校内に連行された後、理事長室と書かれた場所に入れられる。理事長でも呼ぶのだろうか、緑の魔女に所持品は全て取られてしまったし。どうするか、トレセン学園の校舎を見る限り『ウマ娘のレースを扱う業界』は大きそうだ。そうすると、スパイか何かだと問題になってしまう可能性がある。そんなことになると僕の居場所はウマ娘、またその関係者からの評判は良くないものとなるだろう。
「こちらでございます。」
「感謝‼︎ たづな君、ご苦労‼︎」
なにやら騒がしい声が聞こえてくる。さて、ここをまとめるのはどんな奴だ、と考えるが、その姿を見た瞬間に驚きでその考えは吹っ飛んでしまった。
その姿はまさに子供だった。自分の身長は180cm近くあるが、その自分より頭二つ分ほど小さいのだ。つまり、彼女の外見は小学生ほどにしか見えない。しかし、子供に見えるだけで成人しているかもしれないのでそのことは自分の心だけに留めておく。
「理事長、この方です。」
「理解‼︎まずは自己紹介をしよう。我はこのトレセン学園の理事長の秋川やよいである。そしてこっちが…」
「理事長秘書の駿川たづなです。」
これは自分も挨拶しなければ、と軽く一礼してから自己紹介をする。
「僕は天瀬玲凪です。そちらが預かっていた名刺入れに名刺が入っていたと…。」
というとやよい理事長はたづなさんに命令をし、荷物の中から自分の名刺入れを出させる。僕の名刺を見ると一度頷いて、
「了解‼︎君は不審な者ではなさそうだ。」
「い、いいんですか⁉︎何か事情がありそうですが…。」
やよいさんは名刺を見て、もう一度うなずく。
「確認‼︎ 君は画家、らしいな。もうすぐジュニア級メイクデビューがある。たづな君は不満らしい。そこで、彼の人間性を見るためにメイクデビューで彼の絵画を見せてもらおうじゃないか。」
「理事長がそこまでいうのでしたら、それでも良いのですが…。…わかりました。そうしましょう。」
二人ともそれで納得したようだ。しかし、メイクデビューとは何だ?トレセン学園と関係があるからレースの一種だろうか。
この後たづなさんと連絡を取れるようにし、持ち物を返してもらい、帰宅させてもらった。
家に帰ってすぐに”メイクデビュー”について知らなかったので、ウマ娘のレースについてパソコンで調べることにした。
ウマ娘が最初に走って沢山の人に自分を認知してもらうのがメイクデビュー、誰もが目標とできる様々なレースを行うのがURAらしい。僕は友人が競馬のファンなので少しは競馬に詳しいところがある。URAの詳細を見ると芝、ダート、マイルなど競馬と同じ部分があることがわかった。これでまたウマ娘のことについて詳しくなっただろう。
そして、これから競バ場でウマ娘が走る姿を想像しながら宅配サービスで夕食を取るのだった。
topic:主人公は画家と言っているがイラストレーターの面の方が大きい。