地上最強を手にするもの   作:ぺへ

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78話(終幕)

グレイフィアからの攻撃を受けている間、勇次郎の心は満足感に満たされていた。神々とやり合った時でもExEで暴れた時にも得られることの無かった充分過ぎる程の満足感。退屈だった18年にこれ程までの彩りをくれたグレイフィア。出会った当初は弱く、子犬にも勝てない姿が今では自身にすら噛み付く狂犬までに成長しそれを充分に堪能出来る。

 

勇次郎「(ああ…。良い…。これが満足感と言う奴か…!いつの間にか立っていた頂上…。目指すべき道が無い何一つ無かった数十年余り…。だからと言って歩かないという訳には行かない。だから、探すために道を歩いてたんだが…。まさか、こんなに近くにあったとはなぁ…。)」

 

イッセーでも、リアスにも、サーゼクスにも、二天龍にでさえ分かることの無い退屈。手こずる事が無い。それ即ち、全てが楽に終わってしまう事を意味する。これは、戦闘中毒であり格闘依存症である勇次郎には耐え難い苦痛は無かった。その苦痛は今消え去った。これ程喜ばしい事は無い。

 

勇次郎「(これが恋人かぁ…。良い…良いもんだ…。人目を気にせずイチャイチャする事がこれ程までに楽しい事とは…)なァ、グレイフィアよ。」

グレイフィア「ふふ…。本当ね、勇次郎。今日は私達の初めてのデートであり結婚式であり初夜…。これ程までの幸せは初めてです。…ですが、森羅万象、諸行無常、始まりがあれば終わりもある。そうでしょう?」

勇次郎「そうだ。互いに全てを出し切った。ならば後は何が残る?」

 

グレイフィアは勇次郎が話しているうちに瞬時に近付きパンチを与えようとするがそれよりも早く勇次郎がグレイフィアの両耳を思いっきり叩き鼓膜を破る。

 

勇次郎「力だ。全てを出し尽くした後に残るのは己に備わった力のみ。聞こえぬまま、聞かぬまま、聞け。この戦い。殴り合いをもって終了とする。」

 

勇次郎はグレイフィアの小さな手を取り拳を作る。ギャラリーは最早言葉も出せずに見守るしかできなかった。無限の龍神であるオーフィスでさえも見惚れるほどに美しい景色だった。

 

グレイフィア「あなたが初めて教えてくれたものがこれだった…。」

勇次郎「ふっ…。案外、覚えているものだな。」

グレイフィア「範馬勇次郎。私の隅々まで愛して喰らって堪能して…。最後の1滴も無駄にしないで…」

勇次郎「良かろう。グレイフィア・ルキフグスよ。俺を喰らえ。飽きるまで喰らえ。飽き果てるまで喰らえ。貴様が満足するまで喰らって喰らって喰らい尽くせ!」

 

その言葉を皮切りに、勇次郎とグレイフィアの殴り合いが始まる。互いに五体が凶器の2人。殴る音も桁違いであり威力も桁違いであった。そして、互いに退く事も防御する事も無いただの力比べ。殴って殴って殴って殴り通す。しかし、それは長くは続かなかった。勇次郎は殴るのを辞めて両手を大きく広げる。全てを受け入れるかのごとく広げた後、グレイフィアを優しく抱きしめる。その行動でグレイフィアは力が抜けてもたれ掛かる。

 

勇次郎「気を失っても尚、俺に挑んでくるとは…。やはり、貴様こそ俺の妻に相応しい人材と言える。グレイフィアよ、貴様こそ地上二番目に強い生物だと認めてやる。」

 

勇次郎はグレイフィアをお姫様抱っこし結界を無理矢理破壊して家へと戻る。とても良い夜を過ごしたと満足しながら。

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