ソーナ「はあ…はあ…」
椿「か、会長…?大丈夫ですか…?」
ソーナは震えていた、
自らオーガの目の前に立った。それなりの覚悟では無かった。自身が殴り殺されるとすら思った。だが、そんな覚悟では足りなかった。圧倒的なまでの威圧感。激怒したような表情。何者をも貫かんとする目。そして、背後で聳える鬼。存在そのものが恐怖で部屋を出て少ししてから、大量の冷や汗、体の震えがソーナを襲いそのまま腰を抜かせた。
ソーナ「すみません、椿…。肩を貸してくれませんか?1人では立てそうもありません…」
椿「は、はい。」
椿は困惑するしかなかった。椿の今まで見ていたソーナは、沈着冷静ながらも年相応な所。しかし、生徒会長という立場柄、そこに仮面をして特別仲のいい者でなければ素顔を見る事は叶わない。そんな彼女を持ってしても、こんなに震え怯えているソーナを見るのは初めてだった。
椿「(会長がこうなるのも無理はない…。自分でも何故こうまで平然と保てているのかが不思議なくらい…)」
椿はソーナをおぶり、ゆっくりと帰路へ着く。あの生物は一介の悪魔がどうこう出来るような生物ではない。近くに座り嫌という程に判らされた。天と地どころでは無い。胎児と宇宙程の差がある。あれなら、誰も勝てはしないと椿とソーナは同じ事を思う。
悪魔側の上役は現在揺れていた。それは、先日の若手悪魔の会合の事である。範馬勇次郎が現れ、ゼファードル・グラシャラボラスを精神的に追い込んだ事である。あの後、彼は自室へ引きこもり家族にでさえも顔を見せなくなったという。上役達は、たかが人間にこれ以上好き勝手にされるのは面白くない為暗殺する事とした。この事が勇次郎に筒抜けだとは知らずに。
この会議の情報はグレイフィアによって、すぐ様セラフォルーに通達された。セラフォルーは話を聞いただけで頭を抱える事となった。
セラフォルー「はあ〜…。もう嫌…。本当に嫌…。魔王なんてやめたい…」
グレイフィア「それで?我が主に被害が及ぶと言うなら徹底的に排除するわよ?」
セラフォルー「もう、職務放棄しちゃおっかな…。なんなら、メンバー総入れ替えでもいっか…」
グレイフィア「では、滅ぼしてもいいと?」
セラフォルー「もう、好きにして…。私、疲れたもの…。」
グレイフィア「しかと聞きました。それでは。」
そうしてグレイフィアは魔法陣で消えていく。セラフォルーはほとんど酒を嗜む事は無いが、今日は別であった。冥界で普通に売っている安いワイン。セラフォルーはどんな高級ワインよりもそれが好きであり、自身へのご褒美として買っていた。そして、その蓋を開け一気に飲み干した。