ギャルのパンティおくれ!!   作:真田蟲

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今回はギャグが全くないシリアス一辺倒です。
面白くないかも、ごめんちゃい。




六話

 

俺と彼女が出会ったのは二日前。

パンティYAMADAが開店から四日目の、閉店作業中のことだった。

今考えれば、あの日は初めての平日営業や学園長とのやり取りなど、なかなかに内容の濃い一日だったと思う。

だけど、老人の正体が学園長であると判明したのはその数日後のことだった。

そのことを考慮すれば……いや、考慮しなかったとしてもだ。

俺にとってはこの日、一番の上客ができたことよりも彼女との出会いの方が重要であったと考えている。

これは、ある意味で運命であったともいえるだろう。

俺が山田太郎であり、これからの山田太郎の人生を歩む上で必然であった出会いだ。

この出会いこそが、俺の今後のパンティ人生の方向性を大きく決めたといってもいい。

これが例え、彼女の言うところの歴史にない出会いであったとしても。

彼女が意図して作り上げた、作為的な出会いであったとしても。

やはりあの出会いは、俺にとっての一つの運命であったと強く思っている。

だからこそ、彼女―――――超鈴音との出会いは、やはり俺の人生を考察する上で最も語るべき事柄の一つなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園長の背中を見送ってから閉店時間を迎えたパンティYAMADAの屋台。

今日の分の報酬であるローレグパンティをレイニーデイに渡した後、俺は商品を片付けていた。

さすがに後片付けまで彼女をタダ同然で手伝わせるのは気が引けたので、先にレイニーデイには帰ってもらう。

外部に取り付けていた試着室をたたみ、屋台の中に収納する。

この屋台は外見上はワンボックスタイプの大型車のようである。

だが、その実はエンジンを積んでおらず、自転車のように人力で運転が可能だ。

営業時は魚を三枚に下ろすように変形させることが可能で、簡単にコノ字型の屋台が完成する仕掛けになっている。

屋台を元のワンボックスタイプの形体に変え、商品の入った段ボールを収納する。

これで終わり。単純な作業だ。

あとは自転車のように男子寮まで漕いで帰るだけである。

ここまでに30分ほどしかかかっていない。

 

「こんばんわ、山田太郎サン」

 

さぁ、あとは帰るだけだという時になって声を掛けられた。

誰だと思い、屋台から出てその人物を確認する。

 

「初めましてネ、私は超鈴音というヨ。

 近くの屋台、超包子のオーナーをしてるネ」

 

日本人に近いが、どこか中国系を思わせる顔立ち。

肩までほどの長さの髪を、複数の三つ編みにして垂らしている特徴的な髪型をしていた。

超鈴音と名乗ったその少女は、年齢的には俺と同じくらいだろう。

というか、女子中等部の制服を着ているから年上の可能性はあっても中学生ではある。

小ぶりだがなかなかいい尻の形を思わせる腰つきをしている少女だ。

ふむ、誰だろうか?

完全に知らない少女である。

俺の名前を知っているからといって知人であるとは限らない。

先日のショーで結構名前が売れてしまっていることもあり、知らない人間が俺のことを知っているという状態もあるのだ。

というか、知人の女の子の名前を忘れることはあっても腰つきを忘れることはない。

この能力のおかげかなんなのか。

今や知っている女性なら、腰だけで誰かわかるようになってきたしな。

ん?……超包子?

ああ、そうか思い出した。

俺とほぼ同じタイミングでこの世界樹前広場で屋台を始めた中学生だ。

中華料理とは聞いていたが、まさか中国人がオーナーだったとは。

あれか、同じ場所で店を開いていることから挨拶に来たとかそんな感じか。

あー……俺の店は食い物関係じゃないから競争相手にならないと思って挨拶とか考えてなかった。

そっか、やっぱり店を開く上でそういうのは必要かぁ。

今度ちゃんと周囲の店に挨拶に行こう。

 

「悪いな。近くで店やってるのに、考えたらまだ挨拶しにいってなかったな」

 

「気にすることはないヨ、私もいままで挨拶に来なかたしお互い様ネ。

 貴方も初めて持つ店でいろいろと大変ダたろうからネ」

 

「そうか? そう言ってもらえると助かる」

 

良いやつでよかった。

やっぱり周囲の店とはいい関係を保っていきたいもんだよな。

俺の安堵する様を見てか、超はクスリと小さく笑った。

その仕草はどこか大人びて見えて、彼女が同年代の少女たちよりも精神的に成熟していることが窺えた。

俺に対して右手を差し出し握手を求めてくる。

それに応えるように、俺も彼女の差し出した手を握った。

 

「山田太郎だ、この屋台のオーナーをしている。

 改めてよろしくな。」

 

「こちらこそよろしくお願いするネ。

 貴方とはできれば友好な関係を築いていきたいと思っているヨ」

 

「中華料理の店なんだよな? 今度食いにいくよ」

 

「ふふ、それは楽しみネ。貴方ならいつでも歓迎するヨ。

 私も貴方のパンティにはかなり興味があるからネ、今度買いに来るネ」

 

残念ながら今日は閉店までに間に合わなかったようだしネ、と話す超。

なるほど、こいつも俺のパンティに興味を持ってくれているのか。

先日のショーを見てくれたのだろうか?

確かに、俺を見る視線の中にこちらに対する興味が窺える。

社交辞令としての言葉以上に、彼女は俺のパンティに興味を持ってくれているのだろう。

うん、今度時間がある時に超包子に食べに行ってみよう。

俺自身はまだ行ったことなかったけど、結構人は集まっているみたいだし評判のようだ。

そんで、パンティについて食事をしながら語り合うのも楽しいかもしれない。

超から感じるパンティストの臭いとでもいえばよいだろうか?

そういった類のものを感じ、俺は彼女とはいい友人になれそうだと感じた。

 

「そうだ、これはお近づきのしるしだ。良かったらもらってくれ」

 

挨拶代りにパンティを生成し、彼女に手渡す。

中国人ということで、中華風のイメージで刺繍を施したパンティ。

中国と言えばカラーイメージ的には赤や緑の原色なんだが、挨拶で渡すにはそれでは強すぎる。

だから白の布地に薄い赤の糸で、中華的な模様を施した。

あまり露骨な模様では、遊び心が過ぎるのであくまでアクセントとしてだが……

布地面積はローレグとまではいかないが、若干小さくしている。

チャイナ服にでも合わせて穿いてもらえればいい感じになるのではないだろうか?

ちゃんとヒップサイズを80センチに合わせてある。

 

「これは……本当にもらってもいいのカ?」

 

「ああ、挨拶代りのようなもんだ」

 

「そうか……そうね、大事にするヨ。

 貴方がうちの店に来るときは、うんと御もてなしさせてもらうネ」

 

差し出したパンティを一瞬呆けたように見た超。

受け取ることに一瞬戸惑いを覚えたようだが、俺の言葉に素直に受け取った。

まるで宝物でももらったかのように大事にその腕に抱え込む。

そんなに気にいってくれたのだろうか?

俺としても即興で作ったパンティを気に入ってくれたのなら嬉しい。

やはり自分の作品を認めてもらえるというのは、作り手にとっては嬉しいことなのだ。

 

「今日は挨拶ついでに貴方に教えることがあったから来たのだガ……

 私も何か渡せるものを持ってきたほうが良かたかネ?」

 

「……教えること?」

 

「そうネ。今度うちの店に来た時に御馳走するから、今日のところはこの情報で勘弁して欲しいヨ」

 

「いや、別にそんな気を使うなよ。で? 俺に教えたいことってのは?」

 

どうやら超は単に俺に挨拶しにきただけではないようだが。

一体、何について教えてくれるというのだろうか?

あれか、店を開く上でやらなければならないことができていないとか、そんな類のものか。

俺は商売をするのはこの店が初めてだし、なにかやらなければならないことが抜けていても不思議はない。

だけど、彼女が口にした言葉は俺の予想の斜め上をいっていた。

 

「山田太郎サン、貴方のことを警察が嗅ぎまわってるヨ」

 

「っ!?」

 

警察が? なんで??

素早く思考をめぐらせれば簡単にたどり着く。

この学園に入学する前、駅で拾ったトランクケース。

それを届けた際に中身を少しちょろまかした。

警察に目をつけられることなど、それくらいしか身に覚えがない。

もしかしたら、あの大金は何か事件に関わるような重要なものだったのか。

いや、それを抜きにしてもちょろまかしたのが極一部で会っても500万もの大金だ。

捜査するには十分な額か。

その場のノリで空いたスペースにパンティを詰め込んだのも悪かった。

今や俺はネット上でかなりの有名人である。

某動画サイトで、俺のパンティイリュージョンが世界中で話題になっているのだから。

名前を名乗らなかったとしても、パンティと年齢層から俺に結びつけて考えるのは難しいことではない。

くそ、これなら変に怖気づかずに全部もらっときゃ良かった。

 

「ふふ、心当たりがあるようネ?

 想像通り、貴方が拾った大金のことで怪しまれてるヨ」

 

「……くっ、なんでお前がそんなことを知っている?」

 

「私はこれでも独自の情報網を持っててネ、貴方のことを調べていたら辿り着いたネ」

 

俺のことを調べていた?

何故? 何かに対する脅しに使うため?

だがそれでは警察が調べていると話す必要はない。

もし俺に対し、このことを黙っていることと引き換えに何か要求するならそうじゃない。

彼女としては「協力しなければ警察に言うぞ」と言えばいいのだ。

だというのにまるで俺に対して忠告しているかのような発言内容。

それに、先ほどまでの態度は実に友好的だった。

今も俺に対する敵意や警戒は見られない。

何だ、何が目的だ?

 

「勘違いしないで欲しいヨ、私は貴方のことを単純に心配しているだけネ。

 こんな事で貴方の夢が邪魔されるのが嫌なのだヨ」

 

「…………何?」

 

「貴方のパンティは―――山田太郎のパンティは世界を革新に導くパンティ。

 その道をこんなくだらないことで妨げられるのが忍びない、それだけヨ」

 

その言葉に、俺はガツンと脳内を揺さぶられた。

これでも人の目を見れば、相手が本気で言っているかどうかくらいはそれなりに解る。

超が本気で俺のパンティをそのような物と考えてくれているのがわかった。

俺自身、いつかこのパンティYAMADAのブランドを世界のブランドにする気はある。

だが、まさか初めて会った他者からそれを言われるとは思ってもみなかった。

彼女はこんなにも俺のパンティを認めてくれているのか!?

 

「貴方さえよければ、私も貴方のパンティのこれからを仲間として一緒に見ていきたいと思ってるヨ。

 もし私の言葉を信じてくれるなら、明日のこの時間に超包子にきてほしい。

 警察は明後日にあなたに任意同行を求める気でいるし時間もそう無いからネ。

 きっと貴方の力になれるはずヨ」

 

彼女の言葉が本当であるという証拠はない。

だが、本当なら明後日には警察に任意同行を求められる。

そこで指紋の一つも採取されるだろう。

トランクケースは素手で触れていたこともあり、俺の指紋と照合されれば一発でばれる。

いくら俺がとぼけようとも決定的になるだろう。

 

「それでは、貴方が明日私のもとに来てくれると信じているヨ」

 

そう言って超は手をひらひらと振りながら歩いて去って行った。

俺は彼女の小ぶりな尻を眺めながら、どうすべきかを考えていた。

 

 

 

 




一応これで理想郷の投稿に追いついた形になります。
土日は仕事が忙しいので、次の投稿は少なくとも週が明けてからになると思います
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