夏の空に君と別れ   作:さちはた

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TVKでのZガンダム終了記念です。
この時間に放送してくれるガンダムが明日(月曜日)への活力になってます…


承前

6月。ニューホンコン。晴れ。

初夏の陽射しを満たす街路を、鋼鉄の足が進む。

巨大なその人影は白、紺と赤。

V字型のアンテナに感情を感じさせるツインアイ。

手にビームライフルと盾を携え、駆動部の機械的な音が足取りを重く感じさせる。

ドダイ改を使わず、バーニアを使わず進むのは、機械すらこの出会いを躊躇うのか…

しかし足取りは進み、ついにモビルスーツは港に立つ少女の前に、歩みを止めた。

 

「来たね、カミーユ」

「フォウ…」

待ち人を労うような少女を前に、声は、ガンダムから少女へと下りる。

「フォウ、こんなことは止めるんだ。君だって分かっているだろう、ティターンズがやっていることくらい」

「…そうね。そう思うわ」

俯くのは、細い姿態に黒いスウェットとリブニットパンツ、群青色のストールを羽織った少女。

「彼らのやっていること、やろうとしていること…それは、許せないことだわ」

「フォウ!」

「でもね、カミーユ」

自分の発言を肯定する少女に、喜色を浮かべる声に被せるように、少女は続けた。

「でも、カミーユ。駄目なの」

宇宙世紀87年3月、ガンダムMk-Ⅱがエゥーゴに奪取されたときから始まったと見なされるグリプス戦役。

その中で、彼と敵対する立場に置かれ、そして死ぬ定めに設定されたキャラクター。

私は、フォウ・ムラサメ。

 

だから。

 

「あなたはガンダムに乗っているわ…そして、私も」

少女は後ずさる。1歩、2歩…ガンダムMk-Ⅱから、カミーユから遠ざかるように。

 

「私も、ガンダムに乗っている。ティターンズのガンダムファイターとして。」

「……………ん? あれ、いや、それが何だって言うんだ!」

そう、それでいいの、あなたは。それで。

それでいい。

 

「だから、私と貴方は戦わなくてはいけないの。いけないのよ」

それが物語だから。

私と、あなたの。

 

だから。

 

 

「いでよっ、ガンダームっ!!」

 

 

少女が高々と声を上げ、右手を振りかざし指を鳴らした!

重々しい駆動音も高らかに、黒々とした巨大な影が海中から起き上がる!

波を逆立て船を揺らし、車を押し流しながら立ち上がる影の手に少女が飛び移ると、手から肩へ、そしてコックピットハッチを開放し、その中に飛び込む。

手から、胸から、ザザザァッと水飛沫を上げながら黒い巨体は膝を立て、V字型アンテナに陽光を弾きながら立ち上がり、黒塗りのガンダムヘッドがツインアイを光らせた!

 

「さあ、戦いましょう、カミーユ…いえ、エゥーゴのガンダムファイター!」

「えっ」

「行くわよっ、ガンダムファイト…レディー…」

「いや、ちょっと待って。戦う必要とか、そもそもガンダムファイターってな」

 

 

「ゴー!」

 

 

 

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