現代ドイツ帝国に転生、日本で会ったウマ娘といちゃいちゃします 作:私は大砲よ
だから皆、自分好みのSP隊長を想像しようね。
今回出てこないけどね!
目を覚ませばいつも通り、朝食を食べ、楽しくもない仕事に向かい、ただひたすらに自分が生活をするためだけの金を稼ぐため、汗水を垂らす。
そんな日常が、紛れもなく俺の今の人生だった。
だが、そんな日常も社会人になってから僅か8年で終わりを迎えた。
仕事中におっちょこちょいな新人が本棚にぶつかり、その本棚が俺の方に倒れ、そのまま頭を強打。
そんなことで俺は、人生を終えた。
真っ暗な空間。僅か数メートル先もまともに見えはしない。目も暗闇に慣れておらず、全くといって言いほど見えない。
ふと、本棚に強打した頭を触ってみる。何もない。血も出ていなく、まるで外傷のない綺麗な頭。
だが、確かに頭には強打した時の痛みが残っている。
一体、何が起こっている?ここは病院で、自分は治療をされた後とでも言うのだろうか?
だが、治療をしたなら頭に治療時の糸くらいはあるはずだ。それに、こんな真っ暗な空間に患者を放置するわけもないだろう。
そんなことを悶々と考えていた時、ふと、暗闇の奥先に、いくつかの灯を見ることができた。
その灯は一つ一つ色が異なっており、黒、青、紫、赤など、見れば見るほど多くの灯を見ることができた。
その全ては空中にぷかぷかと浮かんでいて、まるで祭りの時に吊るされる提灯、もしくは、小さい頃に絵本で見た、魂、を想像させた。
そして、俺はその中の一つ、赤色の灯に目を奪われた。その赤は全体の灯の中でも一際存在感を放っており、見るもの全てを魅了する、魔の存在であっただろう。
俺は、もっと近くで見ようと思い、その赤の灯に歩を進めた。刹那、脳内に老人と思える人物の声が聞こえた。
「君は、本当にそれを選ぶのかな?」
選ぶ、とはこの灯のことだろうか?
一番目を奪われたのはこの色だ。俺が選ぶとするのならばこれ以外には考えられない。
「はい、私はこの赤を選びます。」
そう言い切る前に、その赤色の灯は私よりも大きな巨体へと膨張し、私のことを吞み込んだ。
「まさか、一番過酷な道を選ぶとは....それもまた人の道、かね。」
老人の声はただぽつりと反響する。
「おぎゃぁ!!おぎゃぁ!!!」
赤子の元気な産声が大きな部屋の中へと広がる。
そんなこんなで、無事、俺が転生したってわけ!
だが、転生先がかなり特殊だった。
まさかの、ドイツ帝国の皇太子だったのだ!!
最初にそれに気付いた時にはかなり焦ったよね....
だって、現代に生まれたとは言えその世界がいわゆるパラレルワールド、その中でも俺の生きた世界では20世紀に滅びた国だからね....
とにかく生まれてから精神的に厳しかったのは、父母の性格と皇帝一族としての作法の教育だった。
1歳の時点で既にバイオリン教育と帝王学の徹底的な家庭教師による教育。
3歳からは更にそこに一般教養、つまるところ人が当たり前に小学校で習うようなことも教育が始まった。
いや、めちゃくちゃスパルタやん。
1歳でバイオリンとか気狂ってるだろ。俺が転生者じゃなかったら終わってるぞ!(憤慨)
そんなこんなで超スパルタ的なドイツ式教育を受け、現在では無事18歳まで生きることができた。
無事、と言っているが実際に何度も死にかけたのだ。
父親、現ドイツ帝国皇帝の命令で小規模な反乱軍の鎮圧に何度も駆り出された。
この国、所謂専制君主制。議会は存在するが大部分は父の息がかかっているため、見た目だけの議会制だ。
更に最近は大規模な軍拡を始め、それに反発する勢力も大きくなってきた。
それを鎮圧するのが俺の役目だったのだ。
最悪すぎる。自分で考えてて思うけど、俺も相当頭おかしいね、これ。
うーん。反乱勢力の鎮圧と銘打って実際の仕事はその場での処刑。
俺自身は手にかけてないけど....心にはくるよな。
先ほども言ったが、俺は18歳まで生きることができた。
そして、気付いてしまった。このままこの国に居たらまずくね?
だって、俺皇太子だから父親が死んだら皇帝になる可能性があるってことでしょ?
皇位継承権は周りに聞いてないから知らんけど、宮殿内の召使の噂を聞くと、俺が選ばれる確率が高いとかどうとか。
うーん。逃亡決定!w
思ったことはすぐに実践するのが一番!そんなことで俺は海外への逃亡計画を立てることにした。
まず逃亡先ではあるが、これは既に決めている。
前世で俺が生活していた、東洋の発展国、日本!ここしかない!
逃亡国は決まった。しかし、重要なことが決まっていない。それは、どうやって逃亡するかである。
何も言わずに逃亡なんて不可能に近い。だって、飛行機のチケットも現状で取れないんだもん。
どうしようかな....困ったな.....
あ!そうやん、最高に言い訳あるわ。
「それで、私に話とは?」
俺は今、実の父親でありドイツ帝国皇帝、ヴィルヘルム・フリードリヒ・ハインツ・フォン・グラースクの御前に居る。
ドイツ皇帝あるある、名前が長い!まあ、みんなからは通称でフリードリヒ3世と呼ばれている。
前世でのフリードリヒ3世は政治的権力が無かったが、ここはやはりパラレルワールド、ばりばりの専制独裁者です。
「皇帝陛下におかれましては大変ご機嫌麗しく。本日は私めの、個人的なお願いではありますが、一つ、願い事を言いにきました。」
「お前が願い事をか?命令だ、率直に述べよ。」
「は!私こと、フリードリヒ・ウィルヘルム・アウグスト・カールは、
ウマ娘のレースにおいて先進的な国家である、かの東洋の国家、日本に赴きたいと存じます。」
最高の言い訳、それはウマ娘だ!
今まで言っていなかったが、この世界にはウマ娘も存在するのだ!
てか、何ならウマ娘がいるからこの世界ではドイツ帝国が存命している。
彼女らの軍事運用ははっきり言ってオーバースペックなのだ。ただでさえ、時速70km、軍人として鍛えられてれば速くて時速75km。そんな彼女らが戦場に軍人として放られたらどうなるのか?結果は分かるだろう。
事実、ウマ娘はドイツでは大昔よりレースによる娯楽ではなく、国家の防衛、攻勢、それらを担う軍事力として扱われてきた。
「日本に赴く?その行動に何の意味がある?我が国でもウマ娘の運用法などは学べるではないか。それに、わざわざ貴様本人が行く理由などあるまい。」
ド正論で返されるが、だがここで引いてはいけない。強気に行くのだ!
「恐れ多くも、父上。現状の我が国でのウマ娘の運用法では、我が帝国が軍事的に大きなデメリットを負う可能性があるのです。我が国では年に数回、革命勢力による大規模な反乱が発生しています。彼らの目的は、誠に不敬ながらも皇位を廃止し、議会制民主主義をつくること。強大な権限をもつ憲法を制定することで、皇帝の権力を弱めること。様々です。しかし、最近の反乱にはウマ娘も多く参加していることは父上はご存知でしょうか?本来、国家の軍事を司る彼女らが反乱側に回ってしまっては、我が帝国を、皇帝陛下である父上を信じる国民をそそのかし、本当の意味で、革命勢力が正義の立場に逆転してしまう可能性があるのです。」
「そんなものは例え多くが集まっても所詮、烏合の衆であろう?その他大多数の軍隊で処刑してしまえば良いではないか。」
「いえ、父上、それではもはやダメなのです。父上は我が帝国軍に絶大なる信頼を置いているようですが、ですが、彼らにも人の心があります。最近では軍上層部にも数名、反乱分子が居るとの噂も流れています。
もはや、ただの恐怖による支配では限界が来ているのです。そこでです、父上。今ならまだ間に合うのです。私が日本へと赴き、ウマ娘たちとの関係改善には何が必要なのか、また、我が国にも競技レースを開催し、彼女らと国民との守る、守られるという壁を少しずつ溶かす方法を探りましょう。無論、直接的に私が赴く理由がないというのはわかります。ですが、皇帝一族の末端とは言え、私には次世代に良き伝統、風習をつなぐ役目があると思います。どうか、お願いです父上。なにとぞ、私の考えに少しでも理解を示してくださったのであれば、どうか、許可を頂けないでしょうか!」
言えることは全て言った。あとは父が何と言うか!......
「よかろう。」
30分にも及ぶ熟考の末、父はそう言った。
これはつまり、私の勝利を意味していた。
「貴様の考えはよく分かった。多少の詰めが甘いところもあるが、だがそれを考慮してもなお結果的には我が国に多くの利益を授けるだろう。私からの勅令だ。息子よ、日本へと赴き、その伝統、歴史を学び、今後の我が帝国のウマ娘の対応法に大きな変化を加えれるような、何か確かな学びを得て参れ。期限は10年。
10年後、確実に我が帝国に利益をもたらせ。それが約束だ。いいな。」
計・画・完・遂!!!!!!
そして数か月後には、数名のボディガードを抱え、俺ことカール2世は日本の空港へと降り立ったのであった。
次話からちゃんとファインモーションもSP隊長も出てくるのでタイトル詐欺とか言わないで!許して!ごめんなさい!