空条承太郎という男性。
白金燐子にとっては、理想の王子様のような存在だった。
一目見ただけで、忘れられないほど、大きな体をしていて、
目つきも鋭くて、横目になっただけでも、
恐ろしさが勝っていた、彼に、
それこそ、初対面時、恐怖さえ、覚えていました。
申し訳ない気持ちで沢山になった事を覚えています。
湊さんや、氷川さんの前ということもあって、
情けなさと、恥ずかしさで混乱する程でした。
けれど、何度か、お会いしていくうちに、
魅力を感じるようになりました。
今まで、生きてきた中で、友希那さん達に、出会えたことが、
本当に、奇跡のようでした。
今でも、そう思っています。
Roseiaのキーボードとして、奏でてきた、音色も、
皆と見てきた景色も、どれも、大切な思い出です。
でも、今は、この気持ちは、心の片隅には、
どこか違うような、感情を抱いていました。
最初こそ、恐ろしささえ、感じていたけど、
何度か話していくうちに、恐怖はいつの間にか、
恋心へと発展していき、
彼の話す声も、ちょっとした、仕草も、
私は気にかけるのです。
彼の目を見ると、なぜか、海を思い出します。
透き通った、エメラルドグリーンのような瞳を見ると、
私は息が止まってしまうくらい、
緊張してしまうのです。
私は、あこちゃんみたいに、明るく振舞えないし、
はっきりと喋れなかったけど、
そういう風になりたかったけど、
でも、承太郎さんは、元気いっぱいな子よりも、
大人しい感じの子が好きなんでしょう。
それこそ、氷川さんや湊さんのように、
しっかりとした人の方が、承太郎さんが
好きそうだと思いました。
(おい、燐子…)
「あっ、承太郎さん!」
「ずっと、寝ていたぞ?」
「あっ…夢の中でしたか…」
「やれやれだぜ…」
「おい、ロイヤルミルクティー、買ってきたから、
温かいうちに、飲んだらどうだ?」
「あっ、ありがとうございます…」
「…」
「あの…」
「どうした?燐子?」
「その…承太郎さんは、どんな感じの人が好きなんですか?」
「…大人しくて、大和撫子のような…
そんな、女がいい」
「そ、そうですか…」
「急にどうした?」
「ハッ…えっ、えっと!
私、承太郎さんのことが好きで…そ、その…」
「俺も燐子のことが好きだ」
「えっ?」
「好きというよりは、もう、付き合っているじゃねーか」
「…えっと、私、ちゃんと、承太郎さんに相応しい人に、
なるように、頑張りたいです…」
「燐子なら、なれるぜ」
「えっ?」
「俺の理想を体現していているような、女が、
まさか、いるとは、思わなかったぜ…
なんか、悪いことを言ってしまったな…」
「そ、そんなことありません!
とっても、嬉しいです!」
「そうか」
二人の恋は、続いていくのであった…
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