあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 いつの間にか背後からフラッシュさんに声をかけられた。私の驚いた声にフラッシュさんも驚いて目を見開いていていた。あまりの内容にドアの開く音すら聞き逃していた。そして、私の視線の先には開かれたパンドラの箱。言い逃れはできない絶望的な状況だ。

 

「その、フラッシュさん…違うの…これは何かの間違いで…」

「?何をおっしゃっているんですか?あぁ、トレーナーさん活動記録の途中で部屋を出ていってしまって。すみません、つい急いでいたもので」

 

 ファルコンさんは特に気にする様子もなくトレーナーさん活動記録なるノートを手に取り丁寧に机の引き出しにしまった。

 

「あの…それは?」

「このノート、ファルコンさん見たのでは?」

「うぅ…ごめんなさい…」

「いいえ、謝るようなことではありません。そもそも私がきちんとしまわずに外出したことに原因がありますから」

「それで、そのノート何なの?」

「これは私のトレーナーさんの日々の生活を記録したもので、私のスケジュール管理の改善の為、トレーナーさんに健康的な生活を送ってもらうことによって気力万全の状態でお仕事をしてもらう為にこうしてノートにまとめているんです。これだけで二人にメリットがあるんですから正に一石二鳥ですよね?」

「う、うん…」

 

 満面の笑みを見せるフラッシュさんに思わずひきつった作り笑いをする。今の私絶対ウマドルとしてしちゃいけない顔してると思う。

 

「トレーナーさんの行動を把握しておけば、こちらの予定も組みやすくなることに気が付きまして、トレーナーさんに無茶させないようにこちらがフォローすることも出来ますし、ファルコンさんも取り入れてみては?」

「い、いやぁ…ファル子は遠慮しよっかなぁ~なんて…」

「良いんですか?トレーナーさんの理解を深めることも出来ますよ?」

「その…フラッシュさん。聞きたいことがあるんだけど…」

「はい、なんでしょう」

「それ、どうやって記録つけてるの?」

「それは本人から聞いてつけてますけど?」

「いや、なんかまるで見てるみたいな書き方がちらほらあったような…」

「えぇ、トレーナーさんのジャケットにボイスレコーダーを付けていますし、私がプレゼントしたピンバッジは24時間録画できる優れもので」

「フラッシュさん…それは…ダメだよ…」

 

 拝啓、トレーナーさん。私の親友は罪を犯しています…どうすれば良いのでしょうか…

 

「え?でも、パートナーですよ?」

「いや、プライバシーって大事だよ!?目を覚まして!」

「いえ、現在覚醒状態ですけど…」

「というか、なんでこんな手段使ってるの!?」

「だって…トレーナーさんを管理するのは愛バとして当然では?」

 

 しかも確信犯です。何が悪いかも分かっていません。誰か助けてぇ…




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