格上殺しの召喚士「おい、デュエルしろよ」   作:ぺんぺん

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プロローグなのだ

「はぁ、はぁ、はぁ、もう、離さないから」

 

「や、やめて────んぅ」

 

 聳え立つ壁、押し付けるは息の上がった女の子。目は血走り、頬を赤く染めた彼女はまるで獣の如く目の前の人物と絡み合う。

 

「────ぷはぁ。はぁはぁ、な、何するよいきなり!」

 

「だって食べちゃいたいくらい可愛いんですもの。って事でもう一回」

 

「にゃ、にゃー」

 

 最初こそ抵抗したものの、目がとろ〜んとなり始めると抵抗することはなくやがては少女と少女が淫乱な音を響かせながら絡み合う。甘い匂いが鼻に広がり、見てる方も恥ずかしくなるような光景はまるで物語の断片を見ているような錯覚に陥ってくる。だが、それは間違いではない。だってこの光景は────ゲームのワンシーンだから。

 

 

「────3枚オープン、零式魔導粉砕機」

 

 いや、ワンシーンと言うよりもボイスドラマの音声と言った方が正しいかな? それを聞く人物は目の前の状況と耳から得る情報に二重の意味で興奮しながらカードをきる。

 

「手札の魔法カードを捨てて相手に500ポイントダメージ。それが3枚あると言う事は?」

 

「500ポイントが3枚。つまり合わせて1500ダメージ」

 

「そう、つまりは1400である君のライフは────0だ!」

 

 

 観客からの興奮を含んだ歓声を背に彼はカードを片付けでその場を後にした。

 

『す、すげぇ……』

 

『カオスMAXデッキがメスガキ粉砕機に負けた……』

 

『信じられるか。ここ、世界対戦の決勝だったんだぜ?』

 

 後に残ったのは崩れ落ちる決勝戦での相手と本来ならここにあるはずのない奇想天外なテーマのデッキで優勝してしまったデュエリストへの賞賛の声であった。しかし、その声は控え室で休んでいる決闘者自身には聞こえてはいない。だって彼は現在進行形で耳に響き続けている卑猥な少女達の絡み合う音を聴き取ろうと必死なのだから。やがては耳に付けたイヤホンを取り、こう一言述べる。

 

「やっぱり百合は良いものだ……」

 

 これは百合豚系決闘者(デュエリスト)こと俺の物語だ。

 

 

※※※

 

「落ち着いてくださいy「百合で頼む」ぁ……貴方は転生し「百合で頼む」……」

 

 百合。それは女の子同士が戯れ、やがては恋愛同士などに発展するかなり近しく、密接な仲に発展している関係を指すほぼ概念と化している言葉だ。え? 説明が間違ってるって? ……ほら、それは個人の持つ解釈の違いって奴で許してくれ。んまぁそんな個人の事情はその辺のモリンフェンと一緒に除外しといて今回、何が良い対価と言うと先に結論を述べるならばそう、俺は百合が大好きだ。多分もうすぐ難病にも効果が見込めると思う。ここまで聞いてどう考えても百合と遊戯王では関係性は見込めないだろうけど大丈夫、俺も関係ないと思うから。

 でも俺の場合はそうじゃない、俺の場合は百合ボイスをBGMに決闘を開始すると何故か勝てるのだ、デュエルに。ある種の電子ドーピングだね、絶対。その効果は絶大でデュエルタクティクスが熟練され、デュエルマッスルが上昇。デステニードローも行えるほどの腕前に。多分後少しでアクセルシンクロも出来ると確信している。だって俺はデュエリストだから! 

 まぁそんな訳で俺は毎日の如く百合ボイスを聞きながらデュエルしているといつの間にかそのジャンルの沼に足を滑らせ、沈み込んでいた。いやぁー、気付いた時にはいろんな百合を堪能してましたわぁ。ゲームから小説、アニメに漫画と本当に色々とね、あははは。そんな訳で俺は夢でもあった世界対戦の決勝と言う舞台で今回も勝ちをつかみ取れた。いやぁー流石に今回は勝てないと思いましたわ。今回使うデッキは俺の原点でもあるヒーローデッキを使おうと思ってたのに何故かデッキケースにあるのは前日に友達とやる時に使ったネタデッキ、メスガキ粉砕機とか言うこの世の終わりみたいなテーマなデッキだ。いやぁー メスガキ粉砕機の言葉の如くデッキのベースは俺の愛用しているウッチクラフトだからギリギリで相性の最悪なカオスMaxデッキ相手にデュエルタクティクスで勝てたけど普通じゃ無理だな。効果発動無効は強すぎんよぉー ってか女神っぽい人が目の前にいて、体の感覚が現在ナッシングな状況を考えるに俺は死んだな? 

 

「あ、はい。どうやら説明はいらなそうですね」

 

 アレだろ。俺ってば健全にイチャイチャしてくれってな具合で百合を愛する同士からもらったボイスドラマを聞きながら駅のホームで帰りの電車をまってる最中に背中刺されてそのまま電車へGO! しちゃったんだろ。

 

「そうです。刺された貴方は振り返ろうとしてバランスを崩し、そのまま電車の迫る線路へ……」

 

 なるほどなぁ……んで誰が刺してきたんですか? 

 

「……あなたの決勝相手です」

 

 あちゃ~ ネタデッキ相手に決勝で負けた事がそこまで悔しかったのか……ある意味悪い事したなぁ。

 

「それでも人を殺そうとするのはどうかと思うけどな」

 

あぁーってか、デッキ触りてぇ。百合をおかずにご飯食べてぇ…… っは! ってか百合がおかずになるのならば主食にも成りえるのでは? 栄養、満足感、尊さ。この三原則が揃っているので成りえるのでわ!

 

「ゆ、百合を。百合を下されぇぇ!!!!」

 

「あ、頭の中と外でクルクル考えが変わり過ぎでしょ貴方。ここまでモータ駆動のようにクルクル変わる人見た事ないですよ……」

 

そりゃ最近じゃ百合を主食としてるデュエリストですから。思考の大幅な切り替え何て余裕です。ってか、突っ込むのが遅くなったがデフォで俺の心読まないでくださいよ。あんまり読んでると禁じられた一滴ぶち込んでサンボルで破壊した後、死者蘇生で蘇らせてリンクモンスターの素材にしますよ。

 

「……滅茶苦茶使われてますね、私」

 

「最近墓地肥やし系のデッキに触ってないんでコレでも甘い方では?」

 

「そ、そうですか……それじゃこれ以上何を言っても無駄だと思うので転生させても?」

 

「最高の百合を頼む」

 

女神っぽいモンスターが何やら呪文を唱えると俺の体……って体は無くて周りをホンワカした光が包み込んでいき俺の意識は途切れて眠った。んで、次目が覚めると――――赤ん坊だったのさ。

 

「んぎゃぁぁ!!!(百合をくれぇぇ!!!)」

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