ユクモ村ハンター ジル・ローレンツの場合   作:繊細なゆりの花

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スチュアートとカーライルの思い

この街はコンラートの神経質過ぎる性格には合わなかったのだ。

 彼には別れの日までにやらなければならないことがあった。

 仕事から帰宅すると、診察室や倉庫から薬剤を引っ張り出し様々な症状や傷に効く薬を調合した。

昼は仕事、夜は作業をして三ヶ月はあっという間に過ぎた。

 当日の昼近く、約束の正午の時間に間に合うよう、コンラートは作成した薬を荷車一杯に載せ、彼の助手に別れを告げるとガーグァ2頭を連れ、ハッピーへブンへ向かった。

 ロブの家に入ると・・・と言っても広い家ではない。そこには肉料理を中心とした料理が並べられていた。

 

「これはまた・・・」

 

「おっ先生こんにちは。これはまた良い時間ですな。今、全部焼けた所です。ロブとスチュアートは香草を採りに行っています。もうじき戻りますよ」

 

「丁度良かった。じゃあこの空き時間荷物を降ろすのを手伝ってくれ。いつまでも外に置きっぱなしは、さすがに危ないからな」

 

「?はい。わかりました」

 

外に出ると、カーライルが目にしたものは、荷車に積んであった大、中、小様々な大きさの山済みのズタ袋だった。

「色んな種類の薬を作成した。効能は中に紙が入っている。目を通しておいてくれ。皆で分けるもよし、3人で使うもよし。好きに使ってくれ」

 

「あ・・・ありがとうございます。とにかく全部降ろしましょう」

 

「そうそう後ろの黒い袋は残しておいてくれ。向こうで使うものだ」

 

「わかりました。これは・・・大変な量だ。先生、これ載せるだけでも大変だったんじゃないんですか?」

 

「助手とやったが、さすがに堪えたよ。」

 

「先生は中に入っていてください。すぐに終わらせますから」

 

 そこへタイミングよく2人が帰ってきた。

 

「なんじゃこりゃあ!」

 

 2人がハモる。

 

「説明は後だ。ロブ、裏の小屋の空きあるだろ?そこ使わせてくれ」

 

「あ?ああ、わかった」

男手3人だとさすがに早い。あっという間に作業は終わった。

 

「みんな揃ったし早く食おーぜ。話はそん時でいいだろ」

 

 料理は殆ど肉と酒と香草のみだったがコンラートは嬉しかった。

肉は食べたことが無い味でハーブと絡めて食べると、とても美味しかったし、酒も上級品を用意してくれたのだろう。

鼻に抜ける甘い香りが心地良かった。

スチュアートが自慢げに答える。

ここから遥か西の「ういすきい」という酒だそうだ。

 

「この肉はリノプス(通称ホーミング生肉。硬い頭殻が特徴の小型の草食竜。目が悪い為、動く物に対して何でも突っ込む事からこの名が付いた)と魚の中間のような味で旨いな。この辛味を付けると尚いい」

 

これもスチュアートが自慢げに答える。

 

「ハプルボッカの肉だ。2人で一番大きいやつを砂原で釣ったんだ」

 

 大げさに身振り手振りでその時の様子を再現している。

 

「釣る?砂原で?ハンター職の専門的な事はわからんが、いろんなのがいるんだな」

 

「ああ、こいつは砂の中を水中を泳ぐが如く動き回るんだ」

 コンラートは脳内でサメ程度の大きさの生き物を地上から餌で釣ったのかな?とよぎったがめんどくさいので質問はしなかった。

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