IS 死神と呼ばれた少女は無限の成層圏を見る   作:狩村 花蓮

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この小説は偉大なる先駆者様の書かれた小説の影響を大いに受けているために似てる部分が多いことは作者の力不足を痛感しているところでございます。もう少しオリジナルに近づけられるよう、これからも精進してまいりますのでどうかよろしくお願いします。

なお、孤児院のモデルは某とあるのあの人ですが、名前は捏造です。この場を借りて謝罪させていただきます。ちなみに、シノブの足につけている補助装置はこの人が作りました。

2022/03/12 デュノア社の前の国名をイギリス→フランスへと修正しました。ごめんなさい、フランスでしたね。ナンデマチガエタンダロ
2022/03/29 シノブの足の麻痺を左足→右足に変更、一夏誘拐のお話に少し追加しました。



第2話 ついぞ死神は戦いへ

「..........時間だな」

 

「....あぁ、時間だな」

 

「..........広いな」

 

「....あぁ、広いな」

 

我と一夏が今いるのは試験会場の近くにいる駅前だった。本日それぞれが受験するIS学園と藍越学園、それぞれの学校の入試が行われる会場の最寄り駅が同じだったのだ。といっても試験会場は同じ施設の中の別々の棟なのだが。

 

IS学園の受験は実技、つまるところIS同士の戦闘が含まれるため、それなりに広い会場が必要なんだそう。だからと言ってこのようなでかい会場で同時にほかの学校の入試をしていいものか、我は疑問でならない。

 

それに一夏が受けようとしている藍越学園とIS学園のイントネーションが似ていることも何となく引っかかる。まぁ、IS学園と似た名前にしただけと言われれはそれまでなのだが..........

 

 

それにしても、本当にでかいなこの施設。いったい何の意味があってこんな広い空間を作ったのだろうか?大学の敷地だといわれた方がまだ納得できるぞ。これでは受験生が迷ってしまわぬものか?

 

何を考えているのだろうか?学園側は。それに、この施設を作った自治体もだ。何の目的でこの空間を作ったのか?多目的ホールという大きさではないことは確かだろう。これではIS学園の入試専用に作ったという方が納得できる。

 

面倒ごとが起きないといいがな。一夏はモテること以上に面倒ごとを引っ提げてくる体質なのだ。巻き込まれないといいが..........

 

「うっし、じゃあもう行くぜ。お互い、頑張ろうな」

 

「そうだな、お互いに全力を出すとしよう」

 

今日に至るまでの約一か月、我と一夏は日々の鍛錬をやめざるを終えなかった。互いに受験があるし、「鍛錬のせいで入試に落ちた」などと言い訳の材料にしたくなかったというのがある。

 

まぁ我はISによる実技のための訓練をしていたから全く鍛錬をしていなかったわけではないのだが。我も一夏も、やむなく削った一か月を無駄に使うことは一切なく、入試に向けて猛勉強していたのは記憶に新しい。

 

少なくとも筆記試験に関しては失敗する確率はほぼないに等しいといってもいいだろう。それでも絶対がないのは入試の怖いところではあるが。前世の時も我は一応入試は受けたことがあった。が、学校に行ったことはほぼないに等しい。

 

入学と同時に徴兵だったからな。私が入った学校と言えば、訓練学校くらいか。学校に含まれるのか甚だ疑問ではあるのだが。

 

それにしても、一夏は少し緊張しすぎではなかろうか?そわそわしすぎているし、さも緊張していますと、溢れ出る感情が気配で伝わってくるのだが..........、よし、ここはひとつ幼馴染の一人として少しらしいことでもしてやろうか。

 

「一夏、ちょっといいか?」

 

「ん?なんだよシノブ」

 

やはり緊張しているようだ。あからさまにしゃべる速度が速い。まぁだからこそ、我は話しかけたのだがな。

 

「あまり気負い過ぎるな、勝ち筋が見えなくなってしまうぞ。だからいったん落ち着け。そして..........勝ってこい」

 

「シノブ..........、あぁ、勿論だぜ!」

 

我は杖を脇でつかみ、握りこぶしを作って一夏の方に向ける。そして一夏もまた握り拳を作り、互いに拳をぶつけ合った。それはまるで戦地に赴く者同士の約束の証であるかのように。

 

ただ、あながち間違いではあるまい。これから我々が赴く先は、学生にとっては戦場ともいえるべき場所だ。勉強という鍛錬を繰り返し、学力という刃でもって、入試という敵を殺す。

 

入試という敵を殺せれば、無事入学できる。だから先ほどの例えは、くどいようだが、あながち間違いではないのだ。一夏はもう覚悟を決めたようだ。なればこそ、我も覚悟を決めなければならないというもの。

 

(では、我も赴こうではないか、我の戦場(IS学園実技試験)へ!)

 

一夏と我は、それぞれの試験会場へと己が歩みを進めた。

 


 

 

(ここが、今回の会場か)

 

事前に送られてきた受験案内の中にあった地図と扉のプレートを交互に確認する。

 

一夏は筆記試験であるらしいが、我が受けるのは実技、つまりIS同士の戦闘だ。筆記に関しては昨日の時点で終わっている。まぁ失敗したという感じではなかったため筆記で落ちたということはないであろう。

 

むしろ手ごたえ十分といったところか。模範解答を使い問題用紙にメモした自分の回答を採点するという作業は途中でやめてしまったが、まぁ途中まででもそこまで間違っていた場所がないため問題はなかろう。

 

前世からの精神年齢を考えれば、十分大人..........もはや老人の域に達しているであろう我、その頃からコツコツと勉強をしていたのだから当然の結果ではあるのだが..........、まあ誇るものでもないな。

 

アクセラレイトに乗るうえで、プログラム的なことや、戦術、武器の使用方法、それから環境の変化など、様々なことを学ばなければいけないアクセラレイトのパイロット。特に日本製はナノマシンによる思考のフィードバックによって

 

他のアクセラレイトとは一線を画す性能があるが、それでも知識がなければ戦い抜くことなぞできない。素人は達人に勝てない、それが戦いなのである。ISに関しての事前学習用として、一般公開されているISに関しての資料を読み漁ってみた

 

が、確かにあれはアクセラレイトに匹敵する情報量だなと思った。それでもまだアクセラレイトの方が多いと感じるのだから我も十分アクセラレイトに毒されているのだろうが。

 

兎に角筆記では失敗したわけではないと思う。つまり勝負は..........

 

(......この実技試験で決まる)

 

そういう訳である。いくら筆記の結果が良くとも、実技の結果が悪ければ落とされるだろう。実技試験付きの入試は常々そのようなものだ。

 

(..........ふむ..........)

 

興奮して、いるのだろうな。いや、高揚しているのか?ドアノブに伸ばした手を見る。そこにあったのは微妙に汗をにじませた我の手。

 

(我も一夏のことは言えんか..........まぁいい。我は我のできることをやるだけだ)

 

目をつぶり、息を吸って、吐き出した。これで少しは落ち着いただろう。扉を軽くたたいた。

 

「入ります」

 

昔から体に染みついていた礼儀作法をフル活用し、挨拶して、我はドアノブをまわした。扉が開くと中には受付であろう女性が立っていた

 

「あっ、受験生の子ですか?それじゃあ向こうで準備してください。すぐに試験が始まりますから、なるべく急いでくださいね」

 

「分かりました」

 

受付と思われる女性に言われるまま、準備を始める。「向こう」とぞんざいに指差された先には、広い部屋を簡単に区切るカーテンがあった。その布を潜り、学校の制服であるセーラー服を脱いで、鞄から取り出したISスーツを身に着ける。

 

それにしてもこのISスーツとやら、少し露出が高くはないか?それに、少し窮屈だ。特に胸のあたりが妙にきつい。こんなのを着て動かすのか..........苦労してるのだな。

 

スーツを着込むと、我は振り返る。そしてそこにある何もない部屋の中で、異様なまでに存在感を放つものが鎮座していた。かつては宇宙進出という人間の夢のために作られるはずだったもの。兵器としての有用性が認められてしまったもの。

 

いっそ不憫にすら思えてしまうほど、人の強欲に振り回されてしまった悲劇の機体、その身はまるで鎧であり、未来の技術で作られているにもかかわらず、100年前の戦鎧を感じさせる機械の甲冑。

 

ーーー純日本製第二世代IS 打鉄(うちがね) 時代の波と人々のエゴによって本来の用途から外れた機体の一体が起動準備状態でその場に鎮座していた。

 

そもそも打鉄は、日本のIS開発企業の一つ、倉持技研が開発した第二世代型量産モデルである。防御に重きを置いたバランスの整った性能をしており、どのレンジに対しても対応できるように豊富な武装が用意されている。

 

そしてそれらを持てあますことなく使えるように、最適化された機体の各種システムがその性能を遺憾なく発揮する機体である。まぁつまるところ汎用機である。どのレンジにも対応できる汎用機であるために、ピーキーな機体という訳ではなく

 

IS初心者でもある程度は使いこなせる機体として、様々なIS教育機関で訓練用や試験運用目的で使われている世界中から愛されるISの一機である。よく比べられるのがフランスのISメーカー、デュノア社が作った第二世代IS ラファール・リヴァイヴであるが

 

どちらも世界中で使われる名機である。ただ、知識では知っていても、動かすのは今回が初めてなため、どういうポテンシャルなのか、どのくらい動けるのか、武装の使用感はどうかなぞ、我にわかるはずもない。

 

しかし正直な話をすると、"心底どうでもいい"のだ。初めて乗る機体?だからなんだ。我だって前世で乗ってた機体が最初からすべてわかっていて動かせたわけではない。むしろ何も知らない状態でいきなり戦場へと駆り出されたのだ。

 

知らないことは、動かせない理由なぞにはならない。動かせないなどと宣う暇があるのなら、さっさと動かせ。武器の使用感なんて関係ない。戦場では武器が、自身の得物がなくなるなぞしょっちゅうだ。

 

だから知らん武器を拾い戦う。そんな状態で武器の使用感なぞ確かめている暇はない。そんなことをしていたら我はもっと早くに死んでいる。得意な武器種があるのは仕方ない。だが、得意な武器があるというのなら、そいつは戦場に出ないほうがいい。

 

武器がなくなってしまえば、そいつは何もできないのだから。

 

 ー故に今、我がなすことは

 

「我の体を貴様に貸そう、だから」

 

 ーただ眼前の敵を

 

「貴様の力を我に貸せ。そして、我とともに駆けてくれ」

 

 ーこの力でもって打ち砕くのみ!

 

打鉄に乗り込み、背中を機体に預ける。すると、”かしゅ”と、空気が抜けるような音とともに、装甲が我の体に密着する。アクセラレイトと違い、パワードスーツという位置づけにあるISはパイロットたる少女たちの体に連動して動く。

 

左腕がほぼない我では、打鉄の左腕は装備できても、動かすことはできない。そのようなハンデを背負っている状態でいったいどれほどやれるか、それこそ未知数である。しかし、この試験の内容はIS学園の教官と戦うことにある。

 

つまり、己自身がどこまでやれるか見せつければいいわけだ。相手のお眼鏡にさえ叶えば、勝つ必要はない。だが、どうせだ。戦うからには勝ちたいと思うのが我の性である。それに、この機体に乗ると蘇るのだ。

 

始めてアクセラレイトに乗ったあの日、我が仲間とともに駆ける事となったあの日..........

 

『適正値が高いな、これなら期待できそうだ』

 

何も知らない無知で無力だった我が、初めて戦う力を手に入れたあの日..........

 

『よろしく頼む。お前は今日から我々の仲間だ、シノブ』

 

かつて、地球史上、最強にして最悪な兵器、アクセラレイトを操ることになった我が。

 

そして、生まれ変わってなお戦う力を求めた我の、最初の戦いの火ぶたがまさに、着られようとしていた。

 


 

「ついに始まる、か」

 

私の名前は織斑千冬、IS学園の教師である。今日はIS学園の実技試験会場を一望できる採点者席から、これからの試合の様子を眺めている。

 

対戦カードは、私の後輩にして元日本代表候補生、山田真耶。相対するのは私の弟、織斑一夏の幼馴染である、岩上シノブ。山田先生の実力はよく知っている。が、シノブの腕はてんで分からない。

 

まぁ、当たり前なのだが。なんせISを動かすのは今日が初めてだと聞く。奴の剣術に関する腕は、体が不自由になった今でも衰えることを知らない。が、剣術の腕=ISの技量、となるわけではない。

 

(しかし、成長というのは早いものだな。あの頃の私と、もう同じ年齢になったのか。..........大きくなったな、岩上)

 

私が岩上と会ったのはおよそ十年前。両親がいない私たち姉弟は、医者をしながら孤児院経営をしている飛田さんに招待され、私はそれを受けた。

 

勿論子育ての経験などない私が、一夏を育てながら生活するのには無理がある。しかし、その時にはすでに一夏を一人で育てる覚悟を私はしていた。なればこそ、まず必要なのは一夏に学校以外で子供たちと触れ合わせて一種の情操教育をさせようと思い立ったのだ。

 

そして、あわよくば、一夏を育てるためのアドバイスを聞こうと思っていた。飛田さんは医者としても、孤児院の経営者としても評判が高いと聞いている。何でも”冥途帰し”という異名を持っており、執刀した手術の患者はどんなにひどい状態からでも全快するらしい。

 

世間話に疎かった私の耳にも何度も入ってきた。思えばそれが話を聞きに行こうと思い立ったきっかけだったな。

 

藁にもすがる思いで飛田さんに聞きに行った私だったが、最初は拒絶されるかと思った。身の程をわきまえず、いきなりそのような話を聞こうとしたのだから。しかし、飛田さんは、身の程知らずな小娘の決意を笑うことなく、それはもう真摯に答えてくれた。

 

そして、将来に向けた助言をいくつかくれた。余裕をなくし、触れたもの全てを切り裂く抜き身の刀のようになっていた当時の私にとって、その数時間の会話はまさに救いだった。

 

「今日は私のためにわざわざ貴重な時間をありがとうございました」

 

「いいんだ。私の好きでやっていることだし、君の決意は素晴らしいものだ。とても眩しく見えるんだね。だからこそ、しっかり一夏君を見てやるんだよ?」

 

「はいっ!」

 

「それに、孤児院の子供たちにも、私にとっても楽しい時間だったからね」

 

孤児院の玄関を開けると、夕暮れの中、元気にはしゃいでいる子供達の姿があった。両親を失い、居場所を見失って心に深い傷を負った幼い子供達が、あんなにも楽しそうに笑っている。

 

それはもう、奇跡と言って良い偉業だろう。心の傷を癒やすことがどれだけ難しいか、私は身を持って知っている。あの子達の傷も完全に癒えたわけではないだろうが、ああして笑えるというだけで、その成果は素晴らしいものだ。

 

「みんな楽しそうだ。いい所ですね、ここは」

 

「別に私のおかげという訳ではないよ。あの子たちがあの子たちなりに考えて努力した結果だ。私はただ背中を押してやったに過ぎないんだね」

 

「それが、何よりよいことなんだと私は思います。努力ができる環境というのはそれだけで素晴らしいものですから」

 

そんな私の言葉に、唐沢さんは嬉しそうに笑った。優しく細められた目で、玄関前の広場をゆっくりと見渡して行く。

 

私がそれに倣っていると、広場の一角にある畑で鍬を振り上げ、耕している茶髪の女の子が目に入った。そしてその子がこちらの方を向いた瞬間、私は目の前の事実が受け入れられなくなった。

 

「たば..........ね?」

 

そう、なんと言えばいいのか、一夏と同じ年齢の時の束とそっくりだったのだ。髪色が違う所をのぞけば、ほぼそうだろうというくらいそっくりだった。

 

幽霊や心霊系はさして信じているわけではないが、この時ばかりはドッペルゲンガーと言われた方が納得できたと思う。

 

「..........あの子は?」

 

「ん?あぁ、あの子は岩上シノブ。先月、交通事故でご両親を亡くしていてね。家で引き取ったんだ。ただまぁ少し気になる点はあるんだけどね?」

 

小さいといっても、結構な広さのある畑をその華奢な体のどこに力があるのか、一生懸命に鍬を振り上げ耕している、束に、旧友にそっくりな少女。

 

私は不思議とその少女に惹きつけられるかのように、その背中に近づいて行った。

 

「..........む..........」

 

いざ肩を手で叩こうとしたときふと思い出した。

 

私は小さい子の相手など、ほとんど経験がないのだ。

 

(むぅ..........)

 

率直に言えば、どうすれば良いのか分からず、身動きが取れなくなってしまったのだ。しかしこのまま何もせずに戻るというのも間抜け過ぎる。なので覚悟を決めて、声を掛けた。

 

「こ..........こんばんは」

 

「んっ?見知らぬ顔だな。お客人か?悪いが我は今手が離せない。そっちの庭で子供たちが遊んでいるだろうから、院長に応用事があるなら案内してもらうといい」

 

その声は、少し低いが、ほぼ束の声だった。しかし、口調が本人とはまるで違う。なんと言うか、男勝りというか、そのまま男というか。私がそのことで動けないでいると、その少女はまた畑を耕し始めた。

 

「..........いや、院長との用事はもう終わったんだ。..........私は織斑千冬という。君の名前は?」

 

「なんだ、用事はもう済んでいるのか。まぁいい、我の名前だったな。我の名前は岩上シノブという。好きに呼ぶといい、織斑千冬殿」

 

「ど、殿..........ま、まぁいいか。よろしく頼む、シノブ。それと、私のことは..........千冬でいい」

 

「分かった。こちらもよろしく頼む。千冬殿。それで、我に何か用か?千冬殿」

 

「い、いや。用というほどのことはないのだが..........」

 

「そうか、では、早めに帰ったほうがいい。ここら辺はすぐに暗くなってしまうからな」

 

「..........」

 

..........会話が終わってしまった。次の言葉を待っても、シノブは無心で畑を耕し続けるばかりで何も言おうとしない。嫌われてしまったのだろうか?と、そこへ飛田さんがやってきた。

 

「飛田さん、この子は、もしかして..........」

 

「いや、そんなことはないと思うよ?純粋に心配してるだけだと思うんだね」

 

その言葉で私は安堵した。嫌われたわけではないのだと実感できたからだ。

 

「とってもいい子だ。ほら、その畑は凄いだろう?全て、彼女が一人で作ったんだよ?おかげで夕飯に出す野菜は買わなくても済んでいる」

 

「この、畑を..........一人で?」

 

畑は結構広い。3坪ぐらいはあるだろう。土は素人目に見ても柔らかそうで、そこに育っている野菜もしっかりと栄養が足りているように見える。

 

よく管理してよく育てられていることが窺がえる。これをこの年で作るのはなかなか酷な作業のはずだ。だが、出来ている野菜を見ると自然と活力が沸いてくる。

 

そのためだけに野菜を作っているわけではないのだろうが、優しい、他人思いないい子だ。

 

「次は..........次はどんな野菜を植えるんですか?」

 

「うーん、人参、ジャガイモ、レタス、キャベツは見たことあるけど、分からないなぁ。本人に聞いても教えてくれないんだ」

 

「できてからのお楽しみ、というやつでしょうか?」

 

「どうだろう?でもそうだとしたら、良い楽しみができたと思うね」

 

そう言って飛田さんはとても嬉しそうに笑った。つられて私も小さく笑った。

 

そんなことをしていると、子供達と遊んでいた一夏がとことこ走って来た。

 

「千冬姉、もう帰るのか?」

 

「え、ああ、そうだな、そろそろ暗くなるし、もう帰るか..........」

 

「そっか。........あれ、コイツは?」

 

「ああ、この子は........」

 

私が答えるより早く、一夏はシノブの横にしゃがみ込む。そして無遠慮にその顔を覗き込む

 

「おい、いち――」

 

「まあまあ、子供同士の会話は大事なんだね。ちょっと見ていようじゃないか」

 

見る者を安心させる、ほんわかとした笑顔を浮かべながらそんなことを言う飛田さん。その言葉に従い、しばらく見守ることにする。

 

一夏はシノブの顔を見て、束の顔にそっくりなことに気が付いたのかーー

 

「なぁ、なんでお前束さんの顔にそっくりなんだ?」

 

ー初対面の相手にいきなり顔のことを聞くな!!

 

あまりにもデリカシーのない第一声に怒りと呆れが湧いてくるが、我慢しなければ。ちなみに飛田さんは少し笑いながら一夏たちを見ている。

 

「束?よくわからないが、私に言われても困る。元々こういう顔だったんだ」

 

「うわ、声まで似てるじゃん。本当にそっくりだなぁ。........後ろのそれは畑か?何か植えるのか?」

 

「今年の野菜だ。いつかはビニールシートで覆って一年中とれるようにしたいと思ってる」

 

「そっか。ところで、向こうでみんなと遊ばないのか?一人じゃつまんないだろ?」

 

「あの子たちは我がいなくても自由に遊ぶ。だから無理してはいる必要性はないと我は判断した。それに、まったく遊ばないという訳ではないし」

 

「そっか、でも挨拶ぐらいはしておけよ?挨拶は大切だって千冬姉も言ってたぞ?」

 

「そいつはすまないことをした。すっかりこれに夢中になっていたからな」

 

 お前がそれを破ってどうする一夏!

 

「あ、そう言えば初めて会う人にはまず自己紹介をしろって、千冬姉言ってたっけ」

 

「..........あぁ、そう言えばすっかり忘れていたな。お前の名前は何という?」

 

「俺は、織斑一夏って言うんだ。お前は何て名前なんだ?」

 

一夏はそう、己の名前を名乗る、そして少女に名前を聞いた。そしてその少女は、持っていた鍬を刃が下になるように地面に置き、その柄の先端に手を置いた。

 

「私は、岩上シノブ。好きなように呼んでくれて構わない」

 

―それが、我々織斑姉弟と岩上シノブの出会いであった。

 


 

 

(よくもまぁここまで付き合いが続くものだ)

 

あの頃よりもますますシノブの容姿は束と似てきている。既に束はシノブのことを知っているようで、最初は「私のドッペルゲンガー!?」などとらしくもなく驚いていた。しかし容姿以外は何も変わっていない。

 

常に他者を気遣い、息を吸うようにお節介を焼く。そして何より、誰かを守るというその容姿にたがわぬ熱い魂を持っている。いや、闘志というべきだろうか?「力」を求め、例え足が動かなくとも片腕を失おうと一時も鍛錬を怠らなかった彼女。

 

彼女の実力は、すでに五体満足だった時を超えている。何故「力」を求めるか。その答えを聞いても、はぐらかされてしまうのが常だが、想像することはたやすい。生身での戦闘。こと、戦うという点においては私に勝るとも劣らない。

 

私が勝利しているのは、以前は体格差、今はシノブが片腕をなくしているからであり、ギリギリ勝てているだけだ。それももうしばらくすれば勝てなくなるだろう。

 

(だが、ISと生身での戦いは全然違うぞ。どう出る?シノブ)

 

眼下には、動作を確かめるように、機体各部を動かしているシノブの姿がある。右手に持つのはやはり接近用のブレードであった。

 

(見せてみろシノブ。お前の力を)

 


 

今日、何度目かの試験。そして私が、心のどこかで楽しみにしていた試験。

 

使い慣れた機体、ラファール・リヴァイヴの調子を確認。........うん、大丈夫。短い時間でも、しっかり補給と整備をしてくれている。

 

『それでは、試験を開始してください』

 

試験開始のアナウンスが響くが、すぐには攻撃しない。今回の受験生は千冬先輩の弟さんの幼なじみで、千冬先輩とも付き合いが長い。剣の腕前はあの千冬先輩が褒めるほどらしいが、ISでの戦闘は今回が初めてと聞く。

 

けれどISでの戦闘経験がある受験生なんてどこかの国家代表候補生くらいのもので、ISに触ったこともないという受験生の方が多いくらいだ。

 

なので、まずは様子見。受験生が多少は操作に慣れてきたころを見計らって、小突くような攻撃から始めるのが私の試験である。

 

目の前の少女は、最初に私を一瞥しただけで、今はこちらを見もせずに機体の調子を確かめている。展開したブレードを振ったり、軽くスラスターを噴かせてみたり。どうやら私がまだ動かないことを悟ったらしい。すごい落ち着きようだ。

 

そしてそんな様子を見ていると、一つ気付いたことがある。

 

(本当に、左腕がないんだ........)

 

打鉄の左腕部分は付いているが、それは肩から二の腕までの僅かな部分に引っかかっているだけだ。装甲の隙間から覗く中身は空っぽで、決して動くことはないだろう。

 

........どんな気持ちなんだろう。そんなに強いのに、片腕を失ってしまうというのは。

 

ふと、目の前の少女が、私に声をかけて来た。

 

「試験官殿、名前を何と?」

 

「(殿ですか..........独特な言い回しをなされるんですね)山田真耶、ですけど..........」

 

「そうですか、では山田殿、参ります」

 

そう言うと、ブレードを構えて突撃して来た。いきなりの急加速、思い切りの良い飛び出し。

 

しかしブレードを展開している以上接近戦を挑んでくることは予想済みなので、後退しながらアサルトライフルを撃つ。数は少ないが、狙いは正確に。

 

これは受験生の対応を見るための攻撃だ。さて、この子はいったいどうするのか。

 

銃弾を避けるか、装甲まかせな突撃か、それとも判断が間に合わずに、棒立ちになるか。

 

大抵は、そのいずれかだった。だが目の前の、刃のような鋭い瞳で私を見る少女は、全く予想外の行動をとった。

 

 ――あろうことか、ブレードで銃弾を切り落としたのである。

 

 「え、えぇ!?」

 

確かに、ISのハイパーセンサーは動体視力や反射神経も補助する機能がある。けれどそれでも、音速の数倍の速さがある銃弾を見切り、しかもそれを切り落とすほど速く正確に動くなんて、高等技術なんてものじゃない。

 

そしてどうやら、まぐれなんかじゃないみたいだ。当たらない弾は完全に無視、当たる弾だけを切り捨てながら、一層速度を上げて突っ込んでくる。いまだかつて見たことのないトンデモない対応にびっくりして動きを止めてしまった私は、あっという間に間合いを詰められ――

 

――ブレードの一撃が、ラファール・リヴァイブの装甲に叩き込まれた。

 


 

(浅い..........か)

 

銃弾を切る。前世では当たり前のようにやっていたことを、ISでどこまでやれるのかという動作確認ついでにやってみた。結果は上々、試験官である山田殿の意表は付けたようだ。

 

大きな隙ができ、そこに一撃を入れたのだ。と、ここまでは良かったのだが..........

 

(やはり、切れなかったか)

 

ISのパワーアシストを片腕分しか受けられない我の力ではどうしても威力に不足が起きる。既存の兵器の中でもとびぬけた防御力を誇るISの皮膜装甲を破るには、片腕の斬撃じゃ無理なのだろう。

 

山田殿のISにさして損害はなさそうに見える。というより本当に損害がないのだろう。剣では届かない。その事実が確認できただけでも良しとするか。でもまぁ今更武器を変える訳にもいかない。

 

ならば、別の攻め方をするまでのこと。

 

(我はそこまで利口な頭を持つわけではない。戦術を練るのはそれよりもひどいありさまだ)

 

なればこそ、我の経験を。あの地獄で見についたすべてを今ここに。

 

驚愕から立ち直り、油断のない眼で我を見る山田殿。我には様子見など無用と判断したのだろう、向けられる銃口は二つに増え、そこに込められているのは、紛れもない戦意である。

 

試験、か。そう、これは――これは、己自身を試す戦い。

 

(そう、これからだ、ここからなのだ)

 

我が何を成し、得られ、遺し、守れるのか、我の戦う術は、力はいったいどこまで通用するのか。我の「家族」にどこまで届くのか。

 

全ての答えは案外近くに転がっているかもしれん。だが我はその舞台にすら上がれていない。この戦いは我が舞台に上がるための始まり。プロローグである。

 

(さぁ始めよう。この戦いこそ我の原点である!)

 

山田殿が放つ弾丸は、苛烈にして精密。容赦のかけらはひとかけらとしてなく、眼前の敵をただ穿つのみ。なればこそ、我も戦いやすいというもの。

 

元より戦いに情けや手加減なぞ不要。あるのはただの戦意のみ。我の目的はただ一つ、眼前の敵を倒すのみ!我はスラスターを吹かし、時によけ、時に切りながら、銃弾の雨をかいくぐっていく..........

 


 

(さっきのは驚いたけど..........)

 

ブレードの直撃を受けたにもかかわらず、シールドエネルギーはそれほど減ってはいない。やっぱり片腕では、攻撃力に限界がある。

 

(銃が使えたなら、また違ったんだろうけど......)

 

 手に持てる銃器は一つだけだけど、その一つを大型のものにしたり、他にも肩に装着するタイプのものもある。いずれにせよ、剣一本よりはやりようがあったはずだ。見た限りでは銃が苦手という訳ではなさそうではあるが。

 

――あるいは。

 

(片腕のハンデを補うくらい強力な武器があれば、もしかしたら……)

 

思い出すのは、私が尊敬し憧れる、先輩の姿。彼女の振るう剣は、触れただけで相手に致命的なダメージを与える、絶対的な威力があった。あれに類する武器をこの少女が手に入れたら、きっと凄まじい使い手になるだろう。

 

とにかく、この少女を相手に油断は禁物だ。試験だからと気を抜いていると、負けるのは私のほうだ。

 

受験生は試験官に負けても合格できるが(と言うより、勝つ子はほとんどいない)、この試験は先輩も見ているのだ。無様なところは見せられない。

 

左右の手に持ったアサルトライフルを連射する。岩上さんはまるで曲芸でもしているのかというほどに様々な機動で銃弾の雨をかいくぐってくる。

 

時にスラスターで急制動をかけ、時に剣で弾く。下がりながら撃ち続けているためあまり詰められてはいないが、このままでは足止めにもならなくなってくるだろう。

 

ほら、今にも私に接近せんとしてくる。そして、先進と後進どちらが早いかなぞ、明白である。

 

 剣の間合い。彼女の、間合い

 

 一撃でダメなら連撃、そう言わんばかりの猛攻。私も咄嗟に展開した接近戦用ブレードで応戦するが、剣の技量では相手にならない。どうにか凌げているのは、彼女が片腕だからに過ぎない。

 

(なんとか、距離を取らないと……!)

 

私は苦肉の策で、グレネードを展開し、ピンを抜こうとした。その時、私ですら信じられないことをこの少女はやってのけた。

 

岩上さんは、ピンが抜けたグレネードを体を反転させ、私の顔に蹴りごと押し付けて来たのだ。当然グレネードは私の眼前で爆発する。その反動で私は初動が遅れ、反応できなかった。

 

気づいたころには、私は腹部に蹴りを入れられ、試験会場の壁に叩きつけられていた。恐らく、爆風に合わせてスラスターを全開にして蹴りぬいたのだろう。何とも泥臭い攻撃方法だ。絶対に勝つという執念が窺がえる戦い方である。

 

そのことに気づいたときにはすでに岩上さんはいつの間にやら上空に投げていたブレードをつかみ、居合の構えのような姿勢のまま私の元へ突撃してくる。

 

こうなってしまえば私もなりふり構ってはいられない。どんな形でも勝利しようとする岩上さんは多分戦士なんだろう。でも、私にも意地というものがある。わたしは岩上さんが突撃してくる間”あえて”何もしなかった。

 

そして彼女は想定通りにブレードを刀を紗矢から抜き放つように、振り上げた。それは私の首をめがけて飛んできた......!

 


 

我の最期の一撃は、やはり読まれていたのだろう。山田殿がとっさに腕を上げ、その手には近接用のブレードが握られていた。我の威力が足らないブレードではその刃は容易に防がれてしまう。

 

そしてそのまま、我は腹部に、ショットガンをゼロ距離射撃されてしまう。我がよろけるとすかさずにグレネードを我の顔面に”殴りつけた”。先ほどの蹴りの意趣返しだったのだろう。殴られた勢いと爆風で相まって我は大きくのけぞった。

 

そしてその瞬間、我の体には銃弾の雨が降りかかった。そんなことではシールドエネルギーが尽きるのも早い。結局アサルトライフルの連射を浴び、シールドエネルギーが底をついて、我は負けてしまった。

 

(そう言えば、前にも我はこんな負け方をしたな)

 

あと一歩まで追い詰めたが、結局は負けた。どうやら我は舞台に上がるのを失敗してしまったらしい。舞台に上がるどころか、上がる役者にすら選ばれなかったということか。

 

いっそ無様なものだ、いつになっても、どこまで行っても

 

「お疲れ様でした!岩上シノブさん、でよかったですよね?すごくお強いんですね?」

 

「いえいえ、我なんぞ強いのうちに入りません。山田殿の方がよほどお強いです」

 

山田殿はとても晴れやかな笑顔で我に声をかけてくる。どうやらお眼鏡にはかなったようだ。

 

「左腕のことも右足のこともありましたし、心配してましたけどこれなら全然問題ないですね。きっと合格ですよ!」

 

「そうですか。山田殿、我はあなたのお眼鏡にかなう相手でしたか?」

 

「..........それはもちろん!あなたの成長が楽しみです!」

 

良かった。でも、これはあれか?試合に負けて勝負に勝ったというやつか?何とも言えん気持ちになるな。まぁそんなこんなで我の試験は終わった。山田殿に頭を下げ、とっとと身支度をして我は帰路へとついた。

 


 

「すごいですね、彼女。さすが、織斑先生が誉めるだけはある」

 

「私も、まさかこれほどとは思っていませんでした」

 

隣で先ほどのシノブの戦いぶりに驚いている同僚に、頷きを返す。私も驚いているが――その内容は、同僚のそれとはまるで違うだろう。

 

シノブの剣の腕は知っていたが、あの動きや戦術は鍛錬や才能だけでは到底説明が付かない。ISか生身かは別にして、銃火器で武装した敵との戦闘経験が、豊富にあることは確実だ。

 

 ――平和な孤児院暮らしの少女が、いったいいつ、どこで、そんな業を身に付けたのか。

 

(......お前は、何者なんだ)

 

弟と仲のいい少女。元世界最強という私のことを考えれば、一夏の利用価値は計り知れない。自然を装いながら、一夏の交友関係には気を配っている。そんな一夏の幼なじみであり、普通の人生を送ってきた筈の少女が、初の戦闘で歴戦の戦士を追い詰めるほどの戦いを見せた。

 

何かしらの目的があって一夏の側に居るのだとしたら、こんな不用意に自分が怪しまれるような真似はしないだろうと、もっともらしい理屈でこの悪寒を押さえ込むことは出来るかもしれない。

 

だが、それでも――疑うなというほうが、無理がある。

 

心情では、私はシノブを信じたいと思っている。

 

思い出すのは、数年前。第二回モンド・グロッソ決勝戦直前で、一夏が誘拐されたという報せを受け、一夏が捕らわれているという廃工場に向かったとき。

 

辿り着いたその場所には、一夏と一緒にモンド・グロッソの観戦に来ていた、岩上シノブの姿があった。

 

周囲には銃で武装した男達が倒れていた。一夏誘拐の犯人達だろう。そして、気絶している一夏を背に庇い、彼女が立っていたのだ。しかしどこか覚束ない。よく見てみれば右足には何かでえぐられたような跡があり、中からは骨が顔を見せている。

 

左腕を失い、右足も激痛が走り、その上大量の出血。そのせいで一時的に視力をほとんど失っていたのだろう、その瞳は焦点が定まっておらず、突然現れ、IS〔暮桜〕を展開していた私を敵だと思ったようだった。

 

一夏を背にし、男たちから、持っていた拳銃を奪い去り、効かないとわかっていても、拳銃の銃口をこちらに向け撃鉄を下ろす。そして、片腕を震わせながら、引き金に指をかける。その時私は咄嗟にシノブを抱きかかえた。

 

その時ようやく、私だとわかったのだろう。「良かった」と一言喋った後、気絶してしまった。その後シノブは病院に運ばれすぐに手術が行われたが右足はどうにか”元の形”に戻った。だが左腕は義手を付けようにも、傷口のあたりで拒否反応が起きて

 

装着できないためもう動かすことは不可能だといわれた。それに右足も麻痺が残り、普通に動かすことは不可能だとも言われた。それを聞いた私は、とにかく絶望したよ。すぐに院長先生にも電話をかけて先生の病院で見てもらった。

 

しかし、先生をもってしても、マヒが残った右足の神経と失われた左腕の義手による再生は不可能だった。まるで何かに阻まれているかのように。そのとき先生は「まるで毒で体が犯されているようだね」と言っていた。

 

シノブが以前から、守るための「力」を欲していたこと。そのために地獄のような特訓をこなしていたことは知っている。そんな彼女が左腕を失い、足の神経を傷付け麻痺が残ったその体で受けた苦しみは想像を絶するだろう。

 

でも、そんな状態でもなお彼女は一夏の良き友人でいてくれている。

 

それなのに、たった一回の戦いを見ただけで疑ってしまっている私がいる。

 

(なら、いっそ見なければよかった)

 

そうすれば少なくともまだ彼女のことを疑うことはなかっただろう。

 

今の今まで考えてもみなかったことで、悩んだりしなかったのに。

 

「次の受験生が来ましたよ。時間からすると、これが最後ですね」

 

「ええ、そうで、す..............ね......」

 

同僚の声で意識を現実に戻し、試験場を見た私は絶句した。

 

なぜなら、そこには。

 

女性にしか動かせないはずのISを動かしている、私の弟の姿が――

 

「................ハァァァアアアアァァアァァァア!!!?!??!??」

 

採点官全員の絶叫が、観戦席にこだました。




アトガキメタ劇場(仮)
シ「なんだこの場所は?というかなんだこのタイトルは!」
い「あれ?なんでお前がここにいるんだ?シノブ」
シ「それは我が聞きたいのだがな?一夏よ」
ち「なんだ、お前たちもここにいたのか」
シ、い「千冬殿(姉)!」
ち「なんだお前ら、やかましいぞ。まぁいい、作者から何やら言伝を預かっているからここで読もうと思う」
今回はこんな作品を読んでいただきありがとうございます。これまでの展開は、作った作者からしてもパクリだといわれても仕方ないなと思う内容です。なのでこれからは精一杯オリジナル展開に務めますのでどうかよろしくお願いしますBy作者
ち「だ、そうだ。ちなみに次回は一夏視点での今回の話からになるそうだぞ」
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