【RTA】呪術な世界を駆け抜けるレタス【Any%Glitch】   作:支部の々

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あなたがかみさまだっていうのなら、どうして私を救ってくれないんですか。




【これで本当に】呪術な世界を模したゲームじゃ救われない6【おしまい】

 

問答

 

 

 

 夏油傑はずっと考えていた。かみさまにあったらなにを言おうと、ずっと考えていた。恨言も呪いも後悔も願いも、考えれば考えるほどしっくりこなくて彼は言葉ばかり吟味していた。

 

 彼はかみさまはどんな姿をしているだろうと考えたことがある。彼にとっての救いの形が幼い子供の姿から、ガラスの目玉の痩せぎすの生徒の姿になっても、ずっと考えていた。そしてそれが無意味だと、ある日突然気づいた。

 彼は救いがそのまま神の形をしているとは考えなかったし、そもそも自分の親友の方がずっと神様みたいだと思っていたから、姿と信仰が噛み合わないことを知っていたのだ。だって彼の親友は造形に対して酷く捻じ曲がった性根をしていた。

 

 それに彼は彼の体を自在に操る指先を見た。言葉を聞いた。軽薄な言葉だった。人の生き死にすらゲームみたいに扱う、ある種の超越者だと思った。

 それは奇しくも夏油傑自身が非術師を哀れんで救ってあげようね、と言うことに似ていたし、彼が非術師を見下して別種の生き物として扱うことと、とてもよく似ていた。

 

 だから夏油傑は"かみさま"が嫌いだ。

 

 それは同族嫌悪に似ていて、確かに違った。

 それは彼が自分を下に扱われるのをよしとしない精神によるものだった。

 それはあまりにも凡百な人間に見えたから。

 

 そして、彼はそんな神に縋る同じ顔をした双子のようなソイツらを、心底哀れんでいた。

 きっと、自分ならもっとちゃんと彼/彼女らを正しく人として見て、扱ってやっただろう。きっと親友ならもっと上手に救ってやっただろう。

 それなのにいつだって彼/彼女が選ぶのは顔も知らない誰かだ。

 

 

 どうして自分が欲しいものはいつだって誰かに攫われて、自分ではない誰かに救われるのだろう。考えたところで答えは出ないけれど、夏油はそれを考えることをやめられない。

 

 言おうとしていた言葉すら攫われたら、どうすればいい。

 

「……私はね、あなたに会えたら聞きたいことがたくさんあったんだ。曜のこと、あの子のこと、世界のこと、あなたのこと、悟のこと、私のこと」

「答えられることはそう多くないですよ。レタスだって知らないことばっかりですもん。知ってますか、私ね、今日呪術師になったんですって。今だって実感があるわけじゃないけど。でね、私、自分がなにしてたか知らなかったんです。それでもいいなら話しますけど」

「いや、いい」

 

 聞いたところで意味なんてないと思ってしまったから。

 夏油は目の前に立つ二人を見た。見覚えがないようでどこかで見たような特徴のない顔は平均的に整っている。三秒後には忘れていそうな顔だと思った。

 

「ね、夏油傑。どうしてこっちに来たんですか」

「君に会いに来たんだ」

「熱烈ですね。で、レタスと会えたわけですけど、どうしますか。お帰りください夏油さんってやっていいですか」

「君にできるのかい」

「曜ちゃんがやります」

「ひどい他力本願を見た」

「やあね、こんな現代が生んだ貧弱社畜モンスターになにをお望みで?肉体派教祖に勝てると思いますか?血を見ることになりますよ」

「へえ?」

「具体的にはあなたが真っ赤になります、返り血でね」

「ここまでお約束に忠実だといっそ毒気が抜かれるね」

「そりゃよかった」

 

 軽薄な言動に中身はない。言葉のキャッチボールといえば聞こえはいいけれど、その実相手を理解するためのものでも意図を伝えるためのものでもないそれにどれだけ価値があるだろう。こんなのただの時間稼ぎだ。

 

 少し離れたところでは、もともとこの世界に根付いていた方の夏油傑が暴れているのだろう。どおん、どおん、と音が聞こえる。正直、夏油傑自身そういうふうに、今はなにも考えないで暴力を振るっていたいなと思った。なのにどうして彼はこんなところで本来歯牙にも掛けないような貧相な男、……男?と向き合って意味のない会話をしているのだろう。彼は疑問を抱いた。

 見れば目の前の、便宜上男と呼ぶ、男はその半歩後ろに侍るこれまた平均的に整った顔の骨のような痩せぎすの見慣れたアイツが飛び出そうとするのを押さえているようだった。

 その男はおそらく夏油が探していた"かみさま"だろうと理解していた。平均的に均した顔は性別さえも曖昧にした。身長も、痩せ方も、おおよそ彼、あるいは彼女を特定する材料にはなり得ない。いっそ偏執的なまでに特徴のない男だった。彼はきっと誰にでもなれるのだろうと直感的に、夏油は理解する。誰にでもなれて誰にもなり得ないこの遍在に似たあり方こそ、ソレを神足らしめるものではなかろうかと夏油は推測した。

 

「ねえ、かみさま」

「レタスでいいよ、夏油傑」

「じゃあレタスって呼ぶね」

「神様なんて、ガラじゃないんです。私はただのプレイヤーだから」

 

 聞きたいことはいくらでもあった。きっと一晩語り倒したって終わらない。

 

 夏油は都合よく救ってくれる神様なんていないと思っていたし、いたところで縋るつもりもなかった。けれど目の前の神様に程近いソレが干渉しなかった世界に今立って、見て、触れれば、自分の生きてきた世界がどれだけ異常なものかくらい、気づく。あの世界は確かに小さな箱庭だったけれど、それでも幸福な世界だった。気まぐれに救われた命がいくつあっただろう。それは確かに神の所業だった。そして彼は確かにあのちっぽけな箱庭で、生きていた。

 だから彼は、夏油傑自身が少し遠くで暴れている夏油傑の模造品だったとしても、それでも彼は確かに思考して、感慨を懐いて、苦しんで、生きてきたのだと思い出すのだ。

 

「レタスにとって、私はどんな人間だった」

「史上最悪のバグキャラ」

「ひどい言われようだ」

「あのねぇ、こっちはたくさん支度してチャート書いて試走して、とにかく手間と時間とかけてやってきたんです。どうせ趣味の範囲ですけど。でもそれを一回きりの本番で、そう本番ですよ、本番!いきなりぶち壊されたんですからね」

「ごめんレタス、それぶち壊したの曜ちゃんたちなんだよね」

「うん、だからあとで全部終わったら曜ちゃんもしばくから。……と思ったら今度は現実に侵食ですよ。わかります?レタスね、多分もう普通に会社員できないんですよ。明日からどうやって生きてけばいいんですか。人間お金がないと生きていけないってのに」

「待って、そこなの?もっとこう、ないの?命の危機とか」

「そっちの暴力関係のことは曜ちゃんがなんとかします。ね、曜ちゃん」

「任せて!」

「ほら」

「ほらじゃない」

 

 ああ、そういえば呪術師になるやつなんてどっかイカれてるって親友が言ってたっけ。夏油は思い出した。なるほど確かに適性はあるだろう。十二分に、イカれてやがる。これは間違いなく、なるべくして呪術師になるだろう。今朝呪霊に気づいて、今呪術の抗争に巻き込まれてる人間の思考じゃない。もちろん、夏油とてこれが現実逃避の一種だと言われれば頷くほかないけれど。でも普通なら逃げ出して然るべきだ。少なくとも夏油を追いかけてくるべきじゃない。

 

「……まあね、キャラとしては好きでしたよ。若いなあ、可哀想だなあって思ってました。使い勝手も案外いいし」

「もしかして私憐れまれてる?」

「こういうやつから社会じゃ使い潰されていらなくなったら殺されるんだろうなあって思ったら本当に……」

「まってレタス、夏油傑のことそんなふうに思ってたのかね?そんなふうに思いながらセリフスキップしてたとか、まじ??」

「走者そういうとこあるから……」

「情緒どうなってんだ」

 

 話せば話すほど、そいつはただの人間で、ただしちょっと、それなりに、いや結構頭がイカれてんな、と夏油は思った。でも普通の人間に見えてた。

 

 見えて、しまった。

 

 夏油は自らの失敗を悟った。ああ、これは、ただの人間じゃないか。いっそ親友より人間らしくて、後輩より不真面目で、無駄に度胸があって、同級生よりイカれてる。

 夏油はついぞ非術師を表立って猿と見下すことはなかったし、彼らに呪いを制御する力がないことを憐れみ、疎むことこそすれ殺してしまうことはしなかった。嫌いなことは確かだったし、それがうっかり表に出てしまうことはあったかもしれないけれど。そして彼は同様に呪力があるからといって無条件に呪術師を尊び愛することもしなかった。ただヒトという生物の括りで見た上で、その精神性をもって人間か否か判別していた。そういえば、目の前の"曜"を名乗る奴は夏油のことならなんだってわかるって言ったくせにそのことにはついぞ気づかなかったのではなかろうか。

 それはともかく、その人間の括りに、目の前の男は入ってしまったから。ならば夏油はそいつを殺せない。神と呼ぶこともできない。友人にはなれずとも、隣人くらいにはなれるのではないかと、思ってしまったなら。

 

 たとえそいつが夏油のことを人間として見ていなくとも。

 

「……ままならないなあ」

「そりゃそうだよ。人生なんてね、自分の思い通りになることの方が少ないんです。レタスだって二十うん年生きてきて思い通りになったことの方が少ないんですから。ゲームですら!ぶち壊されて!」

「あーなるほど、可哀想に」

 

「そっちは終わった?」

 

 夏油にとって聞きなれた声。硬質な、まるで敵対している人間に向けるような、けれど軽薄な声。今まで一度たりとも自分に向けられたことのないその冷たさは、間違いなく今自分に向けられているのだと夏油は気づいた。

 それは、図らずも夏油がこの世界にとっての異物であることを彼自身に、この上なく確かに突きつけた。だって、そう言ったのは彼の親友と同じ顔をした男だったので。

 

「んー、もしかしてそっちは終わっちゃったんですか、五条悟」

「トーゼン。僕がしくじるとでも?親友だって、だからこそ手は抜かないさ」

「……ノーコメントで」

「薄情だって言いたいの?優しい方だと思うんだけど」

「ノーコメントで。……えー、ちょっと曜ちゃんと作戦会議していいですか?」

「三分」

「ジブリかよ」

 

 聞かないでよね!夏油はそう言ってちょっと離れてしゃがみ込む二人を見送った。

 見送りながら、心のうちがしんと冷えるのを感じていた。

 

 そうだよな。他人だもんな。

 明確に言語化された理解だけがそこにあった。生徒に拒絶されても、まあこの世界じゃ初対面だし、で片付いた不安がここにきて大きく膨らむ。だって、親友だったのだ。一年や二年じゃない。十年を超えるんだ。それが、どうにも胸を打って苦しい。

 きっと、この世界には彼のことを知っている人間なんて、二人しかいないのだろう。それがどうにも苦しい。そいつら以外の人間が彼をどう扱うかだって、賢い彼は概ねもうわかっていた。

 

 ここは全くもって、彼の生きる世界じゃないのだ。

 

「……クソったれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は君の神様じゃないから君を救ってあげることはできないけど、君の神様じゃないから、

 

 

 

 

 

 

 

 

裁定

 

 

 

「ほらほら、もっと速度出してよ夏油傑!このままだと死んじゃう、死んじゃうよ!私がな!!」

「お前かよ!」

「わかりきったことじゃん!お前らみたいに人間卒業してないんだよ、私はね!」

「あ、ごめん、かみさま。かみさまとうに人間卒業してるから。具体的には鏡に吸われたとき」

「事後報告やめよーよ!」

「ていうか、ねえ、どこまで行くの、帳に突っ込みそうなんだけど」

「大丈夫、ね!曜ちゃん!」

「任せて!レタスが望むんならこの辺一帯更地にしたげる」

「普通にやめろ!」

「ねえ曜ちゃんこの後ろから飛んできてんのって『蒼』?」

「レタスだいせーかーい!花丸あげちゃう」

「ウケる、殺意マシマシじゃん。死にそ〜〜〜!!!」

「なんでそんな呑気にしてるんだ!?」

 

 私は考えた。

 普通に考えた。

 この世界由来のオリジン夏油傑は死んだ。だからといって平和になったわけじゃないことくらいレタスは知ってる。どうせ一年もしないうちに虎杖悠仁は指型の乾物を飲み込むだろうし、ミンチにも灰にもなり損ねた夏油傑は乗っ取られて、五条悟は新宿だか渋谷でやらかすんだ。馬鹿め。だから死体は燃やせって言ったのに(言ってない)

 で、人手が欲しいって言ってどうせレタスも曜ちゃんも利用されるんでしょ。レタス知ってる。ついでにこの、自称人を殺してない夏油傑(もどき)は利用されるか、それとも考えるのめんどーだし殺しとくかーってなって体のストックにされても困る。

 

 だから私は逃げることにした。

 

 壇公の三十六策、走ぐるは是れ上計なりって昔の偉い人も言ってた。賢い葉野菜は知ってる。

 まだ私は何も知らない。誰が正しくて何が間違いで誰が言うことを信じて何をすべきか、その指標なんてない。そんな状態でやれ腐った蜜柑がどうだの、やれ五条の坊がやらかしただの聞いて私がまともに判断なぞできるものか。人間なんて都合のいい方に流れる生き物なんだから、そりゃ自分によくしてくれる派閥に靡いちゃうだろう。簡単に想像できる。

 だからといって私は優しい顔した誰かに尻尾振って、飼い殺されて、利用されて、挙句切り捨てられて「あーあ」で済ませてやれる度量なんてない。でもうまくそういうのをくぐり抜けるための暗黙の了解なんてレタスは知らない。で、そういう諸々を蔑ろにして集団にすり潰された、あるいはすり潰されそうになった男がレタスの隣にいるわけでして。

 

 プライドこそ高そうだけど、それに見合う程度には賢くて有能なこの男(夏油傑)ができなかったことがレタスにできると思う?

 

 レタスは思わない。

 じゃあ、今からオベンキョする?でもそんなこと、誰が教えてくれんの。そもそも本誌読んでた頃から思ってたんだけど、この界隈って一般家庭出身の術師ってだけで結構詰んでる。そんな詰んでる一般家庭出身の?後ろ盾のない?しかもモグリな術師が?それなりに有能な術式を携えて?さらに最高に状況が悪い時期に?やってきて???これ絶対ロクなことになんないって。

 

 これ普通に逃げる一択だろう。誰だってそうする。

 ついてきてくれる?と言ったら曜ちゃんは当然!とばかりの笑顔で頷いて逃避行(ランデブー)だね!なんて言った。知ってた。

 

 都合のいいことに今の私には有能にしていく宛のない、しかも世界から弾かれたような疎外感を覚える男がいる。ついでにこの男、逃走手段(あし)をもってる。これは有能。

 

「待って結構マジで狙ってきてない?ていうか飛べるのあの人。もう人じゃないじゃん。戦闘機じゃん」

「だから最強って言われてるんだよ」

「なに、飛べたら最強なの??なら夏油傑も最強じゃん」

「呪力引っ張りすぎたかなー……かみさまバグっちゃった」

「ということで曜ちゃん、見返してやんぞ!!!『赫』撃ち込んでやれ!」

「は?」

「もー、仕方ないなあレタスくんは」

「は???」

 

 そういえば何周目か忘れたけど呪詛師堕ちルートで五条悟と無下限対決したこともあったなあ。そんなに前のことじゃないはずなのにどうしてかずっと昔のことのように思えてしまう。本当に、ずっと遠くまで来ちゃったなあ。

 

「だから、ほら、夏油傑も!」

「なんだって!?」

「なんか言いたいことがあるなら言っちゃえ!どうせ私たち全員、誰もこの世界じゃあ救われないんだからさ!」

 

 だから、もっと遠くまで行こう。

 正直、逃げ切れるとは思ってない。そんなこと、私も、曜ちゃんも、夏油傑もわかってる。こんなのただの時間稼ぎだ。でもきっとこれが実を結ぶ。鏡の中に引き篭もるにしても、鏡の観測を続けるにしても、誰かに擦り寄るにしても、敵対するにしても、私たちは選びうる選択肢の価値を知らねばならない。知った上で、選ばないと死んでも死に切れないでしょ。あわよくばそれなりに逃げて、相手の手を煩わせて、手を煩わせるほどの能力を取引材料にできればいいなって思ってないわけでもない。

 

 本誌でもゲームでも漫画でもアニメでも、後悔のない死なんてないみたいに散々言ってたけど、それって別に後悔したいって意味じゃないし。私だって後悔は極力したくないし、そもそもまだ死にたくない。

 でもそれって普通のことじゃないか。どうして普通のことが望めない?そんなのごめんだ。

 生憎、私にはすごいセコムがついてるし、私だってそれに応えるべく守らなきゃならないものがあるわけなので。

 

「ちなみに私が言いたいことはそんなにすごいことじゃないんです」

「なになに」

「曜ちゃんの名前なんだけどさ、ずっとようちゃんようちゃん言ってたけど実はようちゃんじゃないんだよね」

「まって、それ今いる?」

「日星隱曜、山岳濳形」

「……なんて?」

「日星曜を隠し、山岳の形を濳め……って知らない?封語なんだけど」

「その妙な教養はどこから」

「つまり、(ヨウ)ちゃんはね、(ヒカリ)ちゃんって呼ぶのが正解なんだ!」

「きゃっ!照れちゃう!!!」

「まって、そんなことが今言っておきたいことなのか!?もしかしたら遺言になるかもしれないのに?」

「だってレタス、死ぬ気ないから遺言なんてないんだよね。ね、曜ちゃん」

「トーゼン!僕だってアンタのそばにいられンなら遺すことなんてひとつもないんだから!」

「……ああ、なんていうか、君たちって本当に……」

 

 ため息。諦めたような顔。というには清々しくて、ああなるほど吹っ切れたような顔だ。悪くない。この顔なら使い潰すことに抵抗感はあんまりない。

 それに何より、この世界に生まれてしまった寄る方のないこの子が可哀想で、可愛くて、曜ちゃんの親戚みたいだと思ってしまった瞬間からこうやって気にかけることは決まっていたんだろう。この子が鏡に帰るにしても、この世界に残るにしても、禍根は残さないようにしてあげたいじゃない?親心っていうの。もうキャラクターにもNPCにも戻れそうもないし。行く宛のない感じ、私と重なるとこ、あるじゃん。

 

 夏油傑が思わず、と言ったふうに笑みをこぼす。教祖じみたものでも教師じみたものでもない。なるほど、漫画でもゲームでもついぞ見ることのなかった大人バージョンの無邪気な笑みだ。レア。

 曜ちゃんと目を合わせた。うん。

 

「本当に、君たちがそんなんじゃ世界も救われないなぁ!」

 

 本当に、ぐだぐだな終わりかただよ。走者引退待ったなし。

 でも、後悔を残すほど悪くはない。

 

 






 君の神様じゃないから、一緒にいてあげるくらいはしてあげる。
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