更新だいぶ遅くなり申し訳ありません...
この番外編は24話のワールド・パージ編の前日談となります。
皆からご指摘のあった、学園祭で戦った一夏と楯無が急に共闘したのは何故? の
話になります。
「ふぁ~~」
ロシア行きの飛行機の中、楯無は大きなあくびをした。
彼女は学園で戦った一夏について、ロシアのIS委員会から報告するようにと呼び出しを受けて一人でいた。
(もう…彼のせいで学園の修繕やら上への報告やら…最悪…)
元凶である一夏に向け悪態をつく。自身のISのリミッターを解除した最大の攻撃を黒騎士から発せられた闇とぶつかり、被害は大きかった。後処理の仕事での疲労もそうだが、これまで暗部の人間として一流のIS操縦士としてあった自信が揺らいでいた。
見たことのない技でテロリストたちを撃破し、妹やその友人たちの心をつかんだ一夏の存在に胸の奥がざわつく。
もし、次に出くわしたら最悪引き金を引くかもしれない。
楯無は落ち着かない様子でずっと飛行機の空を眺めていた。
そして、ロシアのある町にて。
この日、巨大なテントが張られ中ではサーカスが開催されていた。
「レディース&ジェントルメン!! ようこそ!! 夢の国サーカス団へ!! 」
太った団長ピエロが観客たちに向けお辞儀をした。
ISがあり科学技術の発展した現在で今時珍しいサーカス団は注目の的だった。
命綱なしの空中ブランコや綱渡り。
動物たちを使った手品などで観客たちは喜んでいた。
「さぁ~て!! ここで、新しい団員のご紹介させてください!! 先日、飛び入りで入団した、若き期待のホープ!! その名は~~バギー」
団長が指を鳴らすと幕の中からライオンが飛び出した。
観客たちは突然現れた猛獣に驚く。さらに猛獣の上に赤く大きな鼻をしたピエロが観客に向け手を振っていた。
「さぁ!! みなさん!! 盛大な拍手を!! 」
団長と観客の拍手を受け、バギーと呼ばれたピエロの男はライオンから降りる。
「リッチ、お手」
バギーはライオンに向けお手をする。
だが、リッチはバギーの顔面を強く叩いた。
「げふぅ、り、リッチ。おかわりだ…」
再度バギーがおかわりと手を出すが、リッチに顔面を叩かれる。
「こ、このやろう…」
ピエロとライオンのやり取りに観客たちから笑いが飛ぶ。
あのライオン、よくしつけられてるな~ ピエロもすごい演技だ。と声が上がる。
「ようしぃ、リッチ…ちんち…」
バギーの頭にリッチがかぶりついた。
観客も団員達もこれはまずい。と顔を蒼くそめ悲鳴を上げた。
「よぅし、よしよし…」
だが、バギーは何事もなかったかのようにリッチの口をこじ開けて、口から脱出した。
バギーは笑みを浮かべながら「いい子だぁ、いい子だぁ」とリッチをなでる。
その場にいる者達は皆「なんだぁ、演技かぁ~」と安心した次の瞬間。
「いてぇぞ!! この馬鹿ライオン!!」
バギーはブチ切れリッチの頭を叩いた。
「ぎゃうん!!」
バギーに叩かれたリッチは気絶してしまった。
「あぁ、くそぉ!!」
頭をかじられたバギーはため息をついた。
「やっぱ、サーカス団に入ったのは失敗かぁ~~」
ロシアへ潜入するために赤鼻の海賊の名前を使い、偽装した一夏がつぶやいた。