飲食店
というわけで明後日から手伝いを始めることとした。午前10時ごろにトレセン学園に着くと校門前で沖野さんが待っていてくれた。どうやら彼はサークルを作っているらしく、そのサークルに設けられている個室に案内してくれるそうだ。
そこに着くと自分のイメージとはかけ離れたものだった。自分は一つの大きな建物の中の一部屋だと思っていたが、どうやら建設現場の仮の部屋のようなアレなのだ。
中に入ると、ど真ん中に白い長方形のテーブルがあり、サイドには合計6つの背もたれが無いタイプの椅子が置かれている。さながら部室のようだ。
「それで、僕は何をすればいいんですか。」
「ええと、とりあえずメンバー全員の名前を覚えてもらおうかな。」
そう言うと、沖野さんはタブレットを取り出し、僕に見せてくる。
「ほい、こいつらが今いる奴らだ。」
それを覗くと7名の情報が書かれていた。どうやらこのチームにはゴールドシップ、ウオッカ、ダイワスカーレット、サイレンススズカ、スペシャルウィーク、トウカイテイオー、メジロマックイーンがいるらしい。
「ああ、もうちょっとでもう一人来るんだ。」
“そうですか”と自慢げな言葉を一蹴りし、近くにある椅子に座らせてもらう。成る程、ウマ娘によって得意な距離があるらしい。長距離、中距離、マイル、短距離の四つだ。
さらに言うと走り方もいくつかある。逃げ、先行、差し、追込だそうだ。とは言ってもあまり詳しくない自分にはよくわからないので、他のことも含めて沖野さんに聞くことにした。
結果としてはこのチームのことについて聞くことができた。とは言っても彼は放任主義な様で聞けたのは性格ぐらいで詳しいことは聞けずじまいだった。
「さて、そろそろ昼飯の時間だ。よし、ラーメンでも食べに行くか。」
僕は頷くとルームから出た沖野さんについていくために立ち上がった。
どうやらトレセン学園には沢山のウマ娘がいるのでそれに伴って周りには商店街だったりデパートだったりが多いのだと言う。そういえば3日前にトレセン学園に来る途中、飲食店の件数がやたら多い気がしていたのだ。なので同じものを取り扱う店は去らざるをえないのではと考えていたがそれは杞憂なのだろう。
そうやって色々考えていると沖野さんは足を止める。彼は”これから向かうラーメン屋もそのひとつだ”といって暖簾をくぐる。
「おっちゃん、いつもの!」
「じゃあ僕もそれをお願いします。」
沖野さんと同じメニューを頼めば確実だろうと考えていると驚いた様子でこちらを向く。「なんですか?」と問うと彼は焦った口振りで両手をガシッと肩に乗せて言う。
「おい、ここのラーメンは結構な量あるぞ、食いきれるか?!」
厨房に視線を移すと店主らしき男性も首を縦に振る。どうやらこれは本気らしい。しかし、ここまで来ては引き返すのは気が引ける。
「いえ、大丈夫です。そういえば”いつもの”ってどんなのですか?」
ここまできたらどんなもんが来ても食べきってやる、と覚悟を決めて腹を括る。さて彼はどんなものを食べようとしてい…
「チャーシューもやし追加の野菜マシマシ豚骨ラーメン」
「あ、味噌でお願いします。」
…豚骨だけは無理なんです。そう手を挙げて言った。
シンデレラグレイを買いました。少しずつウマ娘知識が増えている…気がする。