リキッド・オセロット 彼の地にて、斯く戦えり ーGUNS OF THE FREEDOMー   作:COTOKITI JP

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思い付いて何となく書きたくなったほぼほぼ一発ネタです。
伊丹に「リキッドオオオオオオオ!!」させたかっただけです。


Revived Sun

夕日が、俺達を照らす。

 

戦艦アウターヘイヴンの艦橋の上に横たわる俺の傍らでは年老いた兄弟(ソリッド・スネーク)がこちらを見下ろしていた。

 

決闘を終え、敗者となった俺は勝者であるスネークに最期の言葉を送った。

 

「いい…………センスだ」

 

懐かしい言葉だった。

この言葉を放った時、ネイキッド・スネーク……ビッグ・ボスと初めて出会った時の光景が頭の中によぎった。

 

あの時、ボスが俺にアドバイスをくれなかったらあの銃(シングルアクションアーミー)を握る事も「シャラシャーシカ」や「リボルバー・オセロット」なんて異名で呼ばれる事も無かったのかも知れない。

 

最後の最後に漸くリキッド(リキッド・スネーク)の殻を捨てる事が出来た俺はオセロットとしてスネークに別れを告げる。

 

既にスネークの体内にある殺人ウィルス、FOXDIEが俺の体を蝕んでいた。

ほんの僅かな時間の苦痛の果てに、意識が遠のいていく。

 

──これで、俺達は解放される。

 

愛国者達をこの世から抹消した事で「ガンズ・オブ・ザ・パトリオット計画」を完遂しボスの意志(SENSE)であった何者にも力を管理されない世界、「アウターヘヴン」を実現させた俺に最早悔いなど残されていなかった。

 

全てはボスの為。

 

後は、俺の命と、文化的遺伝子(ミーム)が滅ぶだけだ。

 

 

 

 

意識を手放したリキッド……否、オセロットはソリッド・スネークに見守られながらFOXDIEによって静かに息を引き取った。

 

だが、一つ信じられない誤算が起きた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その誤算に気付いたのは暫くしてオセロットが微睡から目を覚ましてからの事だった。

FOXDIEによって死んだ筈のオセロットは困惑しながらも立ち上がり、周りの景色を注視する。

何処かの住宅街の路地裏に自分は倒れていたようだ。

 

「ここは…死後の世界か?」

 

自分の服装を見るとアウターヘイヴンでの決戦以前に着ていたカーキ色のスーツに黒色の外套とグローブとサングラス、そして外套の中には生前まで彼が使っていたシングルショット式ターゲットピストル、タンフォリオ・ラプターが収められていた。

結局これの引き金を引いたのは東欧での戦いの時の一回きりだったが。

 

自身が死んだと自覚している割には、不思議とオセロットは落ち着いて状況の分析が出来た。

ここが何処か分からない以上、先ずはそれを確かめる必要があるだろうと彼は歩き出す。

 

「ここが天国か地獄か、若しくはそれ以外(アウターヘヴン)か……見てやろう」

 

石造りの壁に挟まれた窮屈な路地裏を出ると外の喧騒が一気にオセロットの耳に入り込んだ。

 

「なっ……」

 

そこはアウターヘイヴンの中でもなければ東欧でもなく、中東でもなかった。

天国でも、地獄でも、ましてやアウターヘヴン(天国の外側)ですらない。

 

まさしく現実。

生ある者達の世界だ。

 

路地裏から出てきたオセロットが見たのは時代錯誤にも程がある中世の街並み。

広い通りに沿って石造りの家屋が建ち並び、早朝にしては多くの人々が行き交っていた。

 

その人々は中世での一般的な服装をしており、何故か剣や槍に弓、農具などで武装していた。

とても現代の文明人が着る物ではない。

 

彼らは何やら慌ただしい様子でどこかに向かっていた

 

――馬鹿な…。

 

オセロットは理解不能な状況に最早言葉が出なかった。

死んだと思ったら中世にタイムスリップしたなど、真実だったとしても彼の理性が理解を拒んだ。

 

取り敢えず情報を得るべきだと考えたオセロットは誰かに話しかけて位置情報だけでも知ろうとした。

 

「すまない」

 

道行く人々の中にいた一人の斧を持った男の肩を後ろから叩き振り向かせる。

 

「□□□?」

 

「…旅をしている者だが、道に迷ってしまってな。差し支えなければここがどこか教えて頂けないだろうか」

 

世界で最も話者の多い英語で話しかけてみたが話しかけられた方の男はオセロットが何を言っているのか分かっていない様子だった。

 

「□□□□?□□□□□□□□!」

 

KGB ,GRUなど様々な場所で活動を行って来ており言語には自信があったオセロットだったがこの男が話す言葉は何一つ理解できなかった。

試しに英語以外のロシア語やフランス語、日本語にポルトガル語など幾つかの言語を用いて対話を試みたがどれも通じる気配は無くやがて痺れを切らした男がどこかへ走り去ってしまった。

 

――対話も出来んとは、仕方ない…。

 

コミュニケーション手段の模索を諦めた彼は武装した市民達をの行く先を調べる為後を追った。

市民達が向かう先には城壁が見えた。

 

その先では煙が上がっており複数の人間の怒号が聞こえてくる。

この様子から見てこの町が何者かに攻撃されているのだろう。

 

身を隠しながら後を追い続けていたオセロットは、町中に突然響き渡る何発かの銃声に立ち止まる。

喧騒で僅かにしか聞き取れなかったが確かにライフル銃の銃声がどこかから聞こえてきた。

それに距離もそこまで離れていない。

 

――銃声は…向こうか!

 

銃声からオセロットは弾種を特定した。

7.62x51mm NATO弾で間違いない。

 

7.62mm弾と言えば思い浮かぶのは嘗て彼が率いていたマザーカンパニーであるアウターヘヴン傘下のPMC,プレイング・マンティス社やピューブル・アルメマン、レイヴン・ソードなどが採用していた主力小銃、Mk17だった。

 

米軍は5.56mm弾を使用するXM8を採用していた為戦っているのは他国の軍隊かPMCだろう。

 

その銃声に続いて今度はけたたましい爆発音まで鳴った。

砕け散る城壁の様子が遠くからでも見えた。

どうやら自分のよく知る軍隊もここにいるようだった。

 

中世の町並みにはミスマッチな銃声と爆発音を追ってオセロットは町の更に奥深くまで潜り込んでいく。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その街の名はイタリカ。

 

帝国有数の商業都市であり、現在進行形で戦火が燃え盛っている戦場でもある。

 

南門からの攻撃を想定して防御を固めていた殆どが市民達で構成された抵抗軍は東門を軍隊の如く隊列を生した盗賊達によって突破され、蹂躙されようとしていた。

 

だがこの絶望的な状況を一気に覆したのが()()だった。

 

彼らの名は自衛隊。

 

今まさに、このイタリカを救わんとする戦士達。

 

ワルキューレの騎行のメロディと共にヘリ部隊によって城壁とその外にいる盗賊達があっという間に焼き払われていく。

 

ライフル弾が、無誘導ロケットが、空対地ミサイルが。

あらゆる兵器が地表を耕し無数の弾痕とクレーターを残して彼らは飛んでいく。

 

城壁内でもまた、彼らは戦っていた。

 

「突撃にぃ!!前へ!!」

 

現地の抵抗軍が建てた防御柵を越えて小銃を持った兵士達が盾を構える盗賊達へ向けて突撃する。

 

64式自動小銃の7.62mm NATO弾は盗賊達が持つ木製の盾などいとも容易く貫きその背後にいる槍兵でさえも殺傷する。

 

そして盗賊達が犇めくそこでは二人の女が戦っていた。

 

「槍持ってるやつ前に出ろ!!」

 

「囲め囲め!!」

 

「この……死神がぁッ!!」

 

片や神エムロイの使徒にして亜神の死神ロウリィ・マーキュリー。

 

「でやぁッ!!」

 

「ぐぁっ!?」

 

片や日本国自衛隊の女性隊員、栗林志乃。

 

二人は数の差など知らぬと言わんばかりに次々と盗賊を討ち倒し、盗賊達の連携を乱していく。

 

人と神。

互いに相容れぬ存在である筈がこの時だけはやけに息が合っていた。

他の隊員による援護射撃もあるがそれをもってしても恐るべき暴れっぷりだった。

 

数で勝っていた筈の盗賊達は自分達が翻弄されている事に漸く気付く。

だがその頃には、上空にいる鋼鉄の飛竜(AH-1Sコブラ)の砲口が彼らに向けられていた。

 

20mmガトリング砲の三砲身が高速回転し一箇所に集まった盗賊へ向けて掃射する。

放たれた20×102mm弾を喰らえばただの鎧を着た人間など呆気なくその身を引き裂かれ、針を刺した風船の如く吹き飛ぶ。

 

粉塵が舞い上がると共に嘗て人間だった破片が紙吹雪のように降り注ぐ。

抵抗軍の兵士達はその様を唖然として眺めていた。

一切の反撃、撤退すら許さぬ絶対的な死。

 

それを齎す鋼鉄の飛竜の姿にその場にいた皆が恐怖した。

自衛隊員と、その様子を影から観察していた一人の山猫を除いて。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

戦闘は呆気なく終了し、イタリカでの現地民とヘリから降下してきた自衛隊員による生存者の捜索などの後始末が行われている中オセロットは建物に身を潜めその様子を観察していた。

 

「旧式の小銃に装備とはいえ、日本があそこまでSOPの消滅から素早く立ち直る事が出来ていたとは……」

 

オセロットが生きていた時代では愛国者達のAI、「ジョン・ドゥ」の消滅によってナノマシンによる兵士の監視・制御システム、サンズ・オブ・ザ・パトリオット(SOP)も同時にその機能を停止し、SOP依存によるPTSDを引き起こすSOP症候群(ソップス)が発生するなど様々な影響が出ていた。

 

アウターヘイヴンでの決戦からどれ程経ったのかは知らないが日本の自衛隊がSOPの消滅からここまで早く復帰出来ていたことにオセロットは素直に感心した。

 

「あっ、今そこに誰かいなかったか……?」

 

──っと、いかんな。

 

こちらに自衛隊員が二名近付いてくるのに気付き、隠れ場所を探そうとする。

生存者の捜索に来たのだろう。

 

今この状態で見つかれば間違いなく拘束される。

彼の素性を知るものはそこまでいないだろうがこの町に住む人々と見比べれば自分は明らかに不審者であると自覚していた。

 

しかし隠れようにも路地裏の先は行き止まりで他の場所に移ろうにも隊員はすぐそこにまで迫って来ている。

 

─どうしたものか……ん?

 

オセロットは路地裏の奥にある物を見つけると少し考えた末に()()に手をかけた。

 

 

 

「えーっと、ワレワレアナタ、コウゲキシナイ……デテキテホシイ」

 

辞書を片手に先程まで人がいたように見えた路地裏へと歩み寄る二人の隊員。

もう一人は64式自動小銃を構え警戒している。

 

路地裏への入口で止まった二人は辞書を仕舞い小銃を手に突入の準備をする。

万が一そこにいるのが盗賊の生き残りで襲いかかって来た場合はその引き金を引かなくてはならない。

 

「行くぞ……」

 

「おう」

 

緊張の面持ちで二人は足を大きく踏み出し路地裏に突入する。

 

「ウゴクナ!!」

 

小銃の銃口が向けられた先には……

 

「……あれ?」

 

「誰もいねぇな……気の所為だったか?」

 

人の姿など無い、片隅に大きめの()が置かれているだけの狭く先の無い路地裏があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

──まさか、奴の真似事をする事になるとは……。




オセロットに集中し過ぎて原作キャラの描写が少し雑になってしまいました。

ていうかガンズ・オブ・ザ・パトリオット計画も終わって愛国者達もビッグ・ボスすらもそもそも存在しない世界でオセロットに何をさせると言うんだ……?

アウターヘイヴン復活させて帝国滅ぼすか(ヤケクソ)
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