9話(未来)
アフリカ国立公園。数ある生物が生息する中、異色な1頭が迷い込んだ。まるで古代から蘇ったかのような超規格外のデカさを持つアフリカゾウ。そのデカさから、1日に食べる量は21.2t。既に977頭の動物がこのモンスターの犠牲となっていた。しかし、この生物は悪魔によって作られたキメラでもあり、それが逃げ出してしまった。そして、人間界で暴れに暴れ、軍隊をもいとも簡単に蹴散らし、悠然と去ろうとするモンスターの前に真っ黒なコスチュームを纏った者が立ち塞がる。
勇次郎「てめぇが馬鹿でかいアフリカゾウか…。喰いごたえがありそうだぜ。」
アフリカゾウ「ゴオオオォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
男は素手《ベアナックル》のみでアフリカゾウを沈める。殴り、蹴り、折る。誰でも使えるこの動作のみでこの馬鹿でかいアフリカゾウを地獄へと送り、また悠然と消えていった。
闘技大会から12年、勇次郎はあらゆる勢力で闘争を繰り返していた。強者を喰らう為。強き者と戦う為。己を満たすものを探すため。しかし、誰一人として見つかる事が無い事に酷く落胆を覚える日々。いつしか彼は、全勢力から『オーガ』と呼ばれるようになり、目の前に立つ者はほとんど居なくなった。そして、彼はとある豪邸のドアを開けるとメイドの1人が深々と頭を下げる。
グレイフィア「お帰りなさいませ。勇次郎様。」
勇次郎「ああ…」
グレイフィア「お食事はいかが致しましょうか?」
勇次郎「すぐに用意しろ。」
グレイフィア「承知しました。」
彼女はグレイフィア・ルキフグス。サーゼクスの妻であるクローディア・ルキフグスの妹であり、この家『範馬邸』のただ1人のメイドである。彼女は勇次郎の強さに見惚れ着いてきたが、勇次郎自身は彼女に特に反応を示す事は無かった。が、あらゆる強者の情報を仕入れてくることから優秀な者として認めていた。
グレイフィア「恐竜サイズのアフリカゾウはいかがでしたか?」
勇次郎「つまらんな。いくらデカかろうが所詮はゾウだ。楽しめることもない。」
グレイフィア「そうですか…。それでは、日本へ参りますか?なんでも、駒王町でコカビエルが確認されたようです。」
勇次郎「ほう…。それは面白い。喰らってみるととしよう。準備しておけ。」
グレイフィア「承知しました。セラフォルーへは、私から連絡しておきます。」
勇次郎「ああ。」
彼もまた、己の腕っ節のみであらゆる国家、勢力を跪かせた。今の彼はオーフィスをも超えたと言う声もまたあった。