麦わらの一味の一人「一夏」   作:un

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 一ヶ月以上空けてしまいました。

 相変わらず、誤字とかには気をつけてますが。

 意味不明になっていたらすみません。
 


二十八話 ワールド・パージ 5

 「あ、あぶね!!」

 

 腕を鎌に変化させ銃弾を防ぐ一夏。ドアを蹴破りナイフを構えるエプロン姿の銀髪少女に文句の一つを言おうとするが、ナイフを鎌で防いで目の前で火花が散る。

 

「よくも私と嫁の邪魔を!!」

 

「そんなの知るか!? しかも、嫁って誰だ!?」

 

 玄関前にて、ナイフと鎌が何度もぶつかり合い金属音が響く。ラウラのナイフをさばきながら一夏はどうやって彼女を黙らせるか考えていた。

 

 戦闘慣れしているラウラの動きに隙がなく、慣れない能力での戦いで一夏が後ろに下がって行く。

 

「ラウラ!! 頑張れ!!」

 

 と、家の玄関から一人の男。偽秋人が立ちラウラを応援し始めた。ラウラは秋人の声援を受け、最初は笑みを浮かべ一夏と戦うが

 

「戦え!! 戦え!! 戦え!!」

 

 と、声援がいつの間にか戦えに変わりラウラに異変が起こる。

 

「わ...私は...」

 

 耳を塞ぎその場で膝をつくラウラ。秋人の声から逃れようと必死に耳を塞ぐがそれでも声は聞こえて、戦え戦え戦え戦え戦え戦え戦え戦え...そう何度も繰り返される声に叫び声を上げた。

 

「...てめぇ...」

 

 一夏は、ラウラの後ろで壊れたラジオのように繰り返す偽秋人を睨み両手の鎌を消し体全体をミサイルに変化させ偽秋人に向かって叫ぶ。

 

「いい加減にしろ!! こいつにばかり戦わせやがって!!」

 

 ミサイルと化した一夏は真っ直ぐ飛び人形のように立ち尽くす偽秋人に直撃し爆発するのだったーー

 

 

 (うっ...? 暖かい...?)

 

 扉のある空間で黒い外套に包まれたラウラが目を覚まし傍にいた一夏を見つけ警戒する。

 

「貴様!? 黒騎士!!」

 

「おいおい、またかよ...」

 

 三度目のことで、シャルやセシリアの時と同じくISをまとうラウラ。だが、扉を素早く開き一夏はさっさと逃げてしまう。

 

「...くっ!!」

 

 先に逃げられ扉を睨むラウラだが、まとっている衣類から一夏の匂いがし思わず鼻を押し付ける。

 

(この匂い...嫁と同じだ...そういえば、黒騎士は嫁の...)

 

 一夏が秋人の兄だったのを思いだし、顔を赤くする。そして小声で

 

「お、お義兄さん...」

 

 と、呟くのだったーー

 

 

 

 残り二つの内、一夏が選んだ扉の先には一つの中華店があった。雨に打たれながら一夏はその店と看板を見て、自分は昔来たことがあるのを思い出して、ここに誰がいるのかも分かってしまった。

 

「...鈴」

 

 雨の冷たさとは違う。体を震えさせながら一夏は恐る恐る店に足を踏み入れる。

 

「...懐かしいな...」

 

 誰もいない店の中を見渡す。異世界に長らくいたが、この店には何回か来たことがあり記憶には残っていた。

 

「...仮想の世界じゃ何も変わらないけど、現実じゃ何もかも変わってしまうもんだな...」

 

 異世界で海賊となり、様々な冒険をして強くなった。けれど、こっちの世界に戻っても自分だけが何故か取り残された気がした。

 

 千冬は学園の教師をし、秋人と箒はIS学園に入学し。鈴は代表候補生になっていた。さらに、親友だった弾が革命軍の一員になりテロをしていたなど。

 

 一夏以外の何もかも変わっていた。

 

「...さて、鈴を探すか」

 

 気を取り直し店の奥に入って行く。廊下を進み二階の方で物音がして階段を上がる。 ドアの隙間から光が漏れている部屋があり、一夏がその部屋を覗くと

 

 

「い、一夏...」

 

「ほら、力を抜いて鈴?」

 

 ベッドの上で、学ランを来た一夏が鈴の制服を脱がせている所だった。そして、偽一夏の手が鈴のスカートに伸びた所で

 

「何してんだ!! てめぇ!!」

 

 ドアを蹴破り、中に入る一夏。

 

「なぁ!?」

 

「え? い、一夏?」

 

 一夏が二人になり、混乱しながら二人に何度も視線を移す鈴。一方で、偽一夏に異変が起こる。

 

「異物確認、排除を開始する」

 

 

「っ!! あ、痛い!!」

 

 偽一夏が機械的な声を出すと突然、鈴が頭痛に襲われる。

 一夏は鈴に近づこうとするが、偽一夏が机の上にあるハサミやペンなどを投擲してくる。

 

「くそ!! 邪魔だ!!」

 

 一夏の手の平に肉球が生まれ、投げられたハサミを弾き壁に刺さる。次次にくる凶器を弾いて防ぎ今度は大気を弾き、偽一夏に向け放つ。

 

 ドン!!

 

「う、うわぁぁぁ!!」

 

 大気の弾丸をくらった偽一夏は叫び声を上げながら窓を突き破って落ていく。一夏はすぐにベッドの上で頭を抱える鈴に近づき声をかけた。

 

「鈴!! 大丈夫か!? 鈴!!」

 

「あ...あ...い、一夏」

 

  

 混乱して体が震えている鈴に一夏は優しく彼女を抱きしめる。

 

「一、夏...」

 

「その...ごめん。いろいろと、本当に...」

 

 鈴に謝罪の言葉を繰り返す一夏。抱きしめられた鈴は久しく感じる一夏の暖かさと匂いで次第に落ち着きを取り戻し、目から涙が落ちる。

 

「...本当に、一夏なんだよね? 本当に!! 生きてるんだよね!?」

 

「あぁ、俺は生きてるし。ここにいる」

 

 確かに、そうはっきりと答えた。

 

 鈴は目の前にいる彼こそが本物だと感じ、昔と違い顔つきも体格も大分たくましくなった一夏の目を見つめた。

 

 

 ドン!!

 

 と、階段を駆け上がる音がして。さっき下に落ちた偽一夏が手に包丁を持ち部屋に入ってきた。

 

「この!!消えなさいよ!! 偽物!!」

 

 鈴が叫び甲龍(シェンロン)の肩に装着された衝撃砲が放たれ偽一夏はその場でバラバラになって消える。

 そして、突然辺りが光だし気づけば二人は五つの扉の前にいた。

 

「...っ!!」

 

 一夏が鈴に声をかける前に、ISを解除した鈴が一夏に抱きつく。まるで、もう離さないと言わんばかりに強く、体をくっつける。

 

「今まで、どこにいたのよ!? いきなり現れて、しかもISに乗って...」

 

「鈴...」

 

 言葉の変わりに鈴の頭を優しくなでる一夏。

 一夏は鈴だけでなく、秋人や千冬達にどう説明したらいいのか悩んでいた。

 

 海賊をしていたこと

 

 束と共に行動していること

 

 そして、今していることを。

 

「約束して」

 

 目に涙を浮かべ、一夏を見上げる鈴。

 

「ここから出たら、ちゃんと話してよ...今までのこと」

 

「...わかった。箒で最後だから...連れ戻したら、俺も後から戻って話すよ」

 

 鈴の涙を拭い去り、彼女から離れ。一夏は最後の扉を開き中に入って行ったーー

 

 

 

「てぁぁぁ!!」

 

「はぁぁぁ!!」

 

 剣術道場にて、箒と秋人の竹刀が交差する。道場の中で暫らく竹刀の音が鳴り響き、やがて

 

「てあっ!!」

 

箒が気合の声を上げ、秋人から一本取る。

息をあげながら、二人は互に礼をし防具を外した。

 

「腕を上げたね、箒?」

 

「あ、あぁ...これも、秋人のおかげだな」

 

「おいおい、俺も手伝っただろうが」

 

 黒い袴を着た一夏が入り二人に向かってタオルを投げる。

 

「一夏...見てたのか?」

 

「まぁな、まさか秋人に勝つとはな~~箒も成長したな?」

 

「なっ!! ほ、褒めても何もでないぞ!!」

 

 一夏と秋人から褒められて顔を赤くする箒。

 

(な、何とか秋人には勝てたが。一夏は秋人より強い...だが、必ず勝ってみせる!!)

 

 自分の中で新たな決意をし、会話をしている秋人と一夏を見る箒。昔からの幼地味と共にこうして剣を交え、日々成長していく事に幸せを感じていた。

 

(もし...私が二人の内どちらかを決める事になったら...っ!! な、何を考えているのだ私は!?)

 

 顔を赤くし、箒は二人に湯浴みに行くといいその場から立ち去る。そして、箒がいなくなった所で道場に残る秋人と一夏に近づく人影があった。

 

(今度は俺と、秋人の偽物が出てきたか...それにしても、箒のやつ何顔を赤くしてんだ?)

 

 箒の様子を気にしながら道場に入る一夏。そして、偽物の兄弟が竹刀を持ち襲いかかる。

 二つの竹刀を回避し、土足のまま道場の中を走り壁にかけてある三本の竹刀を持つ。

 

「さて、とっとと終わらせるぞ!!」

 

 口に竹刀を加えた一夏に偽の兄弟二人が来る。一夏は、その場から動かず両手の竹刀を背にし、一瞬。背後に虎が見え竹刀が振り落とされる。

 

「虎、刈り!!」

 

 パシッ!!

 

 

「ぐわっ!!」

 

「ぁあ!!」

 

 虎の牙を思わせる攻撃に偽の秋人と一夏が道場の壁まで吹き飛ばされる。

 

「よし、後は箒をここらか...って、まだかよ」

 

 道場から出ようとする一夏。だが、壁まで飛ばされてた二人は立ち上がり、手には竹刀ではなく刀が握られていた。 

 

「異分子を」    

  

「排除する」

 

 感情がなく、機械のよう声で再び一夏に迫る二人が真剣で手にした竹刀を引き裂く。

 

「うおっ!? 」

 

「排除」

 

「排除」

 

 口にくわえていた竹刀を持ち。今度は竹刀が壊されないように注意しながら胴体・頭などを狙って攻撃するが二人は倒れない。

 

「こいつら、しぶとい!!」

 

 刀の攻撃を回避し、偽の秋人の胴体に一撃いれるが。背後に回った偽一夏が刀を振るう。

 

 ザッ!!

 

「くそ!!」

 

 横に飛び避けるが額がかすかに当たり床に血が流れる。額の血を拭いながら二人を睨むと、道場の入り口で箒が立ち尽くしていた。

 

「い、一夏...が二人?」

 

「箒、ちょうど良かった」

 

「こいつは、俺たちの敵だ」

 

 偽一夏は、何もない空間から刀を取り出し箒の足元に投げる。

 

「な、何を言ってるだんだ? 二人とも、やめてくれ...」

 

「だめだ、この男は殺さないといけない。僕たちがいつまでもここにいるためには」

 

「だから、一緒に俺たちと戦ってくれないか?」

 

 足元に落ちている刀と、いつもと様子が違う兄弟を見て箒は混乱していた。

 

 どうして、あの二人は人を傷つけることを?

 

 何故、一夏が二人なのか?

 

 それらを聞き出そうとして、突如箒に頭痛が襲いかかりある光景が浮かび上がる。

 

 口に剣をくわえ、三本の剣でISを倒す一夏

 

 黒いISに乗り、紅い機体に乗った自分を戦う姿。

 

 どこかで見覚えのある光景だが、思い出そうとすると頭痛が強くなり。秋人と一夏の声に促され、刀を手にした。

 

 

「わ、私は...」

 

「箒!!」

 

 一夏が箒を呼ぶ。額から流れる血にも構わず一夏は笑みを浮かべ箒を見る。

 

「お前は、お前の剣を振るえ。そいつらの言いなりになって剣を振ってそれでお前はいいのか?」

 

「!?っ」

 

 一夏の言葉を聞き、刀を持つ手から少しずつ震えが消えていく。そして、偽一夏と秋人はいつまでも動かない箒から視線を外す。

 

「箒、仕方ない。俺たちで殺してやるよ」

 

「行くよ、兄さん。今度こそ奴を殺すんだ」

 

「違う...」

 

 箒が小さく呟く。険しい目で偽の兄弟を睨み、すぐに血を流す一夏を向き

 

「私の...私の知っている二人は人を傷つけたりはしないんだ!!」 

 

 持っていた刀を一夏に向かって投げる箒。

 

 偽兄弟が走りだし、一夏は笑みを浮かべ迫る二人に向けて持っていた竹刀を投げ、刀に手を伸ばす。

 

 竹刀はすぐにバラバラにされ、一夏が刀の柄を掴んだ時。二本の刃が目の前まで迫る。

 

「一刀流、居合!!」

 

 鞘から刃が抜かれ、一瞬で二つの刃が砕かれ、気づけば一夏は二人の後ろに膝立ちでおり、ゆっくりと刃を鞘に収める。

 

「獅子歌歌」

 

 技の名前を言い、刀を収めた瞬間。立っていた偽一夏と秋人がその場で倒れて、ガラスのように割れて消える。

 

 そして、道場の中が歪み気がつけば一夏は電脳ダイブ用のベッドの上で目を覚ます。

 

「あ、起きたみたいだよ?」

 

 シャルが一夏の様子に気づき、その場にいた鈴や先に起きた箒が緊張して恐る恐る一夏に視線を移す。

 

 

「あ、あの...」

 

 

 セシリアが声をかけるが、一夏の目はぼんやりとしておりーー

 

 

「ふぁ、ねむ...」

 

 再び眠りにつく一夏。そこに、簪を入れた六人が突っ込まれて。渋々としたように一夏が起きる。

 

「俺、疲れてんだけど...」

 

「ダメ、あなたには聞きたいことが、たくさんある」

 

 簪に二度寝は却下され、一夏はため息をつく。

 

 「わかった、話すから逃げないよ」

 

 観念して、事情を話すことにした一夏。だが、そこに

 

 「た、大変です!!」

 

 突如、通信で麻耶の声が部屋に響き

 

 「織斑先生が負傷してしまい、現在。更識さんと織斑君が保護を...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 

  

 

 

 

 

 

 

      

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