地上最強を手にするもの   作:ぺへ

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80話(お茶会③)

クローディア「…」

グレイフィア「…」

 

2人は今、グレモリー邸の庭園で以前の様にお茶会をしていた。しかし、会話は無く雰囲気は悪くなる一方。それに、グレイフィアの顔や素肌が見えるところには生々しく大量の痣があり、左腕と右足にはギブスを装着していた。

 

クローディア「…前の戦闘。見させてもらったわ。」

グレイフィア「そうですね。実際、近くにいましたから。」

クローディア「グレイフィア…。本当にごめんなさい。」

 

クローディアは立ち上がり頭を下げる。これは流石のグレイフィアも想定外であり困惑した。何に対して誤っているのかも分からない。なので、謝罪を受け入れる事等到底不可能。

 

グレイフィア「クローディア姉様、突然何を…」

クローディア「…私は今のあなたを受け入れられなかった。昔のあなたのままを見ていたの…。ユーグリットと共に私の後を着いてくる可愛い妹としてしか…」

グレイフィア「…」

クローディア「でも前の闘いを見て思い知らされたわ。もうあの頃のあなたはいない。今のあなたを受け入れなければ二度と私達の関係は元に戻らない。…これは私の我儘よ。でも、私はあなたと姉妹として繋がっていたいの…!」

グレイフィア「…お姉様。私も、あの頃のあなたしか見ていなかった…。厳しくも優しく…それでいて強い。そんなあなたが私は大好きだった。…でもサーゼクスと婚姻を結び私の中でのあなたは過去に留まった…。私も同じです。クローディア姉様ごめんなさい。私からもお願いします…。もう一度、私に姉妹を教えてください。」

 

グレイフィアも頭を下げ、互いに頭を下げる時間が続く。どちらが言うでもなく頭を上げ互いの顔を見合わせると笑いが出てきてしまう。誰かの従僕でも無ければ誰かの妻としてでは無い。ただのどこにでもいる普通の姉妹。ようやく2人の関係は元通りとなった。

 

クローディア「はあ…。こんなに笑ったのは久しぶりね。」

グレイフィア「ええ、私もです。」

クローディア「…それにしても淑女でありながらその傷…。ルキフグス家として見過ごせ無いわ。」

グレイフィア「…では、治療してくださいませんか?」

クローディア「もちろんよ。私の部屋へ行きましょう。」

ミリキャス「あ、あの!グ、グレイフィア様!」

 

ミリキャスは走ってきたのか息を切らしていた。そして、グレイフィアに対して怯えているようにも見える。

 

グレイフィア「あなたは…確か、ミリキャスと言ったわね。」

ミリキャス「は、はい!お、覚えて頂き光栄です!そ、その…お聞きしたい事が!力の最頂点がオーガなら、力の最低単位とはなんですか!?」

クローディア「確かに気になるわね…。私にも教えてくれないかしら?」

 

グレイフィアは左腕を不意に上げて力を入れるとギブスが粉々に砕け散る。右足も同様に力を入れ粉々に粉砕となる。

 

クローディア「…凄いわね。もう、怪我は大丈夫なの?」

グレイフィア「ええ。私の体の半分は既に範馬として変異してますから。それで、力の最小単位だったわね?」

ミリキャス「は、はい!お、お願いします!」

グレイフィア「私の中で考える力の最小単位は、『己の意を貫き通す力』よ。」

ミリキャス「己の意…?」

グレイフィア「簡単に言えば、『我儘を押し通す力』よ。これこそが力の最小単位。それと、あなたに1つ教育してあげる。」

ミリキャス「き、教育…!!」

 

ミリキャスの頭の中には前回の戦いが浮かぶ。あの熾烈なまでの地上最強を決める戦い。あれを行うのだと思ったがそうでは無かった。

 

グレイフィア「『耐えるのもまた強さの1つ』。『己に勝つ』。本当に強くなりたいのならば、それら一切の駄菓子の如き何の役にも立たない助言は無視しなさい。」

ミリキャス「っ!で、ですが、己に勝つことは重要なはずです!」

グレイフィア「必要ないわ。そんなものは、勝てなかった弱者の言い訳。そもそも強者は耐える事も己に勝つ必要すらないのよ。そんなものは時間の無駄という他無いわ。」

クローディア「…なら、あなたはどうすると?」

グレイフィア「喰らいます。全てを。強者であろうと弱者であろうと毒であろうと。全てを喰らって喰らって喰らい尽くす。飽きるまで、飽き果てるまで。それこそが彼の教えであり私の心です。」

ミリキャス「あ、ありがとうございました!」

グレイフィア「いいわ。長くなってしまい申し訳ありません。お願い出来ますか?」

クローディア「…ええ。こっちよ。」

 

グレイフィアとクローディアは再び歩き出した。共に支える主の為でも無ければ、愛する者の為でもない。ただの姉妹として。

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