翌朝、冥界の記事に大きく取り上げられた事件があった。それは、冥界の一部の上役の家系が断絶寸前になっていることだった。それも、ほとんどが遺体となって発見されており、遺体は全て何かに殴打された跡が残っていた。これを見た勇次郎は大きく欠伸をする。あれほどまでに語っていた悪魔こそ最強はどこに行ったのかと。
勇次郎「グレイフィア。どうだった?」
グレイフィア「と、申しますと?」
勇次郎「己の力を存分に使って壊した気分を聞いているのだ。」
グレイフィア「…勇次郎様の言う通り、クセになりそうです。しかし、それは同時に私がまだ弱いという証明の他ありません。更に、精進を続けます。」
勇次郎「なかなか、分かってきたじゃねえか。」
グレイフィア「しかし、実際に魔力を纏わずに出来たことに最初は恐怖を覚えました。」
魔力とはイメージ。いわば、幾らでも形を変えることの出来る力。魔力での遠距離よりも近接戦闘の方が得意だという悪魔も、手足に魔力を纏いその五体を刃物や鈍器の様に扱う。しかし、サイラオーグは魔力を持たないため、己の体をいじめ抜き実際に五体を刃物や鈍器と化した。それはグレイフィアも同じで、勇次郎に付いていくという条件に転移魔法陣以外の魔力を使わないと決め、こちらも己をいじめ抜き五体を刃物として完成させた。
グレイフィア「近頃、リアス・グレモリーとソーナ・シトリーのレーティングゲームがあるようですが如何しますか?」
勇次郎「興味無いな。例え、赤龍帝が多少強くなっていようと奴は必ず負ける。油断でな。」
グレイフィア「それでは、趣味の方に?」
勇次郎「いや。貴様を作り上げてやる。」
グレイフィア「有り難き幸せでございます。」
勇次郎「…食事を用意しろ。」
グレイフィア「承知しました。」
サイラオーグ「はあ…はあ…はあ…はあ…」
クイーシャ「サイラオーグ様…。それ以上のトレーニングは無駄となります。」
サイラオーグ「…そうだな。」
サイラオーグは鞭打を会得しようと奮闘していたがかなり詰まっていた。『脱力』。それは、古今東西の術者が会得しようとするも半端な形で終わった超高等テクニック。ある程度の脱力は出来る。が、体を水のように脱力させるなど並大抵の者では不可能に近く、脱力について調べに調べる程サイラオーグは疑心感を覚えた。本当にこんなものが出来るのかと。しかし、闘技大会は目前。サーゼクスから推薦を受けた以上、その信頼に答えなければならない。サイラオーグは、脱力のトレーニングを手放す他無かった。