股間の刃   作:スピリタス3世

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第四話 官能小説家・後編

  side 善逸

 

 いきなり出汁介が堤鬼に、エロ本を書いてくれと懇願した。

 

「えっ…………?」

 

 堤鬼はもちろん困惑している。チンコ丸出しの鬼殺隊士ってだけでも意味分からないのに、敵であるはずの鬼にエロ本を要求してるのだから。

 

「小生の書く小説は………面白いのか………?」

 

 いや、そこじゃないと思う。

 

「実はまだ読んだことないんだ。だから面白いかは知らん。」

「そうか…………」

 

 だろうね。

 

「でも読んでみたいんだ。貴方の小説を。」

「そうか…………なら書こう。」

 

 書くんだ。

 

「いくら払えばいい?」

「お金………だとっ⁉︎」

 

 払うんだ。

 

「小説家に依頼するんだぞ。当たり前だろ。」

「小生がお金を貰えるなんて………久方ぶり………っ!」

 

 なんか感動してるんだけど。コイツもしかして、めっちゃ下手なんじゃね?

 

「とりあえず、20銭で。」

「分かった。」

 

 敵対している鬼殺隊と鬼の取引。普通に考えて、あり得ないことだ。これ、見つかったら上に怒られるんだろうなぁ。そこまでの危険を犯しながら、貰うのはエロ本という。危険と見返りが明らかに見合ってない。コイツ、馬鹿なんじゃないかな?

 

 

 

 

 しばらく、俺たちは鬼が小説を書くのを見守った。何この光景。

 

「ねえ、俺たち何しに来たんだっけ?」

「官能小説の依頼だろ。」

「違えよ‼︎」

 

 出汁介はエロ本のことしか考えてないし。俺だけでも探しにいくべきだな………

 

「ちなみに、他に2人くらい鬼殺隊士がいるだろう。」

「なんで分かるの?」

「足跡を含めた屋敷前の地面の汚れ方が、3人分だった。1人は拐われた少年で、残り2人が鬼殺隊士だろう。となると、俺たちの役割は鬼の足止めだ。」

「そうなのか………」

 

 コイツ、なまじ強いからなぁ。こういうところは信じられそう。

 

「だから、俺は安心して妄想できる。」

「安心してやることがそれか‼︎」

 

 こういうところは信じられないけど。

 

「むしろ、俺が助けるより彼らが助けた方がいいだろう………」

「お前、鬼より怖いからな。」

「俺は優しい男なのに………」

 

 あと、落ち込むなら隠せ。丸出しだから引かれんだろ。

 

 

 

 

 待つこと30分、

 

「出来たぞ………小生の小説が。短編だが………」

 

 待ちに待ったエロ本が、ついに完成した。

 

「ありがとう…………」

 

 果たして、出来栄えは………………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えろい‼︎」

 

 どうやら大興奮のようだ。

 

「えろい‼︎えろい‼︎えろい‼︎えろい………えろい‼︎」

「何回言うねん。」

「小生の小説は………すごかったか……?」

「えろい‼︎」

「分かったから‼︎」

 

 興奮しすぎて、語彙力が低下している。よっぽどエロかったんだろう。俺も買えばよかった。

 

「ありがとう………」

「どうかこれからも………俺に官能小説を書いてくれ。」

「承知した………」

 

 こうして、俺たちは何故か堤鬼改めてエロ本鬼と仲良くなった。そして任務なのに、鬼を退治せずそのまま屋敷を出た。会った鬼にエロ本書いてもらって仲良くなる、これが鬼殺隊の任務だったのか………。じいちゃんもこんなことやってたんだな…………

 

 

 

 

 俺たちは外に出ると、

 

「お兄ちゃん、ありがとう!」

「ど〜も。これからも兄妹仲良くね!」

「「「はい!」」」

 

 ヒノキの箱を背負った、緑の市松模様の少年が拐われた子供とさっきの兄妹に感謝されてた。どうやら無事助けられたようだ。良かった!

 

「「「あっ…………」」」

 

 そして、その子供たちが俺たちの存在に気づいたようだ。

 

「「「鬼ぃぃぃぃぃ‼︎」」」

「なにっ、鬼だと⁉︎」

 

 しかも俺たちを鬼とか言いやがった‼︎やべえ、このままだと同士討ちになる‼︎なんとか誤解を解かないと‼︎

 

「俺たちは鬼じゃない‼︎」

 

 出汁介が必死に弁明してくれた。

 

「変態だ‼︎だから安心してくれ‼︎」

「「「もっと怖いぃぃぃい‼︎」」」

 

 そのせいで、余計状況が悪くなった。

 

「おいバカ‼︎変なこと言うな‼︎怖がってるでしょ⁉︎」

「何故怖がるのか…………?俺には理解できない。」

 

 なんで分かんねえんだよ。脳みそ下半身にしか付いてねえのか‼︎

 

「どうしてそんなに恥を晒すんだ‼︎」

 

 ほらっ、市松模様君に怒られたじゃん‼︎

 

「恥だと?晒してるのはおちんちんだぞ?」

 

 そうじゃねえよ‼︎何言ってんのコイツ、とか思ってるだろうけど、それはこっちの台詞だ‼︎

 

「それが恥だろうが⁉︎」

「俺は自分のおちんちんに自信を持っている。決して恥じてなどいない。」

「いや、そういうことじゃなくて…………」

 

 ほらっ、彼も困ってるじゃん‼︎

 

「猪突猛進、猪突猛進‼︎伊之助様のお通りじゃぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ってまた変態が現れたぁぁぁぁぁぁ⁉︎上裸に猪頭だと⁉︎気持ち悪っ‼︎ってかもういい加減にしてくれ‼︎変態は出汁介だけで充分なんだよ‼︎

 

「伊之助だと?俺の名前は出汁介(だしのすけ)だ。」

「なんだと⁉︎」

「俺たち似てるな。」

「そ、そうか?」

 

 そうだな。変態仲間だな。

 

「俺は山の主だが………お前は?」

「夜の主だ。」

 

 嘘つけ。知識だけある類の童貞だろ。

 

「夜の主………?なんかすげえ‼︎強えええ‼︎」

 

 感動すんなよ。

 

「それに、お前は上半身裸で、俺は下半身裸。2人合わせて全裸だな。」

 

 悪い方を合わせるな。

 

「うぉぉぉぉぉぉ‼︎よし決めた!お前には特別に、この伊之助様の子分としよう‼︎」

「ならば親分、報酬はエロ本で。」

「は………っ?」

 

 ただ、これはいい状況だ。変態同士で固まってくれれば、俺が変態から離れられる。そしたら、このまともそうな市松模様の彼と任務するんだ。そうすれば、解放される。道ゆく人のゴミを見るような視線や、助けようとした女の子に逃げられることから。やったぁぁぁぁぁぁ‼︎これで彼女が出来るぞぉぉぉぉぉぉぉ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、俺たち4人で『ちんぽこ隊』を結成しよう。」

 

 は?

 

「断る。」

「えっ、えっと……………」

「なにっ、コイツら子分になるのか⁉︎」

「ああ!好きなだけ猥談しよう‼︎」

 

 なんか隊を結成されたんだが。しかも名前が最悪。ちんぽこなのお前だけだよ。いや、他3人にも付いてるけどさ。お前のチンコが隊の象徴になっちまうじゃん。

 

「ねえ君、どうする…………?」

 

 とりあえず、市松模様の彼に話しかけるか………

 

「と、とりあえず一緒にいるよ…………」

 

 彼はお人好しらしい。諦めて一緒にいてくれるようだ。とりあえず、俺は常識人組同士、コイツと仲良くなろう。

 

 ということで、変態2人と、非変態2人による、ちんぽこ隊が結成されたのだった。




ということで、かまぼこ隊ならぬちんぽこ隊が結成されました。
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