地上最強を手にするもの   作:ぺへ

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1章
1話(誕生)


某国自然公園。そこで、ある1人の男の命が消えようとしていた。その男は喧嘩がめっぽう強く素人でありながらも数多の武術家やプロを打ち破ってきた。ある時はカラテ家と。ある時は拳法家と。ある時はボクサーと。ある時はレスラーと。一頻り堪能した男は異種生物へと目をつけ、百獣の王と呼ばれるライオンに挑むも簡単に負け生きたまま食われている。

 

男「(あぁ…。これで終わりか…。やっぱ強いな…。『あの人』に近づくのはまだまだか…)」

 

男には憧れている者がいた。しかし現実には存在せず、漫画の中にいる人物。それは地上最強の生物と呼ばれる範馬勇次郎である。そして彼は範馬勇次郎の様になりたいと願い闘争を求めたがそれもここまで。

 

男「(もし生まれ変わりなんてのがあるのなら…。俺は、『あの人に』…。範馬勇次郎になりてぇ…。)」

 

そして、男の命はここで尽きた。はずだった。これを見た神は彼をある世界に転生させることにした。その世界には、超常的な生物や神話に出てくる生物が五万といる世界。範馬勇次郎が子供のようにはしゃぐ世界。そんな世界へと転生させた。それは何故か?それは神のみぞ知る事である。

 

男「(暗い…。こいつが死後の世界ってことか…。なんだ…?光…?誰かいる…!敵か!!)」

 

男は歓喜した。死後の世界でも戦えると。確実に強い奴がいると。しかしそれは違う。男はたった今、腹から産み落とされようとしていたからだ。男の目に映ったのはか弱いただの老婆であった。その老婆は驚いたような顔をしているのが目に映る。

 

男「(敵ではない…。それになんだ、この温かさは…?何かが張り付いている…?まさか、俺は産み落とされているのか…!!)」

 

男は感触だけで理解した。この感触は一度経験しているがはるか昔の記憶。それが全て思い出されたのだ。ならば、やる事はたった1つしかない。この女にしくじらせる訳にはいかない。

 

男「(オイ!!女!!)」

老婆「!?」

男「(俺を取り上げろ!!失敗は許さん!!)」

老婆「ひいっ!」

 

老婆は恐怖に脅えながらも必死に男を取り上げた。取り上げなければ死ぬ。そう確信したからだ。そして、男の名は単なる偶然か、彼が最も尊敬し崇める範馬勇次郎と同じだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

範馬勇次郎が生まれたその日、各国の首脳陣、各勢力のトップ達は突然不安を覚えた。それは会談中に。それは休日に。それは職務中に。それは就寝中に。行っていることはそれぞれ違えど、皆不安を覚えることとなった。

 

サーゼクス「な、なんだ…?この胸騒ぎは…?」

クローディア「サーゼクス…?どうかしたの…?」

サーゼクス「すまない、起こしてしまったね…。いや、なんでもないさ…。」

クローディア「そう…。明日は大事な会談よ?早く休みましょう。」

サーゼクス「そうだね…。」

 

魔王サーゼクス・ルシファー。『深紅の魔王』と呼ばれ、最強の悪魔とされる彼であってもその不安は分からなかった。

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