リキッド・オセロット 彼の地にて、斯く戦えり ーGUNS OF THE FREEDOMー   作:COTOKITI JP

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脳内でアウターヘイヴンを復活させて特地にもアウターヘヴンを築くオセロットを妄想しましたが流石に無理があるのでやめときます。


Lonely Sun

館の廊下での決闘は、思いの外呆気ない結果に終わった。

最初だけは互角に戦えていた様に見えていた二人の戦いだったが中盤からオセロットの方がその老いた外見からは想像もつかないような素早さの動きで腹、胸、顔とあらゆる場所に猛烈な殴打を浴びせた。

 

そして女性隊員がそんな突然の猛攻に怯んだ僅かな隙を狙って彼女を即座に拘束し、壁に叩き付けた。

老人とは思えない腕力で叩き付けられた彼女は昏倒してしまう。

 

「言っただろう、格闘戦では俺の方が上だと」

 

「栗林!!」

 

他の隊員の動き出したと同時にオセロットは彼女を羽交い締めにし、盾にしながら床に落ちていたラプターを拾い上げて彼女の顬に突き付ける。

もう既に見つかっている(ALERT)以上、ここからの脱出を優先的に考えなければならない。

 

そう考え、廊下の窓を開きそこから脱出しようとしたオセロットだったがそれを阻む者達がいた。

 

銃声を聞いて駆け付けて来た帝国兵と武装したこの館のメイド達だ。

包囲されたオセロットは内心舌打ちする。

彼はあの女性隊員との格闘戦で調子に乗って相手の様子を観察しながら(ただの舐めプ)戦っていたのを少しばかり後悔した。

 

──また訳の分からん外見の奴らが……。

 

うさ耳だの蛇だの訳の分からん物を頭から生やしたメイドにまるで中世のローマ帝国軍のような兵士。

情報を得る為にここに来た筈のオセロットはますますこの場所の事が分からなくなりつつあった。

 

どうしたものかと辺りを見回していたその時、ある音が聞こえてきた。

 

それは自衛隊員や帝国兵達にとっては未知なる奇怪な音。

オセロットにとっては戦場で何度も聞いた音だった。

 

 

 

 

 

「……牛?」

 

その場にいる誰かがそう呟いた。

瞬間、オセロットを包囲していた帝国兵の何人かが突然空から降ってきた何かによって踏み潰された。

 

叩き割られたスイカのように飛び散った血肉が壁や周りにいる帝国兵達にこびり付く。

一瞬何が起こったか理解出来なかった彼らはそこに佇む()()を見て恐慌状態となった。

 

装甲版に守られた機械的な頭部に対し足は生物的で長く、そしてしなやかに動いていた。

まるで機械と生物が融合したかのような見た目のそれは牛のような鳴き声を上げながら帝国兵達を見下ろす。

 

「ば、化け物だ!!」

 

鉄と肉で出来た化け物に恐れ慄く帝国兵。

 

恐怖に気圧されつつも警戒の視線を向ける館のメイドと自衛隊員達。

 

そして思いがけぬ再開に目を見開くオセロットがいた。

 

 

 

 

「何故……ここに月光(ヤモリ)がいる……!?」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

少しの時が経った後、槍衾で自分を取り囲む帝国兵達を殲滅対象として認識した無人二足歩行兵器、月光。

上部のメインカメラが帝国兵を捉える。

 

そして狼の遠吠えのようにその独特な鳴き声を上げるとそのES細胞を遺伝子操作して作り出した人工筋肉で構成される強靭な脚部を大きく振りかぶった。

 

瞬間、月光を包囲していた筈の帝国兵は吹き飛び四方八方に飛び散った。

蹴りの一発で帝国兵を全員薙ぎ払ったのだ。

 

都市をブロック単位で飛び越えるように設計された足で蹴り飛ばされたほぼ生身の帝国兵達は全身の骨という骨を粉砕され、見るに堪えない姿で館の外壁や地面に叩き付けられ即死した。

 

帝国兵を一瞬で壊滅させた月光は次に自衛隊員と館のメイド達を狙った。

牛の様な鳴き声を上げながら今度は上部に装備していた二挺のブローニングM2重機関銃の銃口が彼らを指向しそれに気付いた彼らは慌てて館の中に隠れた。

 

直後にけたたましい銃声と共に無数の12.7mm弾が屋敷に撃ち込まれ外壁が瞬く間に蜂の巣と化した。

月光の視界外に逃れた彼らだったが月光には高度な赤外線(IR)センサが装備されておりある程度なら壁の向こう側にいる敵を認識出来るのだ。

 

隠れても尚正確にこちらを狙って撃って来る月光に彼らは更に奥へと逃げていく。

 

「何なんすかアレ!?特地にはあんなモンスターまでいるんすか!?」

 

「馬鹿言え!!自分でも信じられんが…アレは間違い無く人の手で作られた兵器だ!!キャリバー(M2)撃ってくんの見ただろ!!」

 

「そういえばロゥリィは!?どこ行った!!」

 

彼らが気が付いたその時にはロゥリィと呼ばれていた彼女は館の屋根の上から月光に向かって飛び掛かっていた。

彼女の持つ背丈に会わぬ巨大なハルバードが両断するかと思いきや月光は恐るべき反応速度でその斬撃を躱しその上強烈な蹴りでロゥリィを屋敷の敷地の外まで蹴り飛ばした。

 

蹴り飛ばされたロゥリィは住宅地の木造の家を何件か突き破り、激しい粉塵を立てながら瓦礫の山に埋もれた。

 

帝国兵は皆死に、奇怪な戦闘メイドや謎のハルバード女、自衛隊員達がいなくなったのを悟ったオセロットは急いで月光の前に立つ。

すると月光は姿勢を少し低くし下部からワイヤー状のマニピュレータを出し、オセロットの方へ伸ばした。

 

しかしそれは彼を捕縛する動きというよりかはどちらかというと彼に手を差し伸べているように見えた

 

「俺を連れて…どこに行く気だ」

 

月光は問いに答えない。

ただ静かにマニピュレータを差し伸べるだけだった。

急かされているような気がしたオセロットはそのマニピュレータに捕まりそのまま引き上げられた。

 

「フン!」

 

勢いよく月光の上部に乗り移り、姿勢を整えると月光が動き出した。

彼を振り落とさないように動きを抑えつつも素早い動きで市街地を駆け抜けると町を囲む城壁の前で跳躍した。

 

容易く城壁を飛び越えた月光はオセロットの知らぬ何処かへと走り出した。

 

 

太陽(オセロット)(月光)、孤独な彼らは名も知らぬどこかのヘイヴン(避難所)を目指し行く。




月光って作中じゃ重機関銃なんて全然使わないし何なら側面に装備しているATGMなんか雷電に逆に利用されて誘爆で倒されてるから何だか勿体ないと思って上の重機関銃はお飾りでない事を証明しました。
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