土曜日
空条承太郎は、湊友希那に呼び出された
「何の用だ?友希那」
「行きたいお店があるの、付き合ってもらっていいかしら?
ちょうど、明日は日曜日だし」
「いいけど、どこに行くんだ?」
「それはね……猫カフェよ」
ということで、承太郎と友希那は、猫カフェに、やってきた。
正直、アウェーな感じがすごい。受付でお金を支払い、
ロッカーに荷物を預けて、ホールに行くと動物独特の匂いと共に
色々な猫たちが思い思いの場所でくつろいでいた。
よく写真で見るような黒のシマシマが入った猫や三毛猫、
流行りのスコティッシュフォールド(だったか?)までいる。
「やれやれだぜ…」
「何惚けた顔してるの、承太郎
早く触りに行くわよ」
感心していると友希那からの喝が入る。
友希那は手に猫じゃらしを持ち、興奮気味に猫に向かって進んでいった。
いや、そんなに瞳をキラキラさせなくても……
「にゃーん~猫じゃらしよ~ほらほら~」
友希那は猫じゃらしを鼠色の猫に向ける。
が、猫はそれを無視して遊具の方に行ってしまう。
「……なんでよ……」
「そんなに気合入れてたら、
あっちが警戒するだろ……」
承太郎は友希那がまとう負のオーラには触れずに近くのソファに座る。
隣にはかなり太った感じの猫が気持ちよさそうに
日向ぼっこをしている。そっと背中を撫でると驚くほど、
もふもふの毛と少し高めの体温で何度も撫でたくなってしまう。
手のひらにデブ猫のぬくもりを感じていると、
今度は白と黒の縞々の子猫が膝の上にのってきた。
こちらがびっくりして動かずにいるとそのまま膝の上で丸くなり、
軽く欠伸をした後に寝始める。
…初対面なのにずいぶんと図々しいな、おい。
「……いいわね、そんなに猫に好かれて」
戻ってきた友希那はさっきから追いかけていた、
猫に逃げられたらしく、いつも気丈な友希那にしては
珍しく落ち込んでいた。
「いや、まあ、そういうこともあるな」
「…うう…」
「やれやれ…ほら、こいつやるから」
承太郎はさっきから片手間に撫でていた猫を抱きかかえ、
友希那に渡す。
その猫は特に抵抗もせず友希那の腕に収まった。
「この子はラガマフィンって言う種類の猫ね。
人に抱かれるのが好きな猫として有名なの」
「そんな猫もいるのか」
友希那の豆知識に感嘆していると突然
膝の上で寝ていた子猫が目を覚まし、「Staff only」と
書かれた扉に走っていった。先ほどはキャットタワーに
いた猫たちも少しずつ同じように扉に集まり、やかましく鳴き始める。
「なんだろうな、あれ」
「多分エサの時間ね」
友希那の予想通り、扉が開き、餌が入ってるであろう皿を
お盆に載せた店員らしき人が出てきた。何匹もの猫が店員に群がり、
なかなかに癒される。友希那に抱かれていた猫も
のっそりと餌を食べに向かった。
「可愛い……」
「友希那、こいつはなんて種類なんだ?」
「シャム猫よ。初対面の人には
警戒心が強いはずなのだけど……」
「本当か?」
友希那が驚くのも仕方ないだろう。
さっきのシャム猫はいつの間にか
承太郎にじゃれ始めている。
勿論、今まで猫カフェには来たことがないので
あったことなどないはずなのだが…
「マタタビの匂いでもするのかしらね」
「やれやれだぜ…」
猫カフェで、戯れる時間は、
もう少し、長く続きそうだ。
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