その話についての番外編を出す予定です。
ドン!!
学園に近づいていた謎の影は、学園の建物に激突し建物の瓦礫から一人の人間が出て来る。黒の外套を羽織り赤い上着に青いズボンを穿いたその人物は咳き込みながら辺りを見渡し首をかしげる。
「げほ、げほ!! ここ、どこだ?」
一夏は学園のマップを展開し今自分がどこにいるのか確認する。一夏のいる場所は簪達がいる部屋から離れた所だった。
一夏はIS学園で何かが起こった事に気づき文字どうり飛んで来たのだが...
「どこ行けばいいんだ...? ん?」
近くで爆発の音が聞こえ、一夏は剃で煙の上がった場所に近づく。そこには一人の青い髪をした少女が見え一夏は足を止めて苦い顔をする。
(あれは...更識? ここで会うと面倒だな...)
先日の戦闘と、偶然町で会った事を思いだし冷や汗を流す一夏。そのまま立ち去ろうとするが、少女の後ろに特殊アーマーを着込んだ謎の兵がおり彼女の背に銃口を向けている事に気づいた一夏は
「やめろクソ野郎!!」
怒りで叫び剃で楯無が気づく前に銃を構えていた兵に近づき蹴りを入れ込む。鍛えあげられた蹴りはアーマーをへこませ兵を吹き飛ばして壁に突きささる。
「!? あなた!?」
「下がってろ!!」
楯無の前に立つ一夏。さらに通路から先ほどの兵と同じ装備が一団が近づく。しかも兵達は楯無を見るなり「ロシアに国籍を変えた尻軽」等言い放ち銃を構え一夏のこめかみに青筋が浮かぶ。
「テーブルマナーの悪い奴には...」
一夏がそれだけ言い一団達に向かって走る。接近する際に彼の足が空気中の摩擦で、燃え上がった。
「悪魔風足(ディアブルジャンブ)!!」
燃え上がる炎の足が敵の特殊装甲を溶かし襲いかかる。
ある者は恐怖で悲鳴を上げる前に容赦ない蹴りを受け気絶し、ある者は壁を突き抜け外まで吹き飛ぶ者がいた。
「な、な!? 」
「あ、熱い!!」
兵達は一夏に反撃しようとナイフや特殊棒を取り出し接近戦を仕掛けるが
「徹底的にマナーを叩き込む!!」
一夏の声を最後に、何人が燃え盛る蹴りをくらい気絶し無傷の者達は仲間の無残な姿を見て逃げ出すが、彼らに突如爆発が襲いかかる。
「うわ~~驚いたわ? 足、大丈夫?」
心配そうに今も燃え上がる一夏の足を見つめる楯無。一夏は大丈夫 と答え足を軽く周りに敵がいない事を確認してから足にまとっていた炎を消した。
「ねぇ、それどうやってやったのかな? お姉さん君に興味持っちゃったから、教えてくれないかしら?」
「断る」
「え~~」
まるで子共のような振る舞いをする彼女だが、目が明らかに何かを含んでおり、かつて一味の中で金品に対し誰にも負けない程の強欲を持った航海士を思い浮かべてしまい苦い顔をする。
「ところで、秋人はどこか知らないか?」
「あぁ、彼なら今学園の外にいるわよ。それと織斑先生も侵入者の撃退に学園のどこかにいるけど、貴方にはやって欲しい事があるの...とても重要な事を」
楯無は侵入者であり先日戦ったはずの一夏にダイブルームを場所を教えて向かわせる。去って行く一夏の後ろ姿を見て顔を赤くし「本当にまた会えちゃった」と呟き笑を浮かべる楯無だった。
「...!!」
研究所内部で白式に乗った秋人が何かを感じ整備室を見渡すが誰もいない。研究員達は隣りの部屋でモニターを真剣にみており、誰も秋人に声をかけた様子はなかった。
(今のは...一体...?)
原因が分から無い胸の焦燥感を感じながら、秋人は白式に写し出されモニターに目を通すが、内容が頭に入る事はなく時間だけが過ぎて行くーー
「こんな部屋があったのか...」
一夏が楯無から教えてもらった道を進み一つの部屋に入ると、キーボードーを打ちこんで簪がいた。突然一夏が入ってきた事で手を止めて顔を赤くして驚くがすぐに急いでメッセージを打ち込み一夏に見せる。
内容は「電脳ダイブをした箒達と連絡が取れず、こちらから操作ができない状況」である事と、もう一つ「誰かが電脳ダイブを行いシステムを復旧させる必要がある」と書かれていた。
「誰かがって...もしかして?」
こくん と簪が頷き、箒達の傍にある余った一つのべッドが動き出す。「俺、初めてなんだけど...」と不安げに言うが、簪の強い視線を受けて覚悟を決めベッドに横になる。様々な機械音が聞こえた後、カウントダウンが零になった瞬間。一夏の意識は真っ黒になる。
「う...?」
うっすらと目を開き、気がついた一夏の目の前には五つの扉があった。周囲がまるで宇宙空間のような背景を見渡していると
「ダイブは成功です。今、貴方の前にある扉の先に篠ノ之さん達がいます。気をつけて...」
「ここが、電脳世界ってやつか...まぁ、魚人島行った時みたいに暗くはないからましか」
簪の忠告を受け、一夏は扉に近づきドアを開いた先には豪華な屋敷が建っていた。玄関の前に立ち少し混乱する一夏。そこで彼はある事に気づいてしまう。
「そういえば、俺。箒と鈴しか知らないけど...誰探せばいいんだ?」
二人以外の少女とは会話すらしたことすらなく。彼女達にあったらどうすればいいのか考えるが。まぁいいか と気分を変えて屋敷の門を開き足を踏み入れた瞬間。
「ワールド・パージ 異物混入。排除開始」
屋敷から武装した黒服の集団が現れ取り囲まれてしまう。一夏は待機状態の黒騎士にある剣を取り出そうとしたが、そこで待機状態の黒騎士がない事に気づく。
さらに黒服の持つ銃から銃弾が襲いかかり剃で移動しようとするが、いつもどうりに足を高速に動かす事ができず何発かの弾丸が体をかする。
「ぐっ!! 嘘だろ!?」
仮想世界にてまさか武器だけでなく体術も使えない事に驚く一夏。
さらに自分にある「とある能力」で姿を変えることもできず、覇気で体を硬化する事さえできなかった。
あらゆる力を封じられてしまい地面に膝をついていると屋敷のベランダから二つの影が一夏を見下していた。
「い、一体何事ですの?」
バスローブに身を包んだセシリアと、執事服を着込んだ秋人の二人だった。
秋人はセシリアを後ろに下がらせ、どこからかロケットランチャーを取り出し一夏に狙いを定める。
「侵入者め!! セシリアには指一本触れさせはしない!!」
秋人はためらいもなく引き金を引きロケット弾が一夏に迫る。周りの黒服達が邪魔で逃げ出す事ができず、一夏は秋人ーーではなくセシリアを見ていた。
あぁ、青いISのやつか と心の中でセシリアの事を思い出した時ロケット弾が爆発し炎が襲いかかる。
青いIS 迫る炎
この二つが一夏の頭の中である物が連想し、彼に変化を与える。
「はははは!! これで邪魔者はいなくなったよ? セシリア?」
「っ!! い、いや!!」
使用人ごと一夏を吹き飛ばした秋人に恐怖を感じ怯えるセシリア。狂気の顔を浮かべた秋人がセシリアの腕をつかもうとした時。
「誰が邪魔者だって?」
爆炎の中。体から青い炎を生み出す一夏が無傷で立っていたのだったーー