58話(異世界へ)
アジュカから連絡を受けて勇次郎達は冥界へと向かう。途中、力に自信がある者が何人か挑んで来たが、全員が肉塊と化していた。
サーゼクス「セラフォルー…」
セラフォルー「やっほー、サーゼクスちゃん☆クローディアちゃんも元気そうね☆」
クローディア「…」
勇次郎「それで?肝心のアジュカはどうした?」
サーゼクス「…彼は急遽仕事が入ったようで来られないそうだ。だが、私は魔法陣を起動すれば行けるようになっている。」
勇次郎「ならばとっととやれ。」
サーゼクス「ああ…」
サーゼクスが魔法陣を展開すると、床に真っ黒な魔法陣が展開され、魔法陣には見たことの無い文字が書かれていた。勇次郎はなんの戸惑いも無く魔法陣の中に立つ。
グレイフィア「勇次郎様、存分にお楽しみください。」
勇次郎「ああ。」
セラフォルー「帰りたくなったら何時でも呼んでいいからね☆」
勇次郎は魔法陣から消え、魔法陣も消滅する。これで、他に行くことも出来なくなった。この仕様は向こうにこちらの存在を気取らせ無いために作ったものである。
グレイフィア「帰るわよ。セラフォルー。」
セラフォルー「は〜い。」
サーゼクス「待ってくれ、セラフォルー!」
セラフォルー「ん?どうかした?サーゼクスちゃん。」
サーゼクス「もう一度、魔王へ戻ってくれないか?」
セラフォルー「え〜。やだよ〜。だって、私は今の方がいいし〜」
サーゼクス「頼む。」
セラフォルー「何度言われても無理だよ、サーゼクスちゃん。だって、今の私には目標があるもの。」
クローディア「目標…?」
セラフォルー「当面の目標は、ミスター・アンチェインを倒すこと。もちろん武器や魔力は使わずにね。その後は、グレイフィアちゃんと勇次郎君を超える。これが私の目標よ。」
サーゼクス「…君もオーガに魅入られたのか…。」
セラフォルー「彼は私を1人の女として見てくれた。なら、私も彼を1人の男として見なきゃ失礼でしょ?まあ、そういう訳で私は戻らない。それじゃあね〜。」
セラフォルーとグレイフィアはそのまま消え去る。サーゼクスとクローディアは互いに言葉を発する事は無かった。
転移の光が止むと、そこは焼け野原だった。そして、少し先には機械と人間ののような者が正しく死力を尽くして戦っている。この光景に勇次郎は歓喜に震える。この退屈がようやく止まる。オーフィスやグレートレッドをも超える力を持つ者達と命を賭けてやり合える。これ程までに嬉しいことは無かった。そして鬼は一直線に走り出した。まるで遊園地に来た子供のように。