麦わらの一味の一人「一夏」   作:un

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 他に書いている二次作についてですが

 ネタがしっかりしてから書き始めます。

 更新遅くなりますので、すみません。


十四話 進化

 簪が黒騎士の操縦者の名を告げ、秋人が大きく目を開き黒騎士を見る。

 

「そんな...に、兄さん...本当に?」

 

 一方で、一夏は何も答えず簪を見る。何故自分の正体を彼女が知っているのか? そして、簪がさっき言っていた黒騎士が教えてくれたとは...?

 

 この時、一夏の頭の中である事がよぎる。あの世界の冒険の中、”万物には命が宿る”事そして、あらゆる万物の声を聞く事ができる者がいることをーー

 

(まさか!? 聞こえるのか...万物の声を!?)

 

 三人は動かず、緊張した雰囲気でいると紅い機体が秋人に接近した。

 

「秋人!! 手を、私の手を!!」

 

 反射的に箒の手をつかみ、機体が光に包まれ白式に異変が起こる。先ほど戦闘で消費したエネルギーが一気に回復したのだ。

 

「箒!! ありがとう!!」

 

 箒に礼をいい、秋人はブレードを構え黒騎士に接近する。一夏は黒刀「夜」で秋人のブレードを弾き距離をとる。

 この時、一夏は秋人が何をしようか気づいていた。自分の正体を確認する為顔を隠しているバイザーを破壊するつもりだ。

 

「はぁ!! 顔を見せろ!! 黒騎士!!」

 

(誰が見せるかよ!!)

 

 白式から逃げようとするが、箒が再び刀を振り上げて切りにかかる。箒も今度は負けない と気合があり、さっきの戦闘よりも落ち着いた様子で攻める。が、戦況は一夏が有利である事は何も変わらない。

 

 機体の性能では第一世代を使う一夏が不利なのだが、個人の基礎戦闘能力では格が違っていた。並の人より運動能力が少しだけある秋人と、剣道だけの実力がある箒だけでは、海賊王の船で雑用をして過酷な海を超えた一夏には勝てない。そう、二人だけだったらーー

 

 「一夏君...」

 

 先ほどから戦闘に参加していない簪。彼女の持つ力を使えば、勝てたかもしれない。しかし、秋人と箒は完全に簪の事を忘れてしまい戦闘に夢中になる。

 

 

 

(さて、そろそろ箒の奴がエネルギー切れかな?)

 

 一夏が箒の方をみると、箒の顔から余裕がなくなっているのが見えた。いくら、第四世代とは言え、そのエネルギーは無限じゃない。

 一方で、秋人達が来る前から戦闘を行っていた一夏だが、黒騎士の武装が剣とナイフのみのため、余った容量を全てエネルギーの増設で改造していたため、まだ戦闘は続けられていた。

 

「このままじゃ...」

 

 何度目かの斬り合いになり、秋人の額から汗が流れる。一夏から感じる遠い何か。すぐ近くにいるはずなのに、何故か遠く感じる距離に精神が不安になって行く。

   

(このままじゃ負ける...負けたくない...負けたくない!!)

 

 再び高速に接近する白式。いい加減戦いを終わらせようとし、一夏が黒刀を頭上に振り上げた時、異変が起こる。

 白式が突如光を放ち、その姿を変えて行くのだった。さらに、秋人の精神に誰かが呼びかける。

 

(貴方は何を求めますか?) 

 

 姿のない綺麗な女性の声に、秋人は何も疑問を持たずーー

 

 「知りたいんだ、あれが本当に兄さんなのか、僕はもう...何も分から無いままなんて嫌だ!!」

 

 秋人のそんな思いに答えたのか、光が大きくなり気づいた時には白式の姿が変わっていたのだった。

 新たな力を得た秋人。セカンド・シフトを果たした白式の剣と黒騎士の剣がぶつかった。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「な、まさかセカンド・シフトだと!?」

 

 急激にパワーアップした秋人に驚き、ついに押し出されてしまう一夏。

 秋人は距離をとり、白式に新たに装備された射撃武器が放たれその弾丸が黒騎士に直撃し機体にダメージを与える。

 

「こんな時に進化しやがって!!」

 

 一夏も射撃を回避するが、秋人のまるで動きを読んでいるような正確に弾丸が何発も直撃してしまう。

 攻撃から逃れるため、一夏も速度を上げ躱すが機体が悲鳴をあげ始める。

 

 「ちっ!! 機体が」 

  

 機体のあちこちが損傷し、アラームが鳴る。そして、それらの原因は実は攻撃によるものだけでなく、他に理由が存在していた。

 身体の能力が既に超人の域まである一夏。だが、並外れた操縦のせいで機体に負担をかけてしまいいつの間にか、一夏の操縦に黒騎士がついて来れなくなっていたのだった。  

(流石に逃げるしかないな!!)

 

 そろそろ引き時 と判断し、白式に構わずその場から撤退しようとした時、一発のレーザーが機体をかすった。

 

「逃がしませんわ!!」

 

 青い機体が銃口を向け待機していた。そして、近くから複数のISの反応があり一夏は囲まれてしまう。

 

「あれが、黒騎士...」

 

 オレンジのリヴァイブに乗るシャルがつぶやき、鈴とラウラも注意を払いながら黒騎士の前方を塞ぐように待機する。 

 

「無駄な抵抗はやめろ!! 既に我々が包囲した!! 」

 

 ラウラが警告を伝え、投降を呼びかける。一夏が周りを見ると、後ろから進化した白式と、エネルギー切れが近い赤椿、そして戦闘に参加していない打鉄二式が後方を囲む。

 

 夕陽が徐々に落ち、辺りが暗くなる中。一夏は六機のISに囲まれてしまう。

 

 一夏な内心で、この状況からどうやって脱出するか思考する。こんな状況は何度も海軍や悪党の海賊に何度も囲まれた経験があり、しかもそれらは自分を殺そうとしているのに、目の前にいる少女達は捕獲しか考えていないようだった。その証拠に剣を構えても彼女達は銃を打たない。

 

 (さて、どうするかな? やっぱり、突破すんだったら!!)

 

 後ろを振り向き斬撃を放つ、秋人と簪はその攻撃が来るのを感じ離れるが、回避が遅れた箒が直撃しエネルギーがついに底をつき、海に落ていく。落下していく箒を秋人が急いで飛び彼女を捕まえている間に一夏はそのまま最高速度でその場から離脱する。

 

 「に、逃がすか!!」

 

 ラウラ達は黒騎士に向かい射撃をし、弾丸が命中し黒騎士の操縦者の顔を隠すヘルメットが一部砕け左目と顔の一部が露出し、鈴と秋人がその顔を見て確信した。

 

「一夏!!」

 

「兄さん、兄さん!!」

 

 二人の声は逃げて行く一夏に聞こえず、黒きISは完全にその場から去るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

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