ソーナ「え?」
椿「一体何が…?」
木場「ぼ、僕でも見えなかった…!」
皆が絶句している中、一人だけ恐い程の笑みを浮べるものがいた。まるで、予想外と言わんばかりの驚きと新たな強さを手に入れた事への歓喜に。
勇次郎「あーはっはっはっはっは!グレイフィアよ!!お前がまさかその引き出しを持っていたとはな!!」
グレイフィア「本来なら貴方を倒す際に見せたかったものですが…。」
オリバ「なるほど…。0.5秒の無意識か…」
リアス「0.5秒の無意識…?」
オリバ「トール・ノーレットランダーシュ著の『ユーザーイリュージョン』。著書の中で彼はこう述べている。『意識は0.5秒遅れてやってくると』。人が行動する時、脳が動けと命令する0.5秒前に信号を発する。つまり…」
グレイフィア「お喋りが好きなのね。アンチェイン。こんな小細工、子供騙しに過ぎないわ。こんなものを使って勝った所で本当の勝ちとは言えないわ。」
オリバ「ならば、君は何を持って勝ちとする?」
グレイフィアは拳を握り見せる。その手は小さいながらも大小あらゆる古傷が付いておりどれだけの鍛錬をしたか物語っていた。
グレイフィア「殴り合うのよ。正々堂々。小細工無しで。」
イッセー「はあ!?」
匙「な、殴り合うって…!」
リアス「まるで子供の喧嘩…!でも、あのアンチェイン相手に殴り合いって…!?」
ソーナ「原始的…。それでも力比べでは1番分かりやすい方法ですね…」
オリバ「まさか、女性の君からそんな言葉が出てくるとは…。しかし、受けない訳にはいかないな。」
互いに殴れる距離に近づく。一瞬の静寂の後、突然殴り合いが始まる。ただひたすらに殴る。撲る。殴って殴って殴り通す。そして、変化は突如として訪れる事となる。ボディラインの浮き出る服は汗を吸って更にラインを浮かばせる。その刹那、グレイフィアの背中に鬼の顔が現れた。それは正しく勇次郎の背中と同じ鬼だった。それと同時にオリバが押され始める。
オリバ「(ば、馬鹿な…!?わ、私が押されているというのか…!?私の体重の半分も無いガールに…!)」
グレイフィア「〜〜!!」
グレイフィアは声にもならない悲鳴を上げる。痛み、辛み、歓喜。その全てがグレイフィアの中にある。そして遂にオリバを壁側に追い詰める。グレイフィアの端正な顔は既に腫れ上がり美しさは全て失っていた。それでも構うこと無く殴り続ける。取り憑かれたように。そして最後の一撃、グレイフィアの拳はアンチェインの肌では無く壁だった。