セラフォルー「(な、なんなの、この子…!ほ、本当に子供なの…!?子供とは思えない程の筋肉…!それに、なんで人間が…?)」
勇次郎「…」
セラフォルー「あ、ま、待って!!君!!」
勇次郎「…なんだ?」
セラフォルー「私の妹を助けてくれてありがとう。お礼に家に招待させて欲しいの。それに、なんで人間であるあなたがここに居るか聞きたいの。」
勇次郎「町を歩いていたらここに来た。それだけだ。」
セラフォルー「なんですって!?まさか、誰かが閉め忘れた…?でも、そんなはずは…」
勇次郎「お前、なんで人間がと言ったな?どういう意味だ?」
セラフォルー「何も知らないの…?」
勇次郎「知らん。だから教えろ。」
セラフォルー「…私達は悪魔で、ここは冥界。分かりやすく言えば地獄よ。すぐにあなたを人間界に戻してあげる。きっとご両親も心配してるから。」
勇次郎「俺に親などいない。捨てられたからな。だから、戻す必要は無い。俺はここに住む。」
セラフォルー「し、正気なの!?この森は危険なの!猛獣なんかじゃ済まないレベルの化け物が沢山いるのよ!?」
勇次郎「なら、尚更だ。俺にとっては楽しい楽しい遊園地に見えるぜ。」
セラフォルーは困惑していた。見た目もそうだが喋り方も大人すぎる。その上、この高圧的なオーラは上級悪魔でもほぼ出せる者はいない。こんな子供、見た事も無ければ聞いた事もない。だからこそ知りたいと思う。この子が何者なのかを。
セラフォルー「…分かったわ。でも、今だけは私について来て。さっきも言った通り、お礼がしたいから。」
勇次郎「…いいだろう。」
セラフォルー「…こっちよ。」
勇次郎はセラフォルーに無言で着いて行った。そして、セラフォルーは妹であるソーナを抱き抱えてまた無言で家に戻る。会話は全くと言っていいほど無かった。そして、セラフォルーは無言で止まる。
セラフォルー「ここが私の家よ。さ、入って。」
勇次郎「なんだ、貴族だったのか。」
セラフォルー「ええ。ちなみに、私は魔王よ。」
勇次郎「ほう…。中々、喰いごたえがありそうだな。」
セラフォルー「私なんて弱い方よ。魔王の中では1番弱いし。」
そうこうしている内に談話室へと着く。セラフォルーが扉を開けると初老の男性とセラフォルーと同い年とも見える女性が座っていた。その目は力強いものがあり生気に満ち溢れていた。
ソーナ父「セラフォルー、ソーナ。戻ったか。」
セラフォルー「はい、お父様。」
ソーナ母「そっちの人間の子は?」
セラフォルー「ソーナちゃんの話によればはぐれ悪魔から守ってくれたと。」
ソーナ「うん!お姉たまが来る前に、倒したの!こうやったり、こうしたり!」
ソーナは子供らしく勇次郎の真似をしながら2人に説明するが、2人は信じられないと言った顔だった。それもそのはず、勇次郎はまだ幼子なのだから。
ソーナ父「そうか。では、実際に見せてもらいたいな。」
勇次郎「好きにしろ。ただし、死人が出ても文句は言うな。」
ソーナの父親の後ろにはスタイルのいい、しかし強い女が立っていた。