麦わらの一味の一人「一夏」   作:un

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 皆様、明けましておめでとうございます。

 新年初の更新ですが、よろしくお願いいたします。


二十五話 ワールド・パージ 2

学園のシステム復旧のため電脳世界にダイブした箒達。まるで宇宙空間を思わせる世界に驚いていると、彼女達の前に五つの扉が出現しオペレーターをしている簪から中に入るよう言われ五人はそれぞれの扉に入ったーー

 

 

 

「ん? ...ここは?」

 

黒のセーラ服を着た鈴が席から立ち、今いる場所が中学の時に通っていた教室だと気づき手首に装着していたISを確認するが、何時の間にか消えてしまっていた。

 

(まずいわね...何かの罠ってことかしら?)

 

鈴は行動を起こそうとし教室から出ようとするが、教室のドアが勝手に開き一人の学ランを着た男子生徒が...本来ここにいるはずのない一夏が入ってきた。

 

「おう鈴、今帰りか?」

 

「!! 一夏!? あんた、なんで!?」

 

「なんでって、さっきまで先生の仕事手伝ってたから遅くなったんだよ」

 

いや、そうじゃなくて…と首を横に振り。一夏にいままでどこに居たのか、そしてどうして黒騎士なんてISに乗っていたのか。等聞こうとしたがーー

 

(アレ? 私、何言おうとしたっけ?)

 

 さっきまで聞こうとしていた事が頭から消え、何を言おうとしていたのか思い出そうとしていたが、突然一夏に手を引かれ慌てて走る。

 

「急ごうぜ鈴? 今日、夕方から雨降るってテレビで言ってたぞ」

 

「う、うん...」

 

鈴と一夏が誰もいない廊下を二人が走り、外では夕立が振り始めるのだったーー

 

 

 

 

豪華な執務室にて金髪の少女がテレビ電話の相手に向かって難しい顔をして話ていた。

 

 「ですから、もう少し連絡を密にしてですね...」

 

彼女はオルコット家の跡取りである少女セシリア・オルコット。若くして財閥を指揮し、今では頼りになる執事と共に働く女性だった。

 

「とにかく、今度の報告では...はい。では」

 

テレビ電話の画面が切れ、セシリアは椅子にもたれてため息を吐く。そして、机に置いてあるベルを鳴らし、ドアが開かれとある人物が中に入る。

 

「お呼びですか、会長」

 

執事服を着込んだ男性。一夏の弟である秋人が紅茶が乗ったお盆を持ちセシリアの前に立つ。セシリアはまるで火が出そうに顔を赤くしうつむき呟く。

 

「もう、二人の時はセシリアって読んでくださいまし...」

 

「あはは、そうだった、ごめんね、セシリア?」

 

秋人が机に紅茶を置き、セシリアは幸せそうに紅茶を口に運び頬が緩む。実はこの日、一週間の中で唯一の楽しみがあり彼女は喜びに満ちていた。

紅茶を飲み干したセシリアは秋人を見て、「では、行きましょうか」と声をかけ二人は部屋から出て行ったーー

 

 

 

「ふ~~んふふ~~ん♪」

 

鼻歌を歌いながら脚立に登りガラスを拭き上げるメイド服のシャル。彼女は織斑家に使える使用人であった。働くシャルの後ろから一人の男性が近づき、手にモップを持ちシャルのメイド服の短かいスカートをたくし上げる。

 

「きゃ!?」

 

「おやおや、随分可愛い声だね? シャル?」

 

バスローブを着た秋人が意地の悪い笑みを浮かべ、涙目になるシャルを見る。シャルは必死にスカートを抑え「ご、ご主人様...」と呟くシャルを秋人はお姫様だっこをしてベッドに投げる。

 

「あ、な、何を...?」

 

「おいおい、メイドが主を喜ばせるのは当たりまえだろ?」

 

屋敷のプライベート部屋にて、顔を赤くするシャルに目を怪しく光らせた秋人がきわどい服を取り出し、シャルに見せるのだったーー

 

 

  

「ふむ、分かった。その件は後程に」

 

携帯端末を置き、特殊部隊の隊長であるラウラはため息をついていると彼女の夫、いや彼女の嫁が台所から出て来る。

 

「おいおい、どうしたんだよラウラ? 可愛い顔が台無しだぞ?」

 

「む? そ、そうか?」

 

エプロンを着た、いかにも主夫と言った感じの秋人がコーヒーをラウラに手渡す。ラウラは照れ隠ししながらコーヒーを飲んでいると、秋人がポケットから何かを取り出す。

 

「そうだ、この間の結婚記念にもらったこれ、使ってみようかな?」

 

「なぁ!? それは!?」

 

紙には「肩たたき券」ならぬ、「なんでもおねだり券」と手書きで書かれており、二人はそれぞれ何枚か持っていた。 

 

券を使用し、これまでにラウラは秋人の前でナース服やドレス等を着て彼を喜ばせ、逆に彼女も券を使い彼に癒されていた。

 

「こ、今度はなんなんなのだ?」

 

「ふふふ、それはね?」

 

秋人が券をひらひらさせながら、ラウラはこれから起こる事に身を震わせるのであったーー  

 

 

 

 「皆...」

 

コントロール室にて簪が電脳ダイブをした五人と連絡の手段を探しパネルを必死に操作するが変化がなく時間だけが過ぎていた。

一方で地上では楯無と千冬が襲撃者達を撃退しており、秋人もいない状態で誰も助けに行くことができない。

 

 (お願い...来て。今はあなたしかいないの!!)

 

簪が心の中である人物の事を思っていると、IS学園に急速に向かう一つの影があったーー  

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