SCP財団の報告書的な物を書いてたら英霊になったんだが??? 作:我等の優雅なりし様を見るや?
転生先がFGOの世界だった件について。
もうSCPオブジェクトを再現するのが楽しすぎて、この世界が私の前世で作られていたサブカルチャー作品の世界である可能性を完璧に意識の外に追いやっていた。
私はあの後、ノリノリで『財団の理念』を洞窟の壁に掘りつけた後に自らに掛けていた【保全】の能力を解き、満足して死んだ筈だったのだ。
まさか私が英霊になって居るとは。しかもルーラーだよルーラー!SCPオブジェクトを再現した功績を鑑みてキャスターにして欲しかった……!
だがよく考えたら、これらのオブジェクトを私が作成した事───つまりは、マッチポンプであった事は私しか知らない。しかも、召喚された後にSCP財団の事がちゃんと後世に伝わって居るか気になったので、私を召喚した人間に一冊本を寄越してもらい読んでみたのだ。
その名も『財団とは何だったのか〜歴史に消えた超高度文明〜(税込1080円』。もう名前からして私の目的が果たされた事は明らかである。
『歴史を紐解き、神話や逸話に触れる時。我々は必ず一つの集団についての記述を目にすることになるだろう。
《財団》。凡ゆる文献で、過去に存在していたと語られるその組織はなんだったのか────』
もうこの書き始めだけで、私は涙が止まらなかった。
ちゃんと伝わっていたのだ。いや、マッチポンプの末の物だからちょっと複雑だが、きちんと私が意図していた通りの財団が伝わっていた。
これを読んでいる時に私が涙ぐんでいたのを見て、私を召喚した人間が
「その気持ち、神秘を探究せんとする一人の人間として深く感銘を受けます。
貴方が率いてきた物、作り上げた物、そして護ろうとした物は、確かにこの現代に残っているということを貴方にお伝えしたかった────」
なんか勘違いしているとは思ったが、訂正するのも面倒だったので適当に頷いておいた。
嗚呼、そうそう。私を召喚した人間の名前は『マリスビリー・アニムスフィア』。確か、FGOに名前だけが語られるカルデアの前所長だ。
彼が私を召喚したのはカルデアが設立され、デミ・サーヴァント計画にて被験体に宿った英霊が協力を拒んだ為に行われた第三次実験の時。
召喚された時の私の混乱は凄まじい物だった。
突然脳内に英霊としての基礎情報が流れ込み、目の前にはこれまた私と同じ様に混乱した様な素振りを見せる銀髪の男。
この世界がFGOの物だという事についての衝撃や、自身が英霊化していた事の衝撃でしばらくマリスビリーが何を言っているのか殆ど聞きながしていた。
それに何が一番驚くかって、私がSCP財団の『管理者』として英霊の座に登録されていたという事だ。
どうせなら何かこう……もうちょっと有名なキャラにして欲しかった!管理者は、私の生前のSCP財団のサイトでもかなりあやふやな設定が多かった。
共通しているのはO5よりも高い権限、SCP財団の始まりに関わりがあるくらいか。しかも、私のスキル欄を見たところ【無辜の怪物:EX】が存在していた。そりゃそうかぁ……英霊は人類の認識に大いに左右される。
で、本来の私を知る人類は1人も居ないわけで……。
で、何やかんやある内に私は何故か地下にぶち込まれた。なんか契約?とかいうのを私が上の空でうんうん言ってる間に交わしてしまっていたらしく、マリスビリーから凄く尊敬が入り混じった顔で見られた。
いや、そんな顔で見られても困るが……え、本当に幽閉されるの?これ。
私管理者ぞ?世界を救った(と思わせている)SCP財団のトップぞ?まぁ、別に創作活動の続き出来るから良いけど……
◆
【当ファイルは人理継続保証機関フィニス・カルデア所長、マリスビリー・アニムスフィアの権限でロックされています。】
【閲覧を開始する場合、貴方に適切なクリアランスが適応されているかを確認の上開始してください】
【未許可のアクセスはカルデア職員規約第2条に基づき、即時解雇及び終了の理由となります】
【待機してください……】
サーヴァント・The administrator(管理者)とマリスビリー・アニムスフィアとの契約
①マリスビリー・アニムスフィアはその身命を賭して、人類を未知の脅威から守護するものとする
②この使命はマリスビリー・アニムスフィアが死亡した時点で、カルデアの長となった者へと引き継がれる
③管理者は上記が達成される事を条件に、カルデアの地下に留まるものとする
④①〜③が遵守されて尚、人類種が絶滅する危険性が著しく高くなった場合、管理者はカルデアの長へと助力する
【一件のメッセージが添付されています】
『やぁ、オルガ。カルデアの所長就任おめでとう。君は私がキミに残した遺言書に従いこのファイルを読んでいる事だろう。
このファイルを見てどう思ったかな?世界の神秘を解き明かす魔術師としての大いなる先立、財団の創始者がこんな辺鄙な雪山の地下に居るとは信じられないかい?私も彼を召喚した事が信じられないくらいだ。
彼は、実に高潔な人物だ。彼が最初に求めた物は、彼の設立した財団がどう語られているかを記した書物だった。
彼は泣いていたよ。恐らく、財団は何らかの理由で崩壊したのだろう。それは間違い無く今後地上で栄えるであろう霊長を守護する為であり、闇の中から此方へと手を伸ばす何かを収容する為だった筈だ。
そして、今もこの世界が続いている事を鑑みるとそれは成功したのだ。我々は彼らの献身の上で生きている。
そして、管理者といえども感情があったのだろう。自らが創設した組織の意味が、その理念が、後世へとしっかりと引き継がれていた事に涙するくらいには。
我々の───否、私が死んでいるという事は、君の目的だ。君が指揮し、君が運用するこの『人理継続保障機関フィニス・カルデア』の目的は人類の未来を保証し、人類の繁栄を途絶させうる脅威を排除する事だ。
このカルデアは確かに財団の管理者たる『管理者』を召喚した。
だが、それは死の安らぎへと旅立った殉教者を引き戻し、更なる責苦を与える様な所業に過ぎない。
そして管理者自身も、己が再び表舞台へと立つ事を望んではいない様だ。
闇の中に立ち、我等を光の中へと送り出した彼に頼ってはならない。我々は光の中に立ち、その光が翳らぬ様に掲げなければならない。このカルデアが灯す文明の光を。
最後にオルガ。私も管理者を真似て、この言葉を送ろう。人類の未来を託される者へ送る言葉としては最適だろうね。
人類は誰かが自らを守り、光の中へと留めてくれていた時代へと戻る事は出来ない。他に我々を守るものはいない、我々自身が立ち上がらなければならないのだ。
最後に:君がもし、この責務を果たす道半ばで力尽きてしまったのならば、このファイルはその時点でのカルデアの長へと転送される。君以外でこのファイルを読むものが誰であれ、この責務を引き継いでくれるものと信じている。
君の父親、マリスビリー・アニムスフィアより』