イッセー「お、オーガを…!」
朱乃「説き伏せた…!!」
ヴァーリ「なるほど…。しばらく意識がなかったはずだよ…。あんなのをくらったら当然だ。」
アザゼル「ヴァーリ!目が覚めたのか!」
ヴァーリ「今しがたね…。しかし、あれは俺にやったのとは別の技だな…」
イッセー「あ、ああ。なんか、恐竜…?みたいなのも見えた気もするし…」
リアス「…私にも見えたわ。」
木場「僕もです…」
グレイフィアの中には動揺が大きく蠢いていた。膝の下にある愛する者の頚部の確かな感触、自由を奪った腕の感触。身の丈を遥かに超える達成感と等身大の動揺。【2つ、我にあり】。
グレイフィア「…ねえ、勇次郎。流石のあなたでもこの体勢からは言いづらいわよね…。『何をするかと思えば、貴様らしい小細工よ』と。」
勇次郎は動かなかった。グレイフィアの目には勇次郎が諦めている様に映り一気に怒りが増した。
グレイフィア「ふざけないで!!まさかこんなもので終わる気じゃないでしょ!!認めないわよ、そんな事!!反撃してみなさい!!それが私の愛した男よ!!!!」
グレイフィアの怒りに全員が口を紡ぐ。こんな体勢から逆転出来るはずが無い。誰もがそう思ったが、勇次郎は拘束されていない手で丸を作る。その後に突然腕を大きくあげる。
グレイフィア「え?」
アザゼル「な、何を…」
小猫「あ、あんな完全に決まっているのに抜けれる手段が…?」
全員が疑問に思っている中、突如として地面を殴りつける。その腕が結界で強化された地面に埋まっておりそのまま回転してぶち抜きグレイフィアへ大きなダメージを与える。
グレイフィア「うぐぅ…」
勇次郎「まさか、こんなオリジナルを持っていたとはな。手順は虎王ながらも威力は比べ物にならん。あれは間違いなく虎などでは無く恐竜。プテラノドンのごとき跳躍にティラノサウルスのごとき咬合力にトリケラトプスがごとき突進力を想像させる強さ…。さしずめ、虎王ならぬ『恐皇』。貴様からの愛、しかと受けとった。」
グレイフィア「…ごめんなさい、勇次郎…。いかにも私らしい小細工だったわね…」
グレイフィアは立ち上がり、既にボロ切れとなってメイド服を脱ぎ捨てる。メイド服の中には動きやすい戦闘服を着ており、背中には鬼の顔がしっかりと浮き出ていた。勇次郎もこれを見て両腕を上げ、力を入れると上着が破けて背中の哭いた鬼が顕となる。
勇次郎「貴様から受け取ってばかりでは悪い…。俺からもプレゼントしよう。」
そう言った勇次郎の顔はとても優しげだった。グレイフィアでさえも見たことの無いほどのとても優しい顔。そして、グレイフィアだけが気付く。今までの戦いは結婚式だったのだと。そして、これから始まるのはとても熱くとても暖かくいつまでも記憶に残る初夜が始まるのだと。