現代ドイツ帝国に転生、日本で会ったウマ娘といちゃいちゃします   作:私は大砲よ

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とりあえず何とかSP隊長を出演させることができました...
ここからどんどん話の展開を広げていく予定です。

*愛が重馬場のタグを追加いたしました。
重くなるのはまだ少し先なんですがね....


帝国皇太子、トレセン学園への就職を完了す

父親との交渉に勝利してから早数か月、俺は無事来日に成功した!

俺の日本での立場は言うなれば親善大使。

ウマ娘の競技レースが発展している日本のレース文化をドイツへと持ち帰り、伝えるため、日本の中でも最も先鋭的なレース機関であるトレセン学園で一時的にトレーナーとしての職務を全うする。

 

そしてドイツ皇太子の来日に伴い、どれほどのボディガードや防衛セキュリティがあるかを父に聞いたところ、どうやらほぼほぼ付けないとのこと。一応少数のボディガード、また最低限の安全確保を日本政府に頼んだらしいが....

どうやら、俺はそもそも他国、世界にはドイツ皇太子として公表しておらず、今回の来日はあくまでもドイツ帝国の未来を担った若きトレーナー見習いがドイツを代表し、日本でその技術を磨く、という認知をされているらしい。つまりは、誰も俺が皇帝の息子であることを知らないのだ。

 

俺としては世間に皇太子としての身分を知られていないのは、自身を邪魔する存在が減ることと同義なため嬉しいことこの上ないが、だとしてもだ、一応次期ドイツ皇帝になるかもしれない男だよ?

世間に全く知られていないってのもなんだかなぁ....悲しいものだ。

 

 

そんなことを考えているうちに車が用意されている場所へと急ぎ向かった。

 

しかし道中、思いもよらない出来事が起きた。

 

「すみません!!私、日本で『月刊トゥインクル』という雑誌会社で記者をしています、乙名史と言います!!!この度、ドイツより親善大使より日本にいらっしゃったカール・バルマー氏でしょうか?ぜひ、インタビューをさせてもらえませんか!?」

 

カール・バルマー、俺が日本使うように言われた偽名、また日本に伝わるドイツからの親善大使の名前。

 

「急いでいますので、申し訳ありませんがインタビューなどは現在受け付けることはできません。」

ボディガードの隊長がそう伝えるも....

 

「ほんの少しでもいいんです!どうか数分でも良いのでお話をさせてもらえませんでしょうか!?」

 

「ですから、こちらは現在急いでおりまして...」

 

「どうかお願いします!!」

 

そんな問答が始まって数分が経過した。

このままでは一生このまま終わらないだろう。

仕方がない....一肌脱いであげますか!

 

「別に良いじゃないか。彼女が言う通り数分で話が終わるなら私は付き合ってもいいと思うが。」

乙名史さんに助け舟を出してあげよう。

 

 

「ですがバルマー様、既にトレセン学園には来日の連絡をしており、今すぐにでも我々は向かわなければならない状態です。」

 

「ならば尚のことよろしい。彼女も、乙名史さんにも我々の乗る車に同乗してもらい、トレセン学園に向かう道中に取材を受ければよいじゃないか。」

 

「おお!!それは本当ですか!?」

乙名史さんは私の発言を聞いて、もしも彼女がウマ娘であったなら尻尾も耳も忙しなく動いていたであろうほど興奮している。

 

「な!!そんなことは許されません!!ただでさえあなた様の護衛は少ないのですよ!つい先ほど会ったばかりの不審者を、我々の乗る車に同乗させるなど....」

 

「隊長。私たちは一体、何のために日本に来たのかね?日本のウマ娘の競技レースを勉強するためではないか。その我々が欲する情報に詳しい人がむしろ我々の方に来てくれたんだ。感謝はすれど、追い返す道理はあるまい。それにもしも私を狙うヒットマンだとしても、君も一緒に同乗するのなら危険などはないだろう?」

 

「......はぁ。分かりました。ですが、インタビューは車内でのみです。我々の車がトレセン学園に到着し次第、乙名史さん、その場でインタビューは即刻終了させていただきます。」

 

「それで充分です!!取材を受けていただきありがとうございます!!」

 

そんなこんなで乙名史さんが同乗しインタビューを受けることが決まった。

しかし、俺ことカール三世はこの時まだ気づいていない。

彼女が、乙名史悦子という存在がどれほど記者魂に溢れ、どれほどトレーナー、ウマ娘から恐れられ、どれほど強烈な人物であるかを。まだ彼女の本気の片鱗すらも見ていなかったのだ....

 

 

 

その後ボディガード数人と俺、そして乙名史さんは車に乗り込みトレセン学園を目指して車は発進した。

それにしてもこの世界に来て初めてのウマ娘出演キャラだ。ヒトだがね。

最初に会うのはウマ娘が良かったと思う自分も居るけど、よくよく見てみると乙名史さんってかなり美人だよなぁ....口を開けなければなんだろうけど。

 

 

「では、早速ですが取材を始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「ええ、構いませんよ。」

 

「それでは...まずは簡単な質問から行かせていただきます。ずばり!バルマーさんにとって、ウマ娘とは!?」

 

「それはまあ随分と、その....抽象的な質問ですね。」

 

「はい!軍事国家ドイツから、わざわざ競技レースを学びに来日するのは、何かウマ娘に対して並々ならぬ思いがあってのことだと思いまして!」

 

「....うーん、明確に断定して言うことは難しいですが、やはり、人々の心を様々なベクトルで奮い立たせる先導者、としての存在感が大きいと思っています。」

 

事実私はそう思っている。この世界の人々は、競技レースにおいて私の前世のように何か金銭を賭けることで盛り上がる訳はなく、ただ純粋にウマ娘の走りを見たくてレースを見ている。また、戦争においてもそうであろう。ウマ娘という端麗な存在が戦場の前線にて活躍している様子は国民への戦意高揚を促し、自然に彼らが彼女らの後ろへと追従することを自ずと望み始める。

 

 

「様々なベクトル...とは?」

 

「ヒトとしての向上心、彼女らを応援したいと思えるピュアな気持ち、などですかね。少なくとも、彼女たちが居なくして我々の生活は成り立たなくなってしまいました。気持ちもそうですが、今の私を守ってくれる存在、ボディガードもウマ娘が主要な人材ですしね。」

 

「なるほど...!つまり、あなたにとってウマ娘とは世界に必要不可欠な存在ということですね!?」

 

「まあ、そう表すこともできるかもしれませんね。」

 

「分かりました....では次の質問です!つい先ほどバルマーさんが仰っていましたが、ボディガードの皆さんは全員ウマ娘ですね。ですが、どうやら日本に居るウマ娘とはかなり...その体格と言いますが....その....威圧感と言いますか....そこに大きく違いを感じます。彼女たちは日本に居る競技ウマ娘と何か違う点はあるのでしょうか?」

 

「そこに気づくとは、乙名史さんは素晴らしい慧眼の持ち主のようです。そうです。彼女たちは一般的に日本に存在するウマ娘とは大きく違います。彼女たちは....そうですね、軍バ、とでも言うべきでしょうか。古来、我がドイツ帝国を作り上げたフリードリヒ1世、彼がどのような手段にて分裂していたドイツを纏め上げたか....ご存知でしょうか?」

 

「鉄血宰相、アレン・ガーモルグが鉄血政策により纏めたことは知っていますが...」

 

「そうです。『血と戦争、それらのみによってドイツは統一が可能である』ドイツでは初のウマ娘宰相、彼女の言葉は今なおドイツ国民に大きな影響を与えています。まあそれは置いておいて、ドイツが統一を成し遂げる前、今の皇帝一族であるグラースク家が領主として統治していたプロシアン王国。そこの出自のウマ娘のルーツが今のドイツに住むドイツ系ウマ娘の祖と呼ばれています。言うなればプロシアン軍バとも言うべきでしょうか。」

 

「プロシアン軍バ...聞いたことはありますが詳しくは知りませんでした!」

 

そこで急にただ見ていたはずのボディガード隊長は私たち二人の会話に割って入って来た。

 

「曰く、『走る様は雷を連想させ、その闘争に勝るものなし。一度激昂すれば、彼女らの通った跡には塵すらも残らない』そう伝承では言い伝えられています。彼女たちの特徴は大きくわけて二つです。一つはその身長。競技レースに出ているウマ娘、ここでは競バとしましょう。彼女たちの平均身長が155~165なのに対して我々プロシアン軍バは平均身長を優に175を超えます。他の国にも多くの軍バが存在しますが、ここまでの恵まれた体格を有するのは我々だけです。」

 

そうなのだ。いかんせん彼女たちは大きい。この世界での俺の身長はおよそ180cmほどで、今話しているボディガード隊長は178cmほど。ほぼほぼ彼女との身長差はない。まあ、流石は軍バだろう。

 

「二つ目の特徴は、音に対する驚異的な耐性です。通常、一般的なウマ娘は大きな音に対する耐性を持ってはいません。例えどんなに訓練を行ったとしても音に対する恐怖を払拭することは不可能です。それは遺伝的に音に対する危険信号を持っているからとされています。ですが我々プロシアン軍バはそれをほぼ完ぺきとも言えるほどに克服しており、音に対しての恐怖心を持っていないのです。だからこそ我々は軍バとして戦場を走り回ることができ、また砲撃音ですらも恐怖の対象とはしていないのです。」

 

改めて聞くとそれってとんでもないチートでは?ウマ娘は種族として人よりも力が強く走行スピードが速いため、現代のように情報伝達手段が高速化する前は彼女たちが情報の連絡網を築いていた。それは例え戦場でも変わらなかった。だが、一般的なウマ娘では耐えられないのだ、耳が。砲撃音に長時間晒されることで徐々に彼女たちの精神は疲弊し、やがては取り返しのつかない精神的疾患を負うことになる。それは戦争期に多くの国が国家問題として取り上げ改善を図っていた。....ドイツ帝国以外は。

だって、うちの国のウマ娘、何もヒトと変わらないんだもん...なんならヒトですら厳しいって言われてる砲撃音を花火の音みたいって前側近のウマ娘が言ってたし...

いやぁ、我ながら恐ろしいね。座学でこれを習ったときは驚かすぎて絶句したよ。

そんなバ鹿みたいな存在が居るとは...原作でもそんな存在は居たんだろうか?

 

「これら二つが我々プロシアン軍バの特徴です。ご理解いただけましたか?」

 

「おー!!!!これはこれは親切に教えていただきありがとうございます!!つまりまとめると、「ドイツ帝国の隆起には裏にはプロシアン軍バが大きく関わっていて、そんなウマ娘を愛する貴方もまた彼女たちのためであれば火の中、水の中であろうと飛び込む勇気がある」こうでしょうか!?」

 

 

 

.......うん?

 

「あの、後半の私の話はどこから?」

 

「バルマーさんの話はよくわかりました!!そして貴方のそのウマ娘に対する愛情もまた.....素晴らしいです!!」

 

「あの...別にそこまで大げさに言うことでは....」

 

彼女の思い過ごしを止めようとしたが、

 

「くぅーーー!!!こうしていられません!!運転手さん!車を止めて下さい!!早く会社に戻って記事を書き上げなければ!!」

 

この人、何も話を聞いてくれないのである。そして彼女の言葉を聞いた運転手は車を脇道へと止め、乙名史さんは感謝の言葉を我々に伝え嵐のように去っていったであった。

 

 

「....これ、父にばれないよな。」

 

「日本の雑誌ですのでドイツまで届くとは思えませんが....はぁ、だからあれほど取材を受けるなと....」

 

いや、後半君ノリノリやったやん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後無事に車はトレセン学園へと到着し、数名のトレセン学園の職員と思われる人たちの歓迎を受けることとなった。

中には見知った顔も数名おり、学園理事長・秋川やよい、その秘書である駿川たづな、理事長代理・樫本理子など。トレーナーを務める人たちは時間の都合(14:00)いなかったが、恐らく東条トレーナーや沖野トレーナーも居るのだろう。

いいねぇ!わくわくが止まらん!まるで初めて銃を渡された時と同じ感覚だ!!

それはわくわくじゃなくてどきどきだろう、って?そんなもん大して変わんねえよ!!

 

 

「私はここトレセン学園の理事長として働いています、秋川やよいと言います。ドイツからの長旅ご苦労様でした。ぜひ今後の話などを含めて理事長室へ。」

 

なんだかやよいちゃんが敬語で真面目に話てるって違和感すごいな...ちょっとむずがゆくなってくるぜ。

 

 

 

 

理事長室へと移動している中、大半の人は自己紹介をしてお役御免ということで残っていたのはやよいちゃんとたづなさんのみとなった。改めて二人に自己紹介をする。

「ご丁寧な対応、痛み入ります。私はドイツより親善大使としての任を負い日本へと来ました、カール・バルマーと申します。この先、分からないことも多くありますのでご迷惑をかけることも度々あると思いますが、どうかその際には親切に対応していただければ幸いです。」

 

「あら!日本語がお上手なんですね。」

驚いた!といった顔でたづなさんがそう言った。やよいちゃんも驚愕!って扇子に出てる。

 

まあ、前世日本人なんで....

 

 

「元々日本の文化には興味がありましたので....少しばかり勉強しました。」

前世が日本人であったなんて言えないので適当にそれっぽいことを言って言い訳をした。

 

「それはさておき、秋川理事長、私はこれから形として貴方の部下になります。どうか敬語を外してはいただけませんか?私としても敬語を外していただいた方が喋りやすいので。」

ここまで違和感が凄かった。私はこれからトレーナーとしてトレセン学園で働く。それはつまり、理事長であるやよいちゃんの下で働くということ。私の立場的に敬語は外しにくいのかもしれない。

だが...だが、どうにかしてこの違和感を払拭したいのだ!

 

 

「敬語を...しかしそれは私の立場的には...」

 

「敬語はまったくもって外していただいて構いません。むしろ敬語を使われてしまうと、私が立場というものを忘れてしまいそうで怖いのです。上の立場の人間には絶対的な服従を。それがドイツ帝国の人間ですから。」

 

「...理解ッ!これからはなるべく敬語を外して喋ることを心掛けるが、人前では周囲に知られている関係上、敬語を外すのは難しいかもしれない!その際はどうかこちらに合わせていただきたい!」

どうやら吹っ切ってくれたようだ。

 

「そちらにつきましては私としても理解していますので、ご安心ください。」

 

 

 

 

その後は学園内においてのセキュリティについての話や、俺がドイツから連れてきたボディガードをどのように配置するかの話をした。

基本として、トレーナーの職務をしている昼間は学園から出ることは中々ないということで学園の防衛設備に任せることとなった。夜間や学園から出る時だけはボディガードを自分で付けるとして話がまとまった。

 

 

 

「完了ッ!今日君と私の二人で取り決める内容についてはこれで終了となる!次は君がサブトレーナーとして働くチームのトレーナーと顔合わせをしてもらう!」

そう、この世界、ゲームとは違いすぐにトレーナーとして働けるわけではないのだ。

最初は見習いとしてベテランのトレーナーの下で下積みを重ねながらひたすらに職務内容を覚えるのだ。

 

「私の上司、ということでしょうか?」

 

「うむ!そのような立場と捉えてもらっていい!たづな!彼女を呼んでくれ!」

 

「分かりました。少々お待ちください。」

そう言い、たづなさんは理事長室にある校内放送機のマイクに電源を付けた。

 

「東条ハナコーチ、東条ハナコーチ。至急、理事長室まで来てください。」

 

....もしかしてだけど、俺が働くのって....

 

 

「秋川理事長、私がこれから働くのは....」

 

「うむ!君がこれから働くのは....」

 

理事長室のドアにノックの音が鳴る。

たづなさんがドアを開け、やや青みがかった黒髪で眼鏡をかけた女性が入って来た。

 

「東条ハナです。遅れてしまい申し訳ありません、理事長。」

 

「彼女が率いる我がトレセン学園が強豪チーム、チームリギルだ!」

 

トレセン学園が誇る、唯一無二が最強であり誰もが認める強豪、チームリギルであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....それでは、彼が例の?」

 

「正解ッ!彼こそがドイツより来日した若き見習いトレーナーで親善大使、カール・バルマー君だ!日本のウマ娘競技レースを研究しドイツでも競技を活発にしたいとの善意と大儀の下で本日より着任した!」

 

いやぁ、そんなに褒められてはいるけど.....

 

 

俺ってただドイツから逃げたかっただけんだよなぁ....

なんとなく騙してるみたいで申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 

「彼の着任期間はまだ正確には決まっていないが、5~6年ほどの期間は確定しているとのこと。そこでだ、東条トレーナー。君にはぜひ彼を最初の1~2年ほどの期間、サブトレーナーの立場としての彼の教育を頼みたい!」

 

「初めまして、東条トレーナー。先ほど秋川理事長が仰った通りですが、私はドイツより親善大使の役を負い来日しましたカール・バルマーと申します。日本の競技レースの素晴らしさを本国に持ち帰りたいと思い、秋川理事長並びに他の関係者様のご厚意によりこちら、トレセン学園で働くこととなりました。東条トレーナーはトレセン学園を代表する素晴らしいトレーナーであると事前情報で教わっております。ぜひそのような素晴らしい方の下で学びを得たいと私も思っております。どうか私に、トレーナーのなんたるかを教えてはくださらないでしょうか?」

 

東条トレーナーの顔がさっきやよいちゃんとたづなさんに自己紹介した時のように驚いた表情となる。明らかな外人、それも西洋顔の男からぺらぺらと流暢な日本語が出てくるのにびっくりなようだ。

なんとなく見てて面白いな、これ。

 

「....理事長、私としてはドイツ語で教育をできる自信がなかったので、本当はこの話を降りようと思っていたんです。ですがここまで日本語が達者である人物なら問題なくこれからの関係も続くでしょう。分かりました。この話、受けさせていただきます。」

 

「多謝ッ!素晴らしい!他国に日本の競技レースの素晴らしさを伝えられる機会は中々ない!東条トレーナー!この話を受けてくれたこと、深く感謝する!」

 

「私としても理事長と考えは同じです。ただ言語の壁が厚かったので...ですがそこの問題がそもそもないなら話は別です。精一杯、教育に当たらせてもらいます。」

 

 

 

 

 

 

話は解決し、早速私はおハナさんとチームリギルのメンバーへの顔合わせのため、ミーティングルームに向かっていた。

 

「自己紹介が遅れてごめんなさいね。私は東条ハナ。今更だから知っているとは思うけど、チームリギルのトレーナーをしているわ。気軽に東条トレーナーと呼んでちょうだい。」

おハナさんは最初から敬語を外してくれたためかなり話しやすい。好感度アップです。

 

「分かりました、東条トレーナー。改めまして、これからよろしくお願いします。」

 

「ええ、こちらこそよろしく。」

 

 

 

その後も軽い雑談で時間を潰し、とうとうミーティングルームに到着した。

 

「先にチームメンバーに伝えることがあるの。申し訳ないけど、少しだけ外で待っていてはもらえなかしら?すぐに終わらせてくるわ。」

軽いうなずきで了承し、おハナさんはミーティングルームの中へ。

 

数分が経過し、再びドアが開けられた。

「こっちの話は終わったわ。中へ入って自己紹介をしてちょうだい。」

 

「わかりました。」

 

さて。待望の日本のウマ娘との対面だ。今までの18年間、会ってきたのはドイツにいるウマ娘。ぶっちゃけると、そこまでウマ娘の世界に自分が居ると実感ができなかった。ゲームやアニメで見たキャラが居なかったからだ。

だが、これからの数年間は違う。多くの前世で見知った、なんなら俺でも育てたことのあるウマ娘と会うことになるだろう。

 

ああ、本当に、わくわくが止まらない。

やっと、やっとだ。

やっと....この世界に生きる意味を見出せる!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に入れば、目に入るのは多くのウマ娘。

そこにはアニメ版ウマ娘にて描かれたチームリギルのメンバーの姿が….

シンボリルドルフ、エアグルーヴ、ナリタブライアンの生徒会メンバーを筆頭に、

寮長であるフジキセキとヒシアマゾン、マルゼンスキー、タイキシャトル、テイエムオペラオー、グラスワンダー....ん?上に挙げたメンバー以外で、アニメでは見なかったメンバーも数人いるな....今考えている暇はない。どうせ後で全員から自己紹介を受けるだろうし、その時にまた考えればいい。

 

あまりの感動、嬉しさのあまりにやけそうになる表情筋を無理やりに抑える。

 

「手短に話すわよ。彼が、ドイツより来日したカール・バルマー君。日本のウマ娘の競技レースを学ぶために来たそうよ。」

そう言い、俺にアイコンタクトを向ける。挨拶をしろ、と。

 

「初めまして皆さん。ドイツから来ましたカール・バルマーです。今、東条トレーナーに言われた通り日本の競技レースを学ぶために日本に来ました。数年の間はサブトレーナーとして皆さんのお手伝いをさせていただくこととなります。何分経験が浅いため至らないところも多いでしょうが、精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。」

挨拶は手短に済ませる。時間が時間だ。恐らく放課後、本格的にトレーニングを始める前のミーティングだろう。時間を取らせては申し訳ない。

 

やはりこの外見で日本語をぺらぺら喋るのは驚かれるようだ。

皆呆気に取られて面白い顔をしている。

ああ~、眼福なり~。

 

俺の自己紹介の後はリギルメンバーからの自己紹介を受けた。

順々と回っていき、アニメ版ウマ娘でリギルメンバーとして描かれたウマ娘の自己紹介が終わった。

とうとうこの世界のオリジナル展開が始まる。

 

「初めまして、バルマーさん。私は高等部所属のエイシンフラッシュです。これからよろしくお願いします。」

本来居ないはずのメンバーその1、エイシンフラッシュだ。

彼女もドイツ出身ということで、どこかで関わりたい存在である。

 

「初めまして、バルマーさん!私はファインモーションです!これからの数年間よろしくお願いします!」

続いてファインモーション。アイルランドの次期女王。ゲームでは彼女をよく育てていたものだ....

ゲームをしていた時には一国の王になるなんてあまりにも非現実的だったから彼女の気持ちは分からなかったが....ファイン、今なら分かるよ....君の気持ちが....

 

「よお、俺はシリウスシンボリ。びしばしこき使ってやるから覚悟しとけよ。」

最後はシリウスシンボリ。なんともまあ喧嘩腰な挨拶だが、彼女らしいと言えば彼女らしいだろう。

あ、ルドルフに頭シバかれてる。

 

「というわけで、彼女たちが私のチーム、リギルのメンバーよ。これだけ人数が居るからかなり大変な仕事になると思うけど、頑張ってちょうだい。」

 

「ええ、望むところです。」

俺ははっきりとした口調で、これからの生活を楽しみに思いながらそう返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わってその日の夜。

「めちゃくちゃ大変だったなぁ...」

学園から与えられたトレーナ寮の中の一室でぽつりと言葉が漏れた。

 

初日であったためおハナさんはかなり仕事量を減らしてくれていただろうが、それでもかなりの激務であったことには変わりない。

メンバー全員分の飲料水の確保と配布。飲料水といっても一人一人、水なのかスポーツドリンクなのかの違いがあったり、スポーツドリンクも濃さがメンバーによって変わっている。

更にはサブトレーナーとしての書類仕事や学園関係者へのあいさつ回りなど、たかが数時間の仕事といえども疲労が凄いのだ。

しかし、肉体的には疲れてても精神的には元気なのはなんだか不思議な感覚だな。

 

そう思いながらベッドに転がっていたところ、部屋のドアからノック音が鳴ってくる。

誰だろうか?おハナさんから何か連絡かな?

 

「はーい、今開けます!」

ドアのカギを開け、ドアを開くとそこには黒スーツにサングラスをかけた高身長なウマ娘が立っていた。

 

 

こんなヒト昼間に会ったっけ...?

急な登場に驚いていたところ、向こうから話しかけてくれた。

 

「夜分に失礼します。私はファインモーション殿下の護衛、つまるところのSPをしている者です。本日より殿下の所属するチームのサブトレーナーとして働く、カール・バルマー様、でよろしいでしょうか?」

 

ファインのSP?

まさか?

 

「....SP隊長?」

 

「おや、私のことをご存知でしたか?」

 

うっかり口に出してしまったが、彼女がファインの護衛、SP集団の長であるSP隊長である。

ゲームでは姿を現さずただ名前のみでの登場であったが、無論、この世界では姿を見ることができる。

スリムな身体に綺麗な黒髪のロングヘア―。サングラスをしているため顔はよく見えないが、それでもかなりの美形であることは容易に想像ができる。

 

 

「ええ、まあその、事前に頂いた書類に書いてありましたので...」

とりあえず適当な嘘で誤魔化しておこう。

 

「それならば話が早くて助かります。私含め、殿下を守るSPはかなりの人数がいます。全員がバルマー様に挨拶をするわけにはいかないため、私が代表として挨拶に来させていただきました。これからどうか、殿下をよろしくお願いいたします。」

 

「ご親切にありがとうございます。私も何分至らないところばかりですが、精一杯ファインモーションさんのサポートをさせていただきます。こちらこそどうぞよろしくお願いします。」

俺は握手のために右手を差し出した。

彼女も右手を出し、互いに握手をする。

驚くほどに柔らかい手だ。しかし所々に鍛えていることを分からせる豆などがついている。

しっかりとしたSPであることは間違いないらしい。

 

「今日は挨拶のために参りましたので、ここらへんで。また機会がありましたら、その時にまたお話をできればと思います。」

 

「ええ、夜にわざわざありがとうございます。では、また。」

 

挨拶を終えると彼女はトレーナー寮の出口へと向かっていった。

かなりの美人さんだったなぁ。

そう思いながらシャワーへと向かい、明日からの激務へと備えるため、普段の生活よりも早く寝るのであった。

 

 

 




結構長くなってしまいました。
見にくいかもしれませんね、これ。


次話はこの世界の世界観やキャラ設定などを上げる予定です。
オリジナル要素もりもりになると思いますが、無理な設定があっても多少目をつぶっていただければと....
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