我、『闘神』とならん   作:犬麻呂の助

7 / 8
読み返してて思ったんですがこの小説のクルガン、謝りすぎでは?
ボブは訝しんだ。


『試験』合か不か

《ロキ・ファミリア会議室前》

 

「クルガン、少し待ってて。」

 

アイズは自身より少し後ろにいるクルガンに振り向く形でそう言った。

 

「うむ。分かった。」

 

クルガンはそれに頷く。

そしてアイズは会議室へと入って行った。

 

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《主人公脳内》

 

やあ!ババンと登場「(クルガン)」です!

へ?なんかテンション高いって?そりゃあんな可愛い子といれば高くもなりますとも!

それはさておき、『剣鬼』ちゃんは試験をしてもらうために団長や幹部に話をしに行きました。

試験と一口に言っても筆記や実技と色々種類があります。

まあ冒険者の試験だから実技だと思いますけどね。

冒険者の実技...つまりは戦闘!『剣鬼』ちゃんは話をしに行くと言っていたからファミリアの幹部もしくは団長が相手になるということだと推理しました!

幹部や団長が相手でどこまでやれるかは分からないけど頑張ろう。

 

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《会議室》

 

「面接をしよう。」

 

部屋の外でクルガンが思考の海に潜っている時、フィンはアイズにそう言った。

 

「....戦闘じゃないの?」

 

テンションは全く違うが、アイズもクルガンと似たようなことを考えていた。

 

「ああ。彼は君と決闘して互角に渡り合った。それも()()()()()()()だ。」

 

そう。クルガンはアイズと闘った時、素の力だけで渡り合ったのだ。レベル4という常人の何倍もある存在と。ちなみに

 

「あ!ほんとだ!」

 

アイズはそのことが完全に頭から抜けていた。

 

「....まあ彼はいきなり君に決闘を申し込んだりと少しファミリアに入れていいか疑念があるんだ。だからこそ面接できちんと彼を見極めたい。」

 

「....なるほど。」

 

アイズは正直な話、イマイチ理解できていなかった。

と、そこへ

 

「それ、ウチも入れてや。」

 

ロキ・ファミリアの主神であるロキが現れた。

 

「...ロキ、仕事は終わったのかい?」

 

「ま、まあぼちぼちや。それより!面接するんやろ?1人でやるよりウチもおった方が意見も質問も言い合えるやん!それに吐かんと思うけど嘘ついてかも分かるで?」

 

ロキはサボりたいのも有ったが、自分の眷族(こども)にいきなり勝負を仕掛けたクルガンという存在を見てみたいという考えがあった。

 

「...まあ、一理ある。よし、いいよ。」

 

フィンはロキの神としての力である嘘を見破る力もクルガンを見極めるのに必要であると判断した。

 

「よぉし!」

 

「....じゃあ、呼んでくるね。」

 

アイズは頭に?を浮かべつつクルガンを呼ぶためにドアから外へと出た。

 

 

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《主人公視点》

 

まだかな...。ていうか相手は何人なんだろ?

 

「クルガン、入っていいよ。」

 

お、『剣鬼』ちゃん。よし、勝ちにいこう。

 

「うむ。」

 

「あ、それと

 

    

       面接

 

               だって。」

 

 

.....えぇ.....。

 

 

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《会議室》

 

「入って来ぃや。」

 

「何故ロキが仕切るんだい?」

 

カッコつけて座るロキに対してフィンは疑問をぶつける。

 

「うわぁ...。噂には聞いとったがデカいし青いし腕多いし....。シヴァみたいな奴やな。」

 

ロキはクルガンの姿を見て別の神を思いだした。

 

「失礼する。.....?」

 

「どうしたんだい?」

 

不思議そうな顔をするクルガンにフィンが質問をでする。

それに対してクルガンは

 

「ギルドでは女神と聞いていたのだが、男神だったのだな。」

 

ストレートに疑問をぶつけた。

 

「ブフゥ!」

 

フィンは予想外の言葉に思わず吹き出してしまった。

 

「ちょ、は、ま、あぁん⁉︎」

 

ロキもまた予想外の言葉に怒っているのだが何から言えばいいのか分からず言葉にならない声を上げた。

 

「ふ、ふふ、いや。ロキは女神で合っているよ.....フフ。」

 

笑いの余韻が残ったままフィンが説明してくれた。少し涙目になっているところを見るにツボったらしい。

 

「フィン!笑いすぎやで!ああもう!早よ面接始めんでそっちも座り!」

 

ロキは赤い顔でフィンに注意しつつクルガンに座るよう指示した。

 

「分かった。あとすまなかった。」

 

クルガンは指示通り座りつつ謝った。

 

「謝んなや!なんか悲しくなるやろ!」

 

逆効果だった。

 

「...よし、気を取り直して面接を始める。試験官は僕『フィン・ディムナ』とロキ・ファミリアの主神『ロキ』だ。」

 

「まあ気楽にいこか〜。」

 

本来主神であるロキの方が真面目にならねばならないはずだが、ロキは先程の羞恥を忘れてニヤニヤしていた。

 

「よろしく頼む。」

 

「うん。では、まず名前と種族だね。」

 

「此方の名はクルガン。苗字は無い。多腕族のクルガンだ。」

 

最初の質問にクルガンが答える。

余談だが、多腕には苗字が無い。単純にそういった文化が無かったのだ。

 

「ふむ。多腕族か。聞いたことのない種族だね。気に障ったらすまないが肌の色も多腕族の特性かい?」

 

「気にはしていない。多腕族の肌は常人とは違った特殊な色をしている。」

 

多腕族は肌の色も特殊なため、こういった質問は躊躇われる場合が多いがフィンはあえてそこを問うた。

 

「次だ。君はアイズと決闘したそうだね。それも拮抗した。神の恩恵(ファルナ)も無しに。それほどの技術をどこで学んだんだい?」

 

冒険者同士の決闘はある話だ。だが恩恵無しと恩恵有り。それも相手はレベル4だ。本来絶対に敵わない。そもそも決闘しようなどという考えが無謀だ。

そこから来るにクルガンは恩恵が無かった古の時代でも通じるほどのトップクラスの戦士だということだ。

 

「故郷の村だ。多腕族は外と関わりを持たない。それ故にモンスターを倒すのも村の戦士だ。

並の戦士でもおそらくレベル2ほどの実力は有る。

此方はその村で戦士長となった者の子だ。さらに(よわい)14の時点でその父に次ぐ実力が有った。今では超えている。」

 

クルガンは事実をそのまま伝えた。

 

「.....ロキ。」

 

フィンは目線だけでロキに言及すること無くクルガンの言葉の真偽を問いかける。

 

「...,びっくりや。嘘や無い。一から十まで全部ホンマやな。初めてやで。自分の力を疑ったんは....。」

 

ロキはフィンに本当であると告げる。

 

「そうか...。いや。強いに越したことは無い。即戦力と成れるなら僕としても大歓迎だ。さて、最後の質問だ。」

 

フィンはロキの言葉に汗をかいて笑みを浮かべた。

もしクルガンが恩恵を得たらどうなるか分からなかったからだ。

そして、最後の問いを言った。

 

「.....君は、どうなりたい。大雑把でいい。ここオラリオで、どうなりたい?」

 

実際のところ、フィンは最後の質問がしたくて面接を行った。

一つ目と二つ目の質問は正直なところ、嘘さえつかなければそれで良かったのだ。

だが最後の質問は別だ。嘘をつかなければ良いという話ではない。

これでクルガンが邪なことを考えていれば問答無用で今回の話は無しにするつもりだった。

だが返ってきた答えは

 

「神の席につきたい。」

 

ロキとフィンは、クルガンが何を言っているのか分からなかった。

クルガンはあろうことか神の目の前で、神になりたいと言ったのだ。

次に口を開いたのはロキだった。

 

「....それはどういう意味や?」

 

「そのままの意味だ。此方はここで大成し、『闘神』と呼ばれたい。」

 

クルガンはこの質問が来た瞬間、内心

『待ってました!』と思った。

元社会人の彼にとって、絶好のアピールポイントだったからだ。

実際アピールポイントなのは間違っていない。

だがクルガンは勘違いしていた。冒険者は全員英雄になることを望んでいると思っていたのだ。

つまり彼の目には、冒険者は全員ベル君と同じような目標を持っていると思っていたのだ。

その中で神になりたいと言えば

『向上心凄い!!採用!!』

という反応を貰えると思っていた。      

だが実際は『は?何言ってんだお前』的な反応だったことにクルガンは内心冷や汗を掻いていた。

 

「...ロキ?(嘘であってくれ‼︎)」

 

フィンは心の中では大慌てだった。

逸材中の逸材がとんだヤバい奴かもしれないのだ。

 

「...うん。嘘やない。(嘘やろコイツ。一ミリも迷ってないやん...。)」

 

ロキも漁っていた。こんな奴は天界の邪神にすらいなかったからだ。

 

「此方は合格か。」

 

クルガンは単刀直入に聞いた。

 

「.....うん。いいよ。合格だ。手続きをするから部屋の外で待っていてくれ。」

 

フィンは合格を告げた後にロキと話すために嘘をついた。

 

「フィン⁉︎」

 

ロキは驚きすぎてキツネみたいな目を開いた。

 

「そうか。感謝する。」

 

クルガンは話を途中まで聞いていたアイズと外に出た。

 

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《フィンとロキ》

 

「フィン。マジで入れるんか?はっきり言ってあのクルガンとかいうの、言ってることヤバいで。」

 

ロキはこの後クルガンを入れたファミリアがどうなってしまうのか気が気で無かった。フィンがOKしたためもう撤回は出来ない。出来たとしても、

『やっぱり不合格てす。』

はあまりにもひどいだろう。

それ故の悩みだった。

 

「ロキ。彼を放って置いて変な神に捕まったりした時のことを考えてみてくれ。彼は絶対に神に弄ばれる。面白がられてね。」

 

「それはそうやけどあのクルガンは神になるのがどういうことか分かってないで?そもそも人間が神になった例なんかほとんど無いで?あっても元々半神半人とかや。」

 

ロキはクルガンが目標にたどり着けることはまず無いと考えている。逸材ではあるがそれでも神になるのは難しいと。

届かないものに手を伸ばして足掻くことほど残酷なことはない。

 

「彼が何故神になりたいのかは分からない。

だが、もしかしたらアイズが強くなりたいのと同じように彼もまた大切な物を奪われたからかもしれない。

根拠としては彼の闘いに対する真摯さだ。

出会ったばかりの強者に決闘を申し込むほど力に飢えているんだ。

生半可な覚悟ではないだろう。僕はそれを応援したい。

ファミリアのみんなにも良い刺激になるだろうしね。」

 

ロキはかなり悩んだ。悲劇を抱え込んでいるなら救ってやりたいが、それが真実であるかも分からないのだ。本人に聞けば早いが真実であった場合はクルガンの心の傷が開いてしまうことになる。

眷族達の刺激になるという点も同意だ。

そして悩んだ末...

 

「分かったわ。クルガンを受け入れよか。」

 

「ありがとうロキ。」

 

こうしてクルガンのロキ・ファミリア加入が正式に決定した。

 

 

──────────────────────────

おまけ

 

 

「クルガンは今何歳なの?」

 

「此方は16だ。」

 

「「「「「え⁉︎」」」」」

 




クルガン君貫禄が凄いけどまだ16なんだよね。
どんだけ老け顔なんだよ。
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