グレイフィアは一瞬の静寂の後に目を覚ます。しかし、そこは闘技場などでは無く全く見知らぬ部屋。病院の一室のようだった。
グレイフィア「私は…?た、確か、勇次郎様と戦ってそれから…」
朧気な記憶を少しずつ思い出す。そして5秒と経たない内に全てが思い出された。彼に抱きしめられたこと、彼に認めて貰えたこと、そして、骨を折られたこと。余すこと無く全てを思い出す。
クローディア「グレイ…フィア…?目が覚めたのね!」
グレイフィア「姉様…。勇次郎様は?」
クローディア「っ!あなたは、あんな事をされたと言うのにまだ…!」
グレイフィア「あんな事?ああ、骨を折られた事ですか?別になんとも思っていません。私はあの時、初めてあの方からの愛を頂けたんですから。」
クローディア「グレイフィア…。あなた、おかしいわ…。何故、そんなに幸せそうな顔を出来るのよ…?」
グレイフィア「なんと言われようとも構いません。あなたがサーゼクスを愛しているように、私もあの方を愛しています。例え、裏切られようと殺されようと私の愛は変わりません。」
クローディア「あなたは、変わってしまったのね…。姉だと言うのに私は何も出来ない…」
グレイフィア「姉様。別に私はあなたに何かをして欲しいとは思いません。あなたにはあなたの役割が、私には私の役割があるのですから。」
クローディア「それがオーガに仕えるという事なの…?」
グレイフィア「ええ。貴方ではなく私がサーゼクスに恋をすれば逆になっていたかもしれませんね。それでは、私はあの方の元へ行きますので。」
サーゼクス「やあ、グレイフィア。起きたようだね。」
グレイフィア「サーゼクス。そこをどきなさい。私はあの方の元へ行かなければならないので。」
サーゼクス「…酷い言い方だね。一応、義理とはいえ兄妹だ。」
グレイフィア「なら、お義兄様とでも呼んで差し上げましょうか?」
サーゼクス「私は相当嫌われているようだね…。まあいい。単刀直入に聞こう。我々の元へ来る気はないかい?」
グレイフィア「嫌よ。興味が無いことはしない方なの。」
サーゼクス「君はオーガに殺されかけた。それでも彼に尽くすと?」
グレイフィア「そうよ?何か問題でもあるかしら?」
サーゼクス「…どうやら本気のようだね。なら、私は道を開けよう。」
グレイフィア「そう。それじゃあ、また会いましょう。サーゼクス『お義兄様』。」
グレイフィアは棘のある言い方を隠そうともせず勇次郎の元へと向かう。
サーゼクス「クローディア。大丈夫かい?」
クローディア「ええ…。ごめんなさい、サーゼクス。みっともない所を見せたわね。」
妹の変わりようを見て、クローディアはかなりのショックを受けたと同時に思い知らされる。もう、私達の間に姉妹の絆は無いと。